馬場伸幸の発言 (憲法審査会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○馬場(伸)委員 日本維新の会の馬場伸幸です。
 本日は、橘法制局長より、緊急事態条項に関する諸外国の対応や国民投票におけるSNS対策など、貴重なお話をお伺いできました。是非、憲法審査会での今後の議論に大いに役立てたいと存じます。橘局長、ありがとうございました。
 こうしてつつがなく討議の場が持たれたことについて、各党会派の皆様にも感謝を申し上げます。憲法について不断に議論していくという立法府の責務からすれば、感謝するというのもおかしな話ですが、長らく一部の特定政党がありとあらゆる妨害を尽くし、この委員会室の扉が固く閉ざされていた前国会までの暗たんたる有様を鑑みれば、定例日に各党会派がしっかり憲法に向き合うことが軌道に乗りつつあることは大きな前進であると受け止めています。
 しかし、ただ集まって意見を述べ合っているだけでは意味がありません。私たちは、かねて夏の参議院選挙と同時に国民投票を実施するというスケジュール感で憲法改正に向けた論議を加速させるべきだと主張してきましたが、皆様におかれましても、そのような決意と覚悟で審議に当たっていただきたいとお願い申し上げます。
 何より重要なのは、オンライン審議の導入について方向性を打ち出したように、喫緊のテーマに関する議論が一定の決着を見たら、民主主義の原則である多数決によって結論を出すという作業を急ぐことです。前々回及び前回のテーマとなっている緊急事態における国会議員の任期延長問題についても、堂々巡りを続けるのではなく、そろそろ意見集約に入るべきだと考えます。
 緊急事態時の行政、立法府の在り方をめぐる論点の領域は広く、国会議員の身分に関わる問題はその一つにすぎません。例えば、今後の議論の論点を挙げれば、緊急事態の宣言を行う主体や国会の関与の在り方、緊急政令をどうするのか、また、財政上必要な措置や、行政機関の長の指揮監督、地方公共団体の長との関係性をいかようにするのかなど、解決すべき問題は尽きません。無駄に時間を費やすのではなく、一つ一つ迅速に議論して結論を導き出す必要があると考えます。
 緊急事態時の国会の機能維持に関する日本維新の会の立場は、憲法にしっかりと緊急事態条項を設け、次の二つを条文に明記することです。
 すなわち、一つは、緊急事態の宣言が発せられたときは、法律の定めるところにより、衆参両議員の任期及びその選挙日の特例を定めることができるということ、もう一つは、憲法七条による天皇の国事行為による衆議院解散を禁止し、衆議院解散後から総選挙の期日までに緊急事態の宣言が発せられたときには、その解散はなかったものとみなし、議員の地位回復を行うことであります。
 また、緊急事態時における憲法改正禁止の項目を盛り込むことによって、通常でも法律よりも厳格な手続を取らなければ改正できない硬性憲法の原則を維持できると考えます。
 我が党は、各党会派がそれぞれの見解を早期に提示し、意見が出尽くせば、民主的な多数決によって、当審査会としての結論を導き出すことを求めます。かつて、本会議における採決で見られた牛歩戦術のように、反対だからといって無駄に時間を引き延ばすことはやめ、前へ前へと突き進むべきだと強く申し上げておきます。
 なお、本日は、憲法審査会で取り上げるテーマとして、国会議員の免責特権を挙げさせていただきます。
 言うまでもなく、国会内における国会議員の発言、表決は院外で責任を問われないとする免責特権が憲法五十一条で定められています。議員の自由な議論を確保するために、免責特権自体は必要な制度ですが、特権とはいえ、濫用することはあってはなりません。濫用の扱いについては、憲法改正も視野に、真剣に議論しなければならないテーマだと考えています。
 国会議員同士であれば、意見を闘わせることにより、もし間違っているならば正すことは可能です。しかし、国会議員以外の一般の方への誹謗中傷については、その方が国会で反論して正すという手段、方法はありません。
 事実誤認に基づくものであろうが、意図的によるものであろうが、国会外なら侮辱罪や名誉毀損罪にも該当するような一般の方への誹謗中傷が院内でなされた場合は、発言者の国会議員は一切無罪放免とされ、被害者である一般の方は泣き寝入りするしかないのです。同じ内容の誹謗中傷発言が国会外でなされ、司法の判断で事実無根と認定されても、院内での発言なら国会議事録から削除することができない上、デマの内容を含んだ欠陥議事録がインターネットで公開され、世に広がってしまいます。
 国会議事録は、デマを無責任に垂れ流している三流ゴシップメディアと何ら変わりません。当該被害者は、終生ぬれぎぬを着せられ、子や孫も先祖の無実の罪に苦しむことになります。法治国家において、こんな理不尽なことがあるでしょうか。
 免責特権の濫用は、立法府の品位や議員のモラルが問われる極めて重要なテーマで、被害に遭った一般の方の人権にも関わる問題です。国会議員の免責特権にも一定の制約があるということを明確化するなど、是非、当憲法審査会で議論を進めていただくようお願い申し上げ、私からの意見表明といたします。
 ありがとうございました。

発言情報

speech_id: 120804183X00720220331_013

発言者: 馬場伸幸

speaker_id: 30654

日付: 2022-03-31

院: 衆議院

会議名: 憲法審査会