山田賢司の発言 (憲法審査会)
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○山田(賢)委員 自由民主党の山田賢司でございます。
本審査会も、ほぼ毎週開催されまして、テーマを絞って集中的に審議ができるようになりました。まず、国会審議のオンライン化についても一定の方向性を示せた意義は大変大きいと存じます。また、選挙の繰延べ、議員任期の延長についての必要性もおおむね認識が共有できつつあるのではないかと存じます。
そこで、本日は、緊急政令の必要性について所見を述べたいと存じます。
緊急政令を設けるというと、私権制限、個人の権利を制限する統制的な意味合いで受け取られることがありますが、実は、私権制限自体は憲法の問題ではなく、法律の問題だと考えております。国民の権利を制限し、義務を課すのは法律であり、憲法はむしろ、その法律を制定し運用する国会や内閣など、国家の統治機構に権限を付与したり制限をする、そして、その立法や行政が正しく行われているか司法が判断するよりどころとなるのが憲法であると考えます。
実際に、災害対策基本法や様々な法律で私権制限に関する規定が定められております。立入禁止や退去命令、土地や物資の収用、工作物や障害物の除去、従事命令や協力命令、物価統制や金銭債務の支払い猶予等々。
では、緊急事態条項を憲法に設ける意義は何か。私は、緊急事態下における統治機構の機能の維持にあると考えております。平時においてできることが、大災害や感染症蔓延あるいは武力攻撃を受けるなど有事において、通常の手続では実施できない場合においてどのような手続を取るのか、これを憲法にあらかじめ定めておく必要があるのではないかと考えております。選挙の繰延べであったりオンラインによる審議であったりというものは、有事における立法機能の維持の一つだと考えております。
緊急政令を設ける意義については、私権を制限するためということではなくて、国会を召集して、会議を開き議決をするといういとまがないときに、まさに緊急かつ迅速に法令を制定する必要がある場合にどうするのかということが本質だと考えております。
緊急事態だから何でもやってよいということではなくて、緊急事態において迅速に対応するために、例えば、行政府にどこまでの権限を付与するのか、そして、立法府として事前、事後にどうチェックするのか、法律で定めるべきことは定めておくことができますが、憲法でなければ定められないことは何か、これを議論し、整理した上で、あらかじめ定めておく必要があると考えております。
もう一つ、財産権の制限に伴う補償についても整理が必要だと考えております。
財産権の制限も、公共の福祉に沿うようにということで法律で定めることはできますが、例えば、憲法二十九条三項、正当な補償の意義についても整理が必要だと思います。平時において経済的価値を算定して収用するなどの正当な補償と、有事において生命身体の自由を優先させる緊急の事態における経済的価値の補償、こういったものについても、緊急事態を想定して整理をしていく必要があると思います。
こういったことについて、是非御議論をしていただければと思います。
以上です。