新藤義孝の発言 (憲法審査会)
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○新藤委員 自由民主党の新藤義孝でございます。
今国会の憲法審査会は、二月からほぼ毎週開催をし、憲法に関する議論を深めてまいりました。先週の緊急事態条項に関する議論においては、各会派から様々な意見が述べられ、中間的作業として論点の確認ができたことは非常に意義あることだったと考えています。各論点については、今後、更に深掘りをしていきたい、このように考えております。
また、憲法本体の議論と併せまして、憲法改正の手続である国民投票法の議論を行っていくこと、これも憲法審査会に課せられた使命です。
そこで、本日は、国民投票法に関し議論すべき点について申し上げたい、このように思います。
国民投票法が整備すべきとされているのは、一つは、投票環境整備などの外形的事項、もう一つは、CM規制など国民投票運動に係る投票の質に関する事項であります。
投開票に関わる外形的事項については、公職選挙法が規定する投票環境を反映させる必要があり、昨年六月に成立したいわゆる七項目案は、まさにこうした改正でした。この国民投票法改正案は、法案修正が行われ、附則第四条に検討条項が追加されています。
この意味については、委員の中には、附則四条は、現行法のままでは投票の公平及び公正は確保されていないと判断し、国会に措置を求めているものであり、これらの法制上の措置等が講じられないうちは憲法改正の発議はできないと解されますとの意見を述べられる方がいらっしゃいますが、この附則第四条の意味については、法案審議の中でやり取りがあり、一定の整理がなされておりますので、改めて確認をいたします。
この条文は、あくまで、検討を加えて、その結果、必要と判断されれば必要な措置を講ずるというものです。必要とされる措置の内容については、法制上の措置、すなわち法改正が必要と判断される場合もあれば、その他の運用上の措置や予算措置で対応すれば足りると判断される場合もあります。
さらに、この検討条項には、憲法改正の発議に関する言及は一切ありません。したがって、検討の状況や結果が憲法改正の発議に法的な制約を与えることはありません。
この点は、参議院の憲法審査会の質疑応答において、より明確になっております。当日の議事録には、与党の法案提出者が、法制的に憲法本体の論議も憲法改正の発議も可能であると答弁したのを受けて、当時の修正案の筆頭提出者である立憲民主党の山花郁夫議員より、この検討条項の下でも憲法本体の議論や憲法改正の発議が条文上可能であることについては、原案提出者である中谷先生や北側先生から御答弁がございました、共通の認識でございまして、異論はございませんとの答弁が記録されております。
附則第四条では、検討項目として、第一号で、公選法並びとなる投票環境向上などの外形的事項が、第二号で、CM規制やネットの適正利用など投票の質に関する事項が掲げられております。
本日は、このうちの第二号のCM規制等をめぐる問題について論点を確認しておきたいと思います。
平成十九年制定時の国民投票法の基本的な理念は自由な国民投票運動であり、それを前提とした公平公正な国民投票が併せて打ち立てられました。この自由と公平公正のバランスをどのように取るかが、国民投票法を考える際のポイントだと思います。
これは、国民投票法に関するCMについても当てはまります。国民一人一人が自由な国民投票運動を行えるようにするとともに、賛成CMと反対CMを全体としてバランスの取れたものにできるかどうかが重要になるわけです。
このCM規制の問題につきましては、広告の受け手である民放連や民放各社と、出し手である私たち政党側という、二つの担い手の役割を整理しておく必要があります。
まず、受け手である民放連、民放各社が行う取組として、いわゆる自主規制の問題があります。
平成十八年六月の、国民投票法制定時、憲法調査特別委員会において、民放連の参考人は、量的な自主規制はできるのかとの質疑に対し、「自主規制はできます。やらなければいけないというふうに思っております。」と述べたことが記録されています。その場の委員たちは、民放連が量的な自主規制を行うと認識したと理解しています。
しかし、その後、民放連は、平成三十年九月の会長会見において、量的自主規制はしないと発表されました。令和元年五月の憲法審査会における参考人質疑では、CM量に特化した自主規制は行わないし、そもそも広告の受け手として、実務上非常に難しいといった趣旨の答弁をされました。
こうした一連の発言に対し、制定時の発言との整合性から、民放連は量的自主規制をしない方向に態度を変えたのかと心配する声が憲法審の中に出ていることを承知しております。これはとても重要な論点であり、であるからこそ、民放連発言の真意と自主規制の内容について確認する必要がある、このように考えています。
そもそも、民放各社は、CMの受け手として、国民投票以外にも日常的に膨大な量のCMを取り扱っております。国民投票に関するCMは、通常のCMと同様に、憲法で保障される表現の自由の下、放送法三条の放送番組編集の自由、四条の放送番組編集に当たっての政治的公平性などが要求され、さらに、五条において、放送事業者は、独自の番組基準を定め、広告のガイドラインなどの自主規制を行うことが要請されています。これがCMの受け手である民放各社の基本的な枠組みです。
したがって、民放連、民放各社には、法律に基づいて、受け手としてできる範囲内で、国民投票CMについても公平公正となるよう、自主規制が要請されています。そして、民放連からは既に、平成三十一年三月の国民投票運動CMなどの取り扱いに関する考査ガイドラインなどが発表されております。
このような状況を踏まえ、出し手である私たち政党側のCMに対する具体的な取組も同様の議論が必要です。現行の国民投票法では、国会に設置される国民投票広報協議会が行う周知活動について、量的な賛否平等の取扱いが規定されています。この法的な枠組みと、受け手である民放各社の自主規制、そして出し手である政党側の取組をトータルで考え、国民投票運動の自由と投票の公平公正のバランスをいかに取るか、これを整理しなければならないと考えているわけであります。
先ほどの幹事会において、私は、本日の議論を踏まえた上で、来週もこの審査会を定例日に開催をし、国民投票法の議論を更に深めることを提案いたしました。具体的な審査会の持ち方につきましては、引き続き筆頭間協議で詰めてまいりたいと思います。
委員各位の御理解と御協力をよろしくお願い申し上げまして、私の発言といたします。