北神圭朗の発言 (憲法審査会)
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○北神委員 有志の会の北神圭朗です。
本日は、国民投票運動における広告放送について、基本的な考え方を申し述べたいと思います。
結論から申し上げますと、これは、公平性の原則を踏まえますと、憲法改正項目に対する賛否両論が、報道機関において可能な限り同じ扱いを受ける必要があると考えます。
とりわけインターネットの領域では、新聞やテレビよりも、二点について注意が必要です。一つは、SNSなどの媒体により政党の広告などが引用されて、個人や団体から様々な意見等が、根拠あるなしにかかわりなく広範に拡散していくことを想定しなければいけません。二つ目は、国内外からのサイバー攻撃にさらされる危険性が常にあるということです。
本件については、国民投票法が制定された当時は、基本的に規制は最小限という方向性が示されています。しかしながら、その後、当時前提としていた民放連の自主規制について、民放連そのものから、CM量の自主規制は行わないといった趣旨の発言がありました。
また、英国におけるEU離脱の国民投票があり、米国大統領選挙におけるロシアからのサイバー攻撃があり、我が国でも大阪都構想の住民投票が行われ、当初の議論から事情変更があったとの指摘もあります。
問題の本質は、一方で報道の自由や表現の自由などの要請があり、他方では公平性の原則、公正性の原則の要請があり、これらの調整をいかに図るかといったところにあります。
こうした中で、私は、基本的には、法的規制にはできるだけ頼らずに、報道機関などの自主的取組を重視すべきだと考えます。
確かに、先ほど触れた民放連の発言がありますが、これはCMの量に関して自主規制を行わないということだと解釈をしています。メディアはあくまでCMの受入れ側であり、賛成、反対それぞれのCMの量、すなわち時間などを実務的に調整することは困難だと思います。むしろ、政党などが自主的に申し合わせて、上限を設定するなどで対応する方が現実的ではないでしょうか。もちろん、こうした自主的取組を後押しするための訓示規定など、法的に規定することは検討に値すると考えます。
同時に、国民投票運動の資金面で適切な規制を設け、収支の透明性を図ることにより、放送広告における賛否両方の公平性に資すると考えます。資金力が大きい方がより多くの宣伝ができるような野方図な自由は、制限すべきだと考えます。
具体的には、国民運動等に対する支出や寄附行為の金額については一定の上限を課すべきです。また、実際に行われる支出行為等を事後的に検証可能にするために、収支の透明化を図り、支出する者の登録並びに収支報告書の提出を義務化することも求められます。
なお、外国人が国民投票に及ぼし得る影響については、当然、監視の目を光らせるべきです。したがって、外国人からの寄附や国籍等が不明となる匿名寄附は全面禁止すべきであります。
他方、サイバー攻撃については、事の性質上、規制が事後的なものにならざるを得ないと思います。米国大統領選もそうですが、現在のウクライナ戦争でも、ロシアがサイバー攻撃により偽情報を流し、画像なども修整しています。素人考えですが、対策としては、まず攻撃があったことを早急に把握する能力が前提となります。その上で、権威ある機関が、あるいは信用ある機関が偽情報を公表し、これを説明しなければならないのでしょう。
昨日、内閣官房の内閣サイバーセキュリティセンターに本件について問い合わせたところ、我々は政府機関の対策をやっているだけだ、選挙のことなら総務省がやっているのじゃないかと言われ、今度は総務省のサイバーセキュリティ統括官に問い合わせたら、我々は情報関連産業の対策をやっているだけだ、むしろ内閣官房がやっているのではないかと、久しぶりに古典的なたらい回しに遭いました。体制を早急に構築すべきではないでしょうか。
最後に、国民投票広報協議会の役割が大きいと思います。
国民投票運動における自由な意見表明や討論は否定すべきではないですし、インターネット上では現実的に制御不能です。しかし、やはり憲法を国民の手で決定することは民主主義の基本中の基本であり、極めて重たい行為です。事実無根の議論や扇情的な表現、偽情報などが飛び交うことによって、国民の正常な意見形成が損なわれることは絶対に避けなければなりません。
こうした意味で、責任ある政党によって構成される国民投票広報協議会が真実の最後のとりでとして機能すべきだと考えます。インターネットを監視する部署も新設すべきかもしれませんし、サイバー攻撃への対策も本協議会で実施すべきではないでしょうか。
もっと言えば、言論の市場において悪貨が良貨を駆逐しないように、超党派的にインターネットや公共のメディアを通して国民に正確な事実をより多く、広く発信し、問題ある情報等については、反論、説明ができるような仕組みを考えるべきでしょう。
以上、有志の会の広告放送の規制に関する意見といたします。
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