奥野総一郎の発言 (憲法審査会)
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○奥野(総)委員 立憲民主党の奥野でございます。
今ほど新藤筆頭から話がございましたけれども、国民投票法改正案三項目ですけれども、先ほど、我が党の反対を押し切って、CM規制等が含まれない国民投票法改正案が、議院運営委員会で多数決によってこの憲法審査会に付託をされました。また、先ほどの幹事会では、多数意見ということで同法案の趣旨説明が決められました。強く抗議をいたしたいと思います。
昨年成立した、これは私が立法に携わりましたけれども、国民投票法附則四条では、施行後三年を目途として、投票環境向上のための措置だけではなく、公平公正確保のためのCM規制、国民投票運動等の資金規制等について、必要な法制上の措置その他の措置を講ずることを求めているものであります。
今回の今御説明があった与党法案は、投票環境の向上のための措置だけを手当てするものであり、CM規制等公平公正を確保するための措置は含まれておりません。また、投票環境向上のための措置は、何も公職選挙法並びだけのものにとどまりません。なぜ今回、公職選挙法に平仄を合わせるだけの三項目改正を優先させるのでしょうか。これで発議の準備ができた、そういうアリバイづくり、パフォーマンスではないんでしょうか。
再三申し上げていますが、附則四条が設けられた趣旨から、一号、二号が求めている全てについて検討を行って、何らかの法制上の措置その他の措置が講じられるまでは、憲法改正発議は当然できません。今回、一号の一部の措置だけを講ずることの意味は全くないのでありまして、なぜ今日このタイミングでやるのかということは、私は意味がないと思います。強く抗議を申し上げます。
かつて中山太郎先生が、これは毎回申し上げていますが、この憲法審査会をつくる際に、憲法論議のあるべき姿として、憲法論議は内閣ではなく国会の責務、権限であるべきこと、それは、政権を争う与野党対峙の論戦とは一線を画した、全国民代表としての論議であるべきこと、そして、憲法論議は、自己の理想の憲法像の主張にとどまるのではなく、最終的には三分の二以上の多数派形成に向けた超党派的論議、いわば偉大なる妥協を目指した議論であるべきということでございますと述べて、みんなで考え、みんなで議論し、みんなでつくるという姿勢を訴えておられます。
これまでは、こういう姿勢がずっと守られてきたというふうに思います。これからもこういう姿勢をしっかり続けていかねばならないのですが、今回のやり方は、こうした審査会の精神を踏みにじるものではないでしょうか。
後ほど説明する、我が党が準備している国民投票法改正案、これは主として二号に係るものでありますが、併せて議論を行い、しっかりとした、民意が反映される国民投票法にすべきであります。今回の三項目先行について、重ねて抗議をいたします。
引き続き先週の議論について少し申し上げますが、先週の質疑の中で、民放連、永原専務理事は、時に感情に訴える、扇情的な影響力を持つとおっしゃる動画広告が、配信サービスを通じて大量に流れて、SNSを通じて大量に拡散される、そういう状況が、果たして国民投票法百五条が期待した、国民が冷静に判断できる投票環境と言えるのでしょうかと、現在の状況が制定時の状況と異なっていることをお認めになられています。
そして、SNSやネットでの動画広告の拡散を止めなければ、テレビやラジオのCMを法律で禁止する、その期間を国民投票運動期間中全てに拡大、これは我々の言っていることでありますが、したとしても実効性が乏しいという趣旨を述べられた上で、ネット規制について、問題は、本当に規制できるのだろうかという点であろうと思いますと述べています。
そして、結論として、国民投票運動の全ての期間において、インターネット広告を含めて、言論に対しては言論で対処する、言論の自由市場で淘汰されることに任せればよいということに尽きますとおっしゃられています。
私には、いささか乱暴に思えます。このままでは、資金の多寡が憲法改正国民投票の結果に影響を与える。例えば、外国政府がお金をつぎ込んで我が国の憲法改正を妨害してきたら、どうなるんでしょうか。そうした場合は、みすみす放置することになってしまいます。
私から質問させていただきましたが、先週、資金の多寡により憲法改正の結果が左右されかねないが、それでも言論の自由市場の淘汰に任せるべきと考えているのかと伺いましたが、逆にCMの出し手側の自主規制の話を持ち出されました。これは新藤筆頭もおっしゃっていますが。しかし、CMを出すのは政党だけではありません。様々な団体がCMを発注します。永原専務自身が、例えば、自民党を支援する国民会議とか、立憲民主党を勝手に応援する市民連合だとか、いろいろなところのネット上の動画が出るということもおっしゃっておられました。ということは、やはり民放連自身も、政党だけの自主規制では不十分だと認めておられるんですね。
したがって、何らかの法的な措置が私は必要だと思います。立憲民主党は、国民投票が主権者たる国民が投票人団としての国家の重大な意思決定に関与する行為であることを踏まえて、表現の自由と国民投票の公平公正とのバランスが図られるよう検討を重ね、新たな法律案を取りまとめています。連休明けには国会に提出しようと思っています。
是非、玉木代表、国民民主党にも御賛同いただきたいと思っていますが、その我々の法案では、具体的には、国民投票運動、すなわち憲法改正案に対する賛否の勧誘のための放送広告は、主体を問わず、全期間にわたって禁止をしています。
その上で、政党については、賛否の勧誘だけではなく、賛否の意見表明、そしてインターネットの有料広告についても禁止の対象としています。
なお、禁止の対象となる政党とは、国民投票広報協議会が行う放送において意見広告の枠を有する政党としていることから、意見表明の機会、その枠でのCMは公平に保障されています。
こうした案についてまず御議論いただきたいということで、会長、お願いをいたします。
そして、ネット広告規制については、先週、公明党北側幹事が、少なくともネット広告については、ネットを通じて広告しようというならば、広告だということの明示、広告主の明示、問合せ先のアドレスの明示が大事だと述べられて、事業者団体でそういうことを決められないかという提案をなされていたかと思います。全く同感でありまして、我々の法案の中にも、そうした表示義務や、事業者への、特にプラットフォーマーになると思われますが、そうした掲載基準の策定の努力義務を規定しているところであります。問題意識は同じだと思うんですね。
この審査会でも法制局から紹介があったとおり、諸外国でも対応を検討しており、ドイツではネットワーク執行法、フランスでも同様の法案が制定されています。EUは、プラットフォーマーへ署名を求め、行動規範に基づく自主取組を推進されていますが、それらが不十分な場合は、法的な規制についても取り組む可能性を明示しているわけであります。
ですから、法的な規制についてもしっかり検討していかなければなりませんし、それだけでもなかなか不十分だというのは私も理解をしていますので、資金規制ですね、これは新藤筆頭がまとめられたメモにもありますが、運動資金規制をやってはどうでしょうか。
我々の法案の中では、運動資金が特定の者や外国人に依存することを防ぐように、一人当たりの寄附の上限額、あるいは外国人寄附の受領禁止などの規制を規定してあります。資金の多寡で投票結果を左右させない、とりわけ外国政府に干渉させない、そうした公平公正な国民投票を実施するためには絶対に必要な措置ではないでしょうか。運動資金規制についても集中討議を、あるいは参考人質疑を求めていきたいと思っております。
いずれにしても、この一号、投票環境の向上だけに絞って議論をするというのは私は拙速だと思いますし、全体として、パッケージできちんと議論をして、いいものをつくっていくべきだと思います。パフォーマンスで進めていくべきではないということを申し上げて、強く抗議をして、私の発言といたします。
以上です。