三木圭恵の発言 (憲法審査会)
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○三木委員 日本維新の会の三木圭恵でございます。
我が党のCM規制等についての基本的な考え方を述べさせていただきます。
民放連は、冷静な判断を行うための環境整備を確保するため、賛否の意見表明のための広告放送についても投票十四日前から取り扱わないとの基本姿勢を示しており、既に考査ガイドラインも公表されているところでございます。賛否の投票の勧誘である国民投票運動のための広告放送は、主体を問わず、全期間禁止されているのは言うまでもございません。
この民放連の自主的取組に加え、広告の出し手である政党の紳士協定、広報協議会による公営放送の充実や指針の策定などで、対応としては十分ではないか。仮に、政党等に賛否の意見表明までも一律に禁止することとなれば、表現の自由を侵害すると考えます。
ネット広告について規制をかけることは、非常に難しいことです。ネット業者の自主的取組や指針の策定でも全てに網をかけられないというのは、先日の民放連の永原参考人からの意見陳述にもございました。玉石混交のネット広告の真偽を国民自身が取捨選択するためにも、テレビ、ラジオなどによる多角的論点の提示が必要ではないか、この御意見も永原参考人からございました。
ネットの動画広告は、テレビ、ラジオと同様に、感情に訴える、扇情的な影響力を持つ広告であると考えられますが、政党以外のものは賛否の投票の勧誘のためのネット広告が禁止されておらず、広告放送とバランスを失することが懸念されているところでございます。そのため、テレビ、ラジオに規制をかけることは、ネット広告に規制がかけられないことと連動して考える必要があると考えます。片方は規制をしているのに片方は規制ができないということは、公平性の観点から非常に問題です。
よって、テレビ、ラジオに、民放連が示している、今の放送法の中で最大限の努力をされて策定された考査ガイドライン以上の規制を行うことは必要ないのではないかと考えます。
フェイクについても、情報があふれて、次から次へと雪崩のように押し寄せてくるネットの環境では、法規制ではなく、自律的な取組を通じた誤情報の自然淘汰に委ねるべきではないかと考えます。また、ファクトチェックを自発的に行う民間サイトなども出てきています。そういったサイトを運営する民間企業と広報協議会が連携することは、方策としてあり得るのではないでしょうか。
また、情報リテラシーとして、小学生の頃から、教育現場でも、ネットの情報は玉石混交であることをきっちりと教えることが大切になってくると考えられます。
資金規制についてです。
どの範囲のものまで規制の対象とするかが課題となっていると考えます。政党等については規制の対象とすべきとも考えられますが、既に政治資金規正法で透明化されています。
一方、民間の団体や個人についてまで資金規制の対象とする必要があるかということは、事務の煩雑化により潜脱的な支出等が行われ、かえって不透明化するのではないかとの懸念がございます。実際に国民投票が行われるとなれば、政党等以外の団体は多数に上ると予想され、一団体当たりの上限額を設けたとしても、団体数が制限できない限り無意味となるので、その意義が乏しいと考えます。また、個人についてまで資金規制の対象とする必要があるかどうかは、事務の煩雑化により、過度な事務負担が生じることとなります。
団体にしても個人にしても、収支報告書の作成や公表は国民投票の期日後に行われるため、投票結果に影響を与えづらいので、過度な事務負担が生じる割に意義が乏しいと考えられます。よって、資金規制については、その意義は乏しく、無駄に煩雑な事務作業を増やすだけと考えられますので、必要ないと考えます。仮に広告規制や資金規制を設けるとしても、それらの違反行為には違反者の罰則等で対応するということには検討の余地があると考えます。
国民投票と国政選挙は同時に行うべきではないとの考え方もありますが、法律で一律に禁止すると、例えば、技術上の改正で高い投票率を期待し難いような場合、国民の関心の薄いもの、例えば憲法七十九条や八十九条の改正などの場合には、同時実施により投票率の向上を期することができなくなり、硬直的になってしまいます。
そもそも、最高裁判所の裁判官の審査は衆議院と同時に行っているということは、二つの審査、投票を同時に行えるという実績であるとも言えます。また、特に衆議院の解散との関係で、既に設定されていた国民投票の期日を機械的に延期することとなれば、多大な影響と混乱が生じることになります。また、投票に係る経費を大幅に節約することができる利点もあります。
国民投票と国政選挙の同時実施の可能性を法律で排除することは柔軟な運用を阻害すると考えますので、そのような考え方には反対でございます。
次に、国民投票法改正案について、二月十日に奥野幹事より配付された資料を基に述べさせていただきます。
立憲案、先ほど奥野幹事の方からもございました。誰も意見を述べないのは失礼と思いますので、日本維新の会から述べさせていただきます。
立憲案では、まず、1の(1)、(2)に、国民投票運動のための広告放送の全面禁止とあります。これは、賛否の投票の勧誘である国民投票運動のための広告放送において、主体を問わず全期間禁止され、また、政党等は賛否の意見表明でも一律に禁止となっています。これこそ、表現の自由を侵害し、憲法違反のおそれがあるのではないでしょうか。また、国会の発議に至る議論の当事者である政党による放送を通じた情報提供を一律に規制することは、国民の議論、判断の重要な資料を奪うことにつながります。
次に、2の国民投票運動のためのネット等の利用に係る規制について、ネット動画広告は、テレビ、ラジオと同様に、感情に訴える、扇情的な影響力を持つ広告であると考えられますが、立憲案のように政党等による有料広告を禁止してしまうと、政党等以外のものは賛否の投票の勧誘のための有料ネット広告が禁止されていないため、テレビ、ラジオの広告放送とバランスを失します。
規制を設ける事項の中で、ネット有料広告に係る事業者等の取組、括弧、掲載基準の策定とございますが、ネット広告は出し手や方法に限定がなく、実効性ある規制を設けることは困難であります。また、自主的取組や指針の策定をしたとしても、全てに網はかけられません。
そのような中で、政党等のみを対象に規制を設けてしまうと、言論空間のゆがみを是正するどころか、かえってゆがみを拡大させるおそれがあるのではないでしょうか。それがたとえ努力義務であったとしても、事業者が恣意的運用をすれば、表現の自由への過度な制約となり得ます。
次に、国民投票運動に関する支出が一千万円超の団体の届出制及び収支報告書の提出等とありますが、団体の支出が一千万円を超えるかどうかを把握することは困難でございます。また、一千万円を超す団体の数が多数に上ると、広報協議会や中央選管、都道府県選管に過度な事務の負担が生じます。さきにも述べましたが、収支報告書の公表は国民投票の期日後に行われるため、その意義が乏しいと考えます。つまり、選挙の場合は当選取消しなどがございますが、国民投票で結果を覆すようなことは考えられないため、後日の公表は意義が薄いと考えます。
支出限度の設定については五億円とありますが、複数の団体に分けて支出すると容易に規制を潜脱することができてしまい、実効性に乏しいと考えます。
外国人等からの寄附の受領の禁止等とありますが、外国人にも政治活動の自由は保障されており、公選法上、外国人の政治活動だけでなく、選挙運動も規制はされておりません。政治資金規正法上、政治活動に関する寄附を受けることは禁止されておりますが、それ以外の外国人等からの寄附については規制がないことを考えると、選挙制度における取扱いと整合性が図られていないのではないかと考えます。
無効事由についても、国民投票が無効になる場合として三つの事項、明らかな虚偽や、規制に重大な違反があった、支出、寄附行為につき重大違反があったということを挙げておられますが、それがどれぐらい国民の投票判断に影響を及ぼしたかを定量的に測ることは不可能でございます。それにもかかわらず、国民代表機関である国会と主権者たる国民の判断が明確に示されたにもかかわらず、司法判断で事後的に国民投票の結果が容易に覆ることは適切ではないと考えます。そのため、無効訴訟における無効事由をむやみに拡大すべきではないと考えます。
選挙運動期間と国民投票運動の重複の回避とございますが、それはさきに述べましたので省略いたします。
また、SNSのプラットフォームに対する課題は、憲法の国民投票だけに関わる問題ではないと思いますので、もっと高所大所から論点を整理していただいて御議論いただくことをお願い申し上げます。
いつまでもCM規制の件で国民投票法案が膠着状態のままなのは問題でございます。このことを理由に本体議論ができないということは本末転倒でございます。論点も整理されてきていることと思いますので、早急に結論を出すことをお願い申し上げまして、私の意見表明といたします。