北神圭朗の発言 (憲法審査会)

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○北神委員 有志の会、北神圭朗です。
 まず、前回の参考人質疑の内容からして、一部疑義のあった広告量の自主規制について、民放連が可能な限り対応するとの方針が明らかになったと捉えています。少なくとも、インターネットで予想される広告などに比べて、民放連がそれなりに実効力のある自主規制を実施する用意ができていることを確認いたしました。
 逆に、インターネットに対して取るべき方針について、私自身、意を強くしました。すなわち、これは前々回申し上げましたが、やはり、政党関係の広告などを大量に流すことにより、言論市場で悪貨が良貨を駆逐しないように努めることが、最も言論の自由を圧迫せずに、公平性、公正性を確保する方法だということです。
 ただ、インターネット規制全体につきましては、ホスト事業者などの専門家の意見を聞かなければ、正直、私自身、確信を持てません。立憲民主党さんの言う全面規制も、言論の自由との関係のみならず、技術的に規制が難しいのではないかと思われます。のみならず、様々な広告や意見が氾濫する中で、いわゆる公正な意見がかすんでしまう可能性が高い。せいぜいホスト事業者に協力をお願いして、例えば新型コロナ関係で、ユーチューブ上、最新情報については内閣官房ホームページを御参照くださいといった表示が出ますが、憲法改正項目について、例えば国民投票広報協議会のサイトを表示してもらうことぐらいかなと考えます。
 こうしたことから、やはり国民投票広報協議会の役割が大きいように思います。責任ある政党によって構成されるこの協議会に対する予算や人材を充実させて、ネットや公共のメディアを通して、賛否共々、広告を大量にかつ公平に発信するとともに、疑いがある情報等については事実関係を明らかにする、こうした役割を担うべきだと考えます。
 このほかにもインターネットの論点はありますが、事は容易ではありません。問題意識だけ申し上げますと、ネット広告の出し手やホスト事業者と一概に言っても、グーグルとかフェイスブックなどは協力の余地があっても、小規模の広告代理店やコンサルタントが表に出ずに関わることも想定すべきです。
 しかも、海外では、これらが直接に政治広告という形ではなく、市場調査や商品の広告などの体裁で有権者を誘導することも見受けられます。こうした業者を、規制どころか、そもそも把握できるのか。
 また、広告の出し手に規制をかけたとしても、実効性があるのか。例えば、外国に根拠を置くサイトなどから発信された場合は、我が政府の監視や規制が及びません。
 また、一部の有権者層に絞って誘導的な情報を流すホスト事業者に対して、どこまで把握できるのか。以前、フェイスブックの従業者が、サイト上、保守的な意見が普及しないための取組をしてきたという証言がありました。しかし、こうしたサイトでどのような手法で情報を収集し、整理し、公開していること自体が不透明となっています。こうした証言を裏づけるのにも一苦労です。
 さらに、オンライン上、個人の全てのコメント、会話、ポストが記録され、政治利用されることも重大な問題です。個人情報のプライバシーは、表現の自由や結社、集会の自由などの基本的人権と密接不可分だからです。つまり、自分の政治的意見が誰かに見られ、利用されていることを意識すれば、自分の主張を明らかにしたり、他者との政治的連携を図ることをちゅうちょし、萎縮する効果があります。
 しかし、これらの課題は国民投票運動に限定されません。公職選挙法や基本的人権、さらにはデジタル基本権の在り方など、憲法改正を含めた大がかりな検討が必要です。
 加えて、これまで余り議論が進んでいないサイバー攻撃対策についても、政府は公職選挙法との関係でさえ全くと言っていいほど検討が進んでいないように思います。幾らここで論じようとしても、そもそも、サイバー攻撃に対応できる人材や技術等、我が政府の体制ができ上がっているのかということです。
 こうしたことから、本審査会で議論ができること、できないことを分けた方がよいと思います。そういう意味では、国民投票法改正法案につきましては、本審査会の土俵を超えたインターネット規制の議論とは別に、淡々と審議に入るべきだと提案します。既に令和元年に公職選挙法で取られている投票環境整備のための項目を並びで国民投票に盛り込む改正であることを考量すると、なおさらそう思います。
 一方で、憲法改正本体の議論も待ったなしです。つい数日前に、起業家イーロン・マスク氏が、ツイッターの買収に成功すれば、これまでの言論に関する自主規制を一切取っ払うという発言をし、これを受けて、米国の民主党議員のフォロワーが大幅に減少し、自由主義的傾向の強い共和党のそれが大幅に増加しました。デジタル領域の目まぐるしい変化の中で、本審査会で対応可能なことは結論を得ながらも、一方で、緊急事態など国家の危機管理に関わる憲法論議も同時並行的に進めるべきだと申し上げまして、私の意見といたします。
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発言情報

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発言者: 北神圭朗

speaker_id: 4662

日付: 2022-04-28

院: 衆議院

会議名: 憲法審査会