柴山昌彦の発言 (憲法審査会)
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○柴山委員 会長、発言の機会をありがとうございます。
国民投票をめぐる環境ですけれども、先ほど奥野幹事から附則四条についての言及がありました。確かに、公平公正な制度を実現するための法整備は極めて重要だと思いますけれども、この質の確保の法整備を行うのは、何も、その前提となる投票環境の向上のための様々な課題を先行して議論し、あるいは可決をすることを妨げる理由にはなりません。むしろ、国民投票一般について、それぞれ採決に熟したものを一つ一つ可決、成立をさせていくことが、議論を混乱させず、そして一歩一歩法律を完成に近づけるために重要なステップだと私は考えております。
次に、CM規制等、質の議論をどのように考えるかということについて意見を申し上げたいと思います。
かつて、船田元委員が憲法調査会の幹事であったとき、表現の自由は極めて重要であり、国民投票運動も極力自由を確保するべきだという発言がありました。
かつてメディア規制を議論したときに、我々は情報の受け手であって、マスメディアが情報を寡占化しているというような議論が、憲法学でも一世を風靡したことがあります。
しかし、時代は大きく変わっております。我々一人一人の個人の情報発信であっても、それがSNSなどを通じて瞬く間に膨大な影響力を持って拡散することも、今の時代、決して珍しいことではありません。
そのような時代にあって、では、そうしたSNSも含めたネットの規制をどのように行うかということは極めて重大な関心事、テーマでありますけれども、先ほど少しお話があったように、これが国境も越えた形で伝播をしていくということを考えると、それが日本の法規制にどれほどなじむのかということはよくよく慎重に考える必要が私はあると思っております。
先ほどお話があったように、広告の発注団体について、例えば規模、国籍、あるいは資金量に応じた規制をするということは容易に潜脱をされる可能性があるという指摘がありましたが、全くそのとおりだと思っております。
とすれば、むしろ、その意見あるいは意見の出し手にしっかりとした透明性、そして、広告主である表示と、それから追跡可能性を担保する、そして、それに対する反論をしっかりと自由を確保して行っていくという方向の規制がまずは穏当であるし、プロバイダーあるいは様々なプラットフォーマーにそういった説明責任や透明性確保のための環境整備を求めていくということが、規制というよりはむしろ現実的なのかなという気がしております。
そして、そのような膨大なインターネットの空間にあって、放送の持つ役割というものが極めて重要だと感じております。
これも先ほどお話があったとおりでありまして、現行法上、放送の内容の公正が四条で求められている放送業界については、一定の、放送の、意見表明も含めた形の規制というものを行ってもらう。ただ、それは権力による介入ではなく、むしろ自主規制によってそれを確保することによって、例えばSNSなどについても、しっかりとした反論あるいは是正のための意見なども表明をしてもらうということが大切であろうと思っております。
いずれにせよ、現行法を超える形の放送メディアに対する法規制も、やはり現在私たちは慎重に考えなければいけないと考えており、この業界の皆様の考査ガイドライン、あるいはその一層の充実というものをしっかりと関係者が集まって協議をしてもらうということに、私は現実的な解決策があるというように考えております。
いずれにいたしましても、放送の、あるいは意見表明のための質の確保というものは、こういう形で、それぞれに携わる者たちが現実的な形で磨きをかけていく、それは法律とは別のレベルで磨きをかけていくということが現実的であるので、冒頭申し上げたように、今回の国民投票法は速やかに可決をし、そして次のステージに入っていくことを強く期待をし、私からの意見表明とさせていただきます。
以上です。