谷田川元の発言 (憲法審査会)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○谷田川委員 立憲民主党の谷田川元でございます。
我が立憲民主党は、国民投票広報協議会が行う放送を除いて、憲法改正案に対する賛否の勧誘のための放送広告はその主体を問わず全期間にわたって禁止し、その上で、特に政党による放送広告については、賛否の勧誘だけでなく、賛否の意見表明も含みます。そして、インターネット有料広告についても規制の対象とする案を考えております。
そもそも、我が国の統治制度は間接民主制を原則とし、直接民主制は極めて例外的にしか採用しておりません。それは、直接民主制の実現が物理的に困難という理由だけではなく、熱狂と歓声の中、ムードに流されて投票が行われる危険があるからであります。そのようなムードの醸成に直結し、非常に重要な役割を果たしている放送広告、インターネット有料広告に何ら規制を加えることなく放置すべきだとの考えは甚だ疑問であります。我が党の奥野議員がこの審査会で発言したように、メディアが働きかけて意思決定の自由を侵害してしまう危険は可能な限り排除されるべきです。
諸外国の例を見ても、イギリスでは、二〇〇三年通信法において政治的宣伝が一般的に禁止されており、当然、民間商業放送においては投票運動としての広告放送が禁止されると解されています。フランスでは、一九八六年の情報伝達の自由に関する法律において政治的性格を有する広告放送を流すことが全面的に禁止されているため、国民投票に関する広告放送をテレビ、ラジオで流すことも当然に禁止されるほか、カナダ、スイス、アイルランド等でも同様の規制がなされています。
一方、我が国では、政党には国民投票広報協議会が行う放送において意見広告の枠を公平に配分されることとなっています。それにより、政党の意見表明の機会が保障されています。先日、民放連の永原参考人が、政党広告を全面禁止してしまうと、ネット上でフェイクなものが紛れ込んだときに、どれが真正なCMかというのが分からなくなってしまうという懸念を表明されましたが、国民投票広報協議会が行う放送でそれが解消できると考えます。
さらに、我が党は、国民投票運動等に関する支出金額が一千万円を超える団体には収支報告を義務づけるとともに、五億円の支出限度額を設けて、また、運動資金が特定の者や外国人に依存することを防ぐために、一人当たり寄附の上限額の設定、外国人寄附の受領禁止など、寄附規制を定める案を考えております。これは、資金の多寡によって国民投票の結果が左右されることがあってはならないからであります。
およそ人権とは、人間が人間であるという、ただそれだけで認められるものであり、人間としての価値は、年齢、性別、社会的身分等、ましてや資金力、経済力により差別されるものではありません。憲法改正が、資金量や外国人の影響といった国民主権原理と何ら関係ない、あるいは反する要素により投票結果がゆがめられるならば、これは国家百年の悔いが残ることになるでしょう。よって、一定程度の規制をかけることが必要であると考えます。
この審査会の議論を通じて様々な論点が出されていますが、国権の最高機関である国会の責任で、公正で納得のいく国民投票の仕組みをつくっていくことが最も優先度が高い項目であることを改めて申し上げ、私の意見といたします。