小野泰輔の発言 (憲法審査会)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○小野委員 日本維新の会の小野泰輔です。
今週も憲法審査会が開かれることを素直にうれしく思っております。
今通常国会において現在の我が国を取り巻く情勢に応じた憲法論議が行われていることは、まさに当審査会が国民の負託に応えて機能しているものと受け止めています。
前回まで審議が行われた国民投票法改正案のCM規制についても、民放連から参考人をお招きし、国民投票運動等についての広告規制の在り方に関して率直な御意見を伺い、議論を深められたことは大変意義深いことだったと感じております。
特に、昨年初当選し、憲法審査会のメンバーに加えていただいた私にとっては、永原参考人は、憲法審査会の議事録や衆議院法制局の過去の経緯の説明資料に度々登場するものの、生のお姿やお声に接したことのない、例えは変でありますが、いわば私にとっては伝説の人であり、前々回に現時点での御意見を直接お伺いできたことは、何か止まった時が再び刻まれたような感覚を覚えました。
そして、前回の審査会の最後に、国民投票について投票環境を公職選挙法並みにするための改正案が提出され、憲法改正の投票手続の充実に向け、具体的な動きが見られました。
CM規制のほか、今通常国会の序盤においては、新型コロナウイルス感染症が拡大している中、いかに国会機能を維持するのかという観点から、まず、喫緊の課題として、国会のオンライン開催が憲法第五十六条一項の「出席」の概念との関係から可能なのかについて審議がなされました。その結果、国会のオンライン出席は憲法上も例外的に認められるとの考えが大勢を占めました。
国会のオンライン出席をめぐる議論をしているさなかの二月二十四日に、突如、ロシアがウクライナに侵攻しました。このような情勢の中、このオンライン出席の問題に引き続いて、感染症のほか、大規模災害、内乱・テロ、そしてウクライナが直面しているような他国による武力侵略等の緊急事態の際に、憲法上どのような条項を整備すべきなのかが議論されました。主に、国会機能を維持するため、国会議員の任期延長の問題について審議がなされ、それに関係する憲法改正の議論も行われました。
大まかに今通常国会の経緯を振り返りましたが、冒頭に述べましたとおり、新型コロナウイルス感染症やウクライナ危機という現在の情勢を受けて、本審査会も適時適切に必要な憲法論議を行ってきたものと感じております。
これまで議論してきた論点についても、オンライン国会のように方向性が定まり、議院運営委員会にその結論に沿った検討を依頼したものもあれば、いまだ各会派で意見が異なるものがあろうかと思いますが、それぞれの立場での各論点についての憲法改正に関する考え方は出そろっていると感じています。
そのような中、今国会の残された会期において、当審査会でどのような議論をしていくべきなのかについて、私から御提案させていただきたいと存じます。
ウクライナがロシアによる突然の侵攻を受け、力による一方的な現状変更がなされようとしている中、我が国周辺の情勢に目を向けたとき、非常に厳しい安全保障環境に置かれていることは疑いようがありません。中国の艦船や軍用機が毎日のように我が国領海、領空付近を航行、飛行し、緊張感が高まっているほか、ロシアは北方領土等で軍事訓練を行い、北朝鮮はこれまでにも増してミサイル実験の頻度を増やして、核武装のスピードを速めています。
自由や民主主義、法の支配といった価値観を共有することが困難であり、恫喝や武力による現状変更を行おうとするこれら三か国に国境を接している我が国は、世界でも最も高い地政学的リスクを抱えた国の一つであることを認識しなければなりません。
そこで、残された会期内において、当審査会で我が国の安全保障と憲法に関わる問題について審議することを、是非、森会長にお願いしたいと思います。政治家として、我が国の平和と安全をどう確保するのか、そして憲法についてどう考えるのか、国民の前で議論し、各会派がそれぞれの考え方を示すべきタイミングであると思っております。
我が党の松井一郎代表は、かねてより、次期参議院選挙において憲法改正国民投票も同時に実施すべきだとの考えを述べてまいりました。現時点において、憲法改正の発議を行った上で国民投票運動の期間を確保することは事実上不可能となりましたので、残念ながら同時実施について今回は断念せざるを得ませんが、来る参院選において、目下の我が国を取り巻く安全保障環境をどう認識し、安保政策についてどう考えるか、それに伴い、憲法改正についてどのような具体案を出すのかについて、各政党が国民に明確に示すことが、政治の責任であると考えています。
私ども日本維新の会は、平成二十八年三月二十四日に憲法改正原案を発表しております。そこでは、教育無償化、統治機構改革、憲法裁判所設置の三点を改正項目として提言しております。
従来から、我が党は、安全保障について、憲法においては第九条の扱いをどうするかについては改正項目に含めてきませんでした。私も、昨年の総選挙までの活動で、有権者の皆様から、日本維新の会は憲法九条に関してはどういうスタンスなのかというお問合せを頻繁にお受けしておりました。ここには馬場共同代表がおりますが、我が党らしく何物にもはばからずに申し上げますが、憲法九条について触れられないことについては、私自身、候補者として大変苦慮しておりました。
私も来る参院選のマニフェストの作成の一端を担わせていただいておりますが、安全保障環境が戦後において最も厳しくなっている状況において、憲法九条に関するスタンスに触れずにおくわけにはいかないと考えております。
また、現代の最新の戦争は、戦車が走り、砲弾が飛び交うような分かりやすいものではなくなってきています。ハイブリッド戦という言葉も生まれてきているように、エネルギーや戦略的物資の確保等をめぐる経済安全保障や、システムを対象にしたサイバー攻撃など、従来とは異なる次元で戦争が行われる時代となっています。サイバー攻撃などへの防衛を行う際には、通信の自由の制限を行うことも視野に入れることもあり得ると思います。その際、現行憲法のままで制約することが許されるのか、そうでない場合には憲法をどう改めるべきなのかについて、党内でも議論を開始しています。
このように、現時点において安全保障をどう確保するのかの議論は、憲法九条にとどまらず、二十一条なども大きく関わってくるものと認識しています。
森会長、そして全ての幹事、オブザーバーには、以下のような認識を御共有いただき、是非、当審査会で安全保障に関わる憲法論議を次回以降実施していただきますようにお願い申し上げます。
なお、憲法改正に反対されている会派に対しましては、改正を主張している会派が相当割合に上っていること、世論調査でも憲法改正に賛成している国民の比率が高まっていることに鑑み、以前行っておられたように議論を避けるのではなく、堂々と国会で議論を闘わせることが国民の理解を得るためにも必要なことではないかと僭越ながら付言いたします。
以上でございます。