野田佳彦の発言 (憲法審査会)
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○野田(佳)委員 御指名、感謝を申し上げます。
皇室制度に関わる有識者会議の報告書の検討が国会に委ねられています。まさに国家千年の計に関わる重要なテーマだと思うんですが、全く今、国会の中での議論は進んでおりません。強い危機感を持っておりますので、憲法とも密接に関わる重要なテーマだと思います、したがって、当憲法審査会においても討議すべきであるという立場から発言をさせていただきたいと思います。
皇室典範特例法に対する附帯決議の主たる要請であった安定的な皇位継承を確保するための諸課題の検討は、報告書では、機は熟していないとして、先送りをされています。国会を軽視しているとともに、次世代皇位継承者がたったお一人しかいないことに対する危機感が足りません。
皇族数の確保を図る具体策は二つ提案されていますが、いずれも憲法と関連づけた深い洞察に欠けています。その欠落した憲法的な視点を補うためにも憲法審査会における議論が必要であり、立法府の総意をまとめるための地ならしになると思います。
二つの案の具体的な問題点を指摘したいと思います。
まず、女性皇族が婚姻後も皇族の身分を保持する案は、配偶者と子は皇族という特別な身分を有せず、一般国民としての権利義務を保持し続けるとしています。これがもし実現すれば、一つの家族の中に皇族と一般国民が同居するという不自然な形になってしまいます。憲法第一章と第三章を家庭内で両立できるのでしょうか。
女性皇族は、戸籍がなく、投票権もありません。言論や表現の自由は制限され、政治的発言やSNSの発信もできません。しかし、その夫と子は、言論や表現の自由、職業選択の自由などが認められ、SNSも活用していいし、政治的発言も自由です。夫は被選挙権もあるし、子はスカウトされてタレントになる可能性もあります。この不自然な家庭からはたくさんの不都合が噴き出すのではないかと懸念をしています。
次に、七十五年前に皇籍離脱した旧宮家子孫の国民男性を養子縁組して皇族に復帰させるもう一つの案も、幾多の問題点がありますが、最大の問題は憲法違反の指摘があるということであります。
国民の中にあまた存在する皇統に属する男系の男子の中から、旧宮家の子孫だけを養子縁組によって特権的に皇族の身分を与えるプランは、憲法第十四条が禁じた門地による差別に該当するという指摘であります。違憲の疑いのある制度では、到底、国民の理解を得ることはできません。
以上のように、憲法を踏まえた深い洞察に欠ける報告書でありますので、立法府の総意を取りまとめるに当たり、憲法審査会における丁寧な議論の積み重ねが重要だと思います。
小泉政権下の平成十七年十一月、皇室典範に関する有識者会議が報告書を取りまとめました。当時は、憲法調査会でも、平成十五年から十七年にかけて、小委員会も含めて計七回にわたり、天皇制に関する議論が行われました。
そこで、まず、自民党の新藤幹事にお尋ねをしたいと思います。
皇位の安定的な継承や皇族数の確保について、憲法との整合性という観点から憲法審査会で議論すべきだと私は思いますけれども、新藤幹事の御所見をお伺いしたいと思います。