足立康史の発言 (憲法審査会)

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○足立委員 日本維新の会の足立康史でございます。
 本日は、憲法と安全保障、中でも憲法九条について、日本維新の会の見解を申し述べます。
 日本維新の会は、結党以来、特定のイデオロギーを表現するためではなく、日本が抱える具体的な課題を解決するために憲法改正を行うべきと訴えてきました。いわゆる脱イデオロギーの憲法改正であります。
 憲法改正が必要となる社会的事実、つまり、憲法事実が明らかな項目のうち、国論を二分する安全保障や危機管理等の問題よりも、ほとんどの国民にとって身近で切実な問題を優先し、憲法改正に向けた選択肢を国民に示す、そうした観点から、二〇一六年三月、教育無償化、統治機構改革、憲法裁判所の三項目から成る憲法改正原案を取りまとめ、憲法改正の発議に向けた審査を直ちに開始すべきと訴えてきました。
 しかし、本年二月二十四日、ウクライナ危機が勃発し、ロシアによるウクライナ侵略を目の当たりにした多くの国民が、日本の安全保障に対する不安を抱えるようになりました。憲法九条が、万年与党と万年野党によるイデオロギー闘争という名の茶番劇、そのお芝居の大道具から、真に国民にとって切実な問題へと昇華された瞬間でした。日本の安全保障は大丈夫か、憲法九条を後生大事に守っているだけで平和と安全を守ることができるのかという切実な問題認識が国民に広がっているのであります。
 私たち日本維新の会の答えは、否であります。つまり、これまでの受動的、消極的な安全保障体制では日本の平和と安全、国民の生命と財産を守ることはできない、こうした厳しい現状認識の下、私たち日本維新の会は、国会議員団の政務調査会に、これまでの憲法改正調査会に加えて新しい外交安保調査会を立ち上げ、新しい安全保障の在り方について審議を重ねてまいりました。そして、昨日、「憲法九条の改正に向けて」と題する文書を公表いたしました。
 具体的には、将来にわたり戦争を起こさず国民の生命と財産を確実に守るための積極防衛能力の整備を行う必要があると宣言し、一、防衛費の増額、GDP比二%、二、中距離ミサイル等新たな装備の拡充、三、核共有を含む拡大抑止に関する議論の開始、四、専守防衛の定義にある必要最小限に限るとの規定の見直し、五、自衛隊法に規定する自衛隊任務のネガティブリスト化、六、集団的自衛権の行使要件の明確化、七、自衛隊員の増員、待遇の抜本改善、危険手当の創設、八、戦争被害補償法制の整備、自衛官等殉職者の追悼の在り方検討等を打ち出すとともに、憲法九条に係る条文イメージを公表しました。
 もちろん、自民党が二〇一八年三月に公表された憲法九条に係る条文イメージ、たたき台素案は拝見しています。その上で、いわば自民党案と今般公表した維新案とを対比できるようにし、この憲法審査会での議論を喚起したい、憲法九条に関する国民的議論を喚起したい、そんな思いで条文イメージを策定、公表いたしました。
 具体的には、現行の第九条を維持した上で九条の二を新設し、簡潔に、「前条の範囲内で、法律の定めるところにより、行政各部の一として、自衛のための実力組織としての自衛隊を保持する。」と自衛隊を明記します。自衛権については、閣議決定による憲法解釈及び平和安全法制等の法律で規律づけする現在の枠組みを維持するとしました。
 まず、九条とは別に九条の二という条を新たに立ち上げた趣旨は、現行の九条に極力影響を与えないためであります。一項の戦争放棄、二項の戦力の不保持と交戦権の否認を規定した九条は、専守防衛と徹底した平和主義を体現するものであり、今後とも大切にしていく、そうした観点から、九条に三項を加えるのではなく、九条とは別の条として九条の二を立ち上げます。この点は、自民党の条文イメージも同じお考えではないのかなと推察をいたしております。
 次に、「行政各部の一として、」としたのは、憲法七十二条の「内閣総理大臣は、」中略して「行政各部を指揮監督する。」さらには、七十三条の内閣の事務に関する規定を意識しています。すなわち、自衛隊を防衛省よりも上位にある憲法機関に位置づけるのではなく、あくまでも「法律の定めるところにより、行政各部の一として、」であるということを明記するとともに、その枠内で民主的統制にも服せしめるということを最も簡潔に表現したのであります。
 この点については、自民党さんに、自民党の条文イメージではいわゆる憲法機関として自衛隊を位置づけているように見えますが、そう考えてよろしいか、またお時間、別途提供しますので、二巡目のときに御提供しますので、御教示を賜れれば幸いです。
 第三に、自衛隊の位置づけについては、「自衛のための実力組織として」と、これも最も簡潔に表現しました。これは、自衛権については、閣議決定による憲法解釈及び平和安全法制等の法律で規律づけする現在の枠組みを維持するとの観点から、極力自衛権に言及すべきではないとの趣旨からであります。
 他方、自民党の公表文書を拝見すると、自衛隊のみならず自衛権についても言及すべきとの観点からと明記した上で、「必要な自衛の措置をとることを妨げず、」と規定したと明記してあります。これは、いわゆる新三要件を更に拡大する意図がおありなのかどうか、御教示いただきたいと存じます。
 本日は、時間の関係から主に三点、つまり、九条と九条の二との関係、それが一ですね、それから二、自衛隊を憲法機関とするのか、そして三、自民党が自衛権に言及する意図は何かについて、私たちの考え方を示しながら、自民党案に係る当方の問題意識を披露しました。
 私たち日本維新の会は、結党から十年、ちょうど本年、二〇二二年から第二の十年をスタートさせました。ウクライナ戦争が勃発し、現行憲法の問題点に多くの国民が気づくこととなった今、何を差しおいても議論すべき項目の一つは、憲法九条であります。
 日本維新の会は、憲法九条の改正に取り組む野党の雄として、自民党とがっぷり四つに組んで憲法論議をリードしていくことをお誓いし、発言といたします。

発言情報

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発言者: 足立康史

speaker_id: 733

日付: 2022-05-19

院: 衆議院

会議名: 憲法審査会