青柳仁士の発言 (内閣委員会)
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○青柳(仁)委員 日本維新の会の青柳仁士です。
経済安全保障法案に関しまして、我が党は、一月二十七日の大臣提言に始まり、三月十七日の審議入り以降、国会に対案を提出しつつ、本会議と内閣委員会で質疑を重ねてまいりました。
この中では、主に五点の今回の法案に対する問題点を指摘してきました。
一つ目は、定義がないということです。
これは、定義が必要なのかというような答弁をいただいていましたけれども、我々は絶対に必要だと思っております。
なぜかといいますと、今回、ウクライナの危機を見ても分かりますように、世界は、ハイブリッド戦争、あるいは、中国の超限戦と言われるような考え方にあるように、軍事、非軍事の垣根なく、経済、情報、外交、様々なことが平時、有事のこれもまた垣根なく進められているのが現代での戦争であるということを、我々は今まさに目の当たりにしている状況にあります。
そういった中において、経済安全保障というものが安全保障全体の中でどのような位置づけになるのか、また、軍事を含む、我が国の国民の生命と財産を守るというその枠組みの中でどういった役割を果たすべきであるのかというのは、定義なしには議論ができないと思っております。ですので、この点については指摘をさせていただいております。
また、今最も適切な経済安全保障が何かということは、これは普遍的なものがあるとは考えておりません。これは、現在のこの状況に、例えばロシアがこれから恐らく世界経済から一定程度切り離されていくだろうというような、今この瞬間に最適な経済安全保障の姿ということがあるわけであって、そういった定義なしにこれからの議論は進めていけないと思っております。
また、今年度には、防衛戦略三文書の改定もこの国会閉会後に予定されております。そういった中で、この経済安全保障をどう扱っていくのか、また今回の四つの施策というのが経済安全保障全体の中でどういった位置づけを占めるのか、これからどんな施策が必要であるのか、これらは定義なしには議論ができないと思っておりますので、この点を指摘してまいりました。
また、二点目は、経済成長とのトレードオフの関係ということです。
経済学的に見れば、経済安全保障というのは、これは市場に対する政府の介入ということを意味しますから、一定程度、市場の競争性、効率性というものを阻害するものである、こういう認識でおります。ですから、それを最小限に抑えるべく、対象の選定に当たっては、これは戦略性を持って、戦略的に、また限定的に必要最小限のことを行っていくということをきちんと厳に行っていくべきだというふうに申し上げてまいりました。
三つ目は恣意性の排除ということでして、この今回の法制度は、決め方、どのような技術あるいは物資が経済安全保障上重要であるかということを最終的に政府が定めるときの決め方を決めているようなものですね。ほかの委員の方々からも指摘がありましたが、政令によってほとんどのことが決まっていく、詳細が決まっていくということですので、そういった中で、政治家による、あるいは官僚による恣意的な判断が行われないようにすべきであるということを申し上げてまいりました。
これについては、先日の本会議での総理からいただいた御答弁の中では、有識者の意見を聞いて基本指針を策定した上で決めるので、恣意的な判断が可能な構造とはなっていないというようなことをおっしゃっていましたが、この答弁は全く不十分で、納得できるようなものではないというふうに理解しております。
また、四点目にインテリジェンスということで、今回、我々は、この経済安全保障というものを十分に行っていくための体制と、またそのインテリジェンスというものが今の政府にはないと考えております。
そういったインテリジェンスをいかにつくり上げていくのか。政府の方からの回答は、二百五十人の定員増をしましたと、人数を増やしましたという話しかないわけですが、これでは全く不十分で、誰がどのような役割を負って、どういったことができるような組織をつくっていくのか、そのためにはどのような専門性が必要なのかといったことを、これをきちっと考えていく、詳細に詰めていくことが不可欠であると考えております。
また、最後に、罰則を含む実効性の担保ということについて申し上げております。
これは、罰則をつけろということをしきりに叫んでいるというわけではないんです。我々は、罰則なしで実効性が担保できるなら、その方法を示していただきたいと言っているんです。しかし、それが非常に難しい。これまでの様々な答弁を聞いていても全く実効性があるように感じられないので、では仕方がないので罰則をつけるしかありませんねということを申し上げているということなんです。
以上五点の点について、一月の段階から、我が党としては様々な形で、法案提出も行いましたし、大臣提言も行って、委員会での討議、また本会議での議論も行ってまいりました。結果として、新たな国際秩序の形成を踏まえた経済安全保障の必要性、あるいは経済成長への配慮といった、一定の共通理解を得た部分もあったと認識しております。
一方で、ほとんどの重要な部分について実質的な回答はいただけていない、こういう認識でおります。法制度としての重大な欠陥を指摘しているにもかかわらず、数の力を背景に、条文の修正協議には一切応じないというこの政府・与党の姿勢に関しては率直に失望しております。
今日は、限られた時間の中で、残る論点のうち、実効性の担保についてのみ取り上げさせていただきたい、このように考えております。
我が党として、実効性の担保、これについては、経済安全保障の対象となる技術、製品、サプライチェーン等は、経済成長や民間企業によるイノベーション創出への影響を最小限とするために戦略的かつ限定的に選定されるべきであるとする一方で、一たび選定されたものに関しては、経済安全保障の実効性を高めるべく、刑事罰を含む厳しい罰則を適用するべきだと提言してまいりました。
本法案では、施策に様々な罰則が適用されております。しかし、最も肝腎なサプライチェーンに関する事業者等の報告、資料提出義務については罰則が除外をされています。これは、実際に経済安全保障上問題のある活動を行っている事業者が、本法案に基づき政府から調達先などの情報提供を求められた際、断っても罰則が適用されないことを意味しております。
これは、繰り返しますが、罰則を科せと言っているのではなく、実効性を担保せよということを申し上げております。罰則以外に実効性を担保する手段が全く感じられないということを申し上げております。戦略的、限定的に、最小限に対象を絞った上での調査であるということは、これはこれまでの議論を踏まえた共通認識であると考えておりますので、経済界の懸念を理由に罰則を科さないというのはおかしいのではないかと考えております。
こうした前提の上で、今日お伺いしたいのは、三月十七日の本会議で、公明党の伊佐議員からこのような発言がありました。当初、政府の作成の条文では、事業者のこの報告義務に対して罰則が設けられておりました、公明党からは、基幹インフラに関する規定ならともかく、サプライチェーンの調査に対する事業者の報告については、政府は安易に罰則規定に頼るのではなく、あくまで努力義務とすべきだと主張しました、こういう話がありました。
また、その後の内閣委員会で、小林大臣の方から、公明党の議員の方々に対しまして罰則が入った案をお示ししたことがあるのは事実ですという御答弁がございました。また、別の委員会で、罰則を入れてもいいんじゃないかという意見も政府の中にはありました、こういう御答弁をいただいております。
これは条文第四十八条のことを言っていると理解しておりますが、総理にお伺いします。公明党の申入れを踏まえて、この罰則規定に関して落とした、こういう理解でよろしいでしょうか。