岸田文雄の発言 (本会議)
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○内閣総理大臣(岸田文雄君) 石井啓一議員の御質問にお答えいたします。
オミクロン株の特性を踏まえた対応や経口薬の確保についてお尋ねがありました。
濃厚接触者の待機期間については、オミクロン株に関する科学的知見に基づき原則十日とした上で、地域における社会機能の維持のために必要な場合に、基本的対処方針の定める、事業の継続が求められる事業者を参考として、自治体が適当と認める事業に従事される方については、検査で陰性を確認の上、待機期間を短縮することを可能といたしました。
感染を抑えるためだけでなく、社会活動維持のために、テレワークを積極的に活用していただくようお願いするとともに、引き続き、科学的知見の集約を急ぎ、実効性のある対応を検討してまいります。
政府としては、自治体と密接な連携の下、拡充してきた医療体制を機能させるとともに、予防、発見、そして経口治療薬へのアクセス確保等による早期治療の流れを強化し、オミクロン株の特性を踏まえた、めり張りのある対応に当たっていきたいと思います。
そして、ファイザー社の経口薬についても、月内に二百万人分の購入に最終合意し、来月中できるだけ早く実用化を目指してまいります。
ワクチンの情報発信と新型コロナの後遺症についてお尋ねがありました。
高齢者への三回目接種の前倒しをペースアップするためには、モデルナワクチンの活用が不可欠です。交互接種の有効性、安全性については英国の研究でも確認されており、こうした情報を国民お一人お一人に丁寧にお知らせしてまいります。
十二歳未満の子供については、薬事など必要な手続を経て、希望者に対してできるだけ早くワクチン接種を開始いたします。その際にも、国民の皆様に丁寧に情報提供を行ってまいります。
新型コロナの後遺症については、これまでに得られた科学的知見に基づき、かかりつけ医等の診療の手引を取りまとめています。今後も、必要に応じた改定を行い、後遺症に悩む方が必要な医療を受けていただけるように努めてまいります。また、後遺症に関する研究結果について、広く国民に還元してまいります。
雇用や生活への支援についてお尋ねがありました。
住民税非課税世帯等に対する給付金については、迅速な支給のため、引き続き、事業実施主体である自治体と連携しつつ、丁寧に周知してまいります。学生支援緊急給付金については、学生等に情報が行き渡るよう努めており、引き続き、大学等と連携して周知してまいります。
また、先般の経済対策で今年三月末まで延長した雇用調整助成金の特例措置や緊急小口資金等の特例貸付けなどの今後の対応については、新型コロナの感染状況や経済の動向を見極めながら、適切に検討してまいります。
観光関連産業や中小企業への支援についてお尋ねがありました。
固定資産税については、令和四年度の税制改正で、地価が上昇した商業地の税額の上昇幅を評価額の二・五%分に半減させる特別な措置を講ずることとしております。今国会に法案を提出することとしており、着実な実施に努めてまいります。
御指摘の各種支援制度については、既に、周知、広報を実施しております。
事業復活支援金については、一昨日、制度概要を公表し、一月三十一日の週にも申請の受付を開始する予定です。さらに、類似の支援金では給付件数の約半数が申請から二週間以内に給付されていることも踏まえ、できる限り早い給付に努めてまいります。
地方創生臨時交付金については、蔓延防止等重点措置の措置区域において、休業要請等の要請に応じた飲食店の協力金に活用していただけます。今般、都道府県知事の要請に基づき、認証店が非認証店と同水準の二十時までの時短要請に応じることとした場合、非認証店に対する支給水準と同額の最大十万円を支給できることといたしました。こうした制度により、新型コロナの影響を受ける事業者を支援してまいります。
事業再構築補助金については、本日、五回目の公募を行います。さらに、令和三年度補正予算を活用する次回の公募からは、売上高減少要件の緩和や業況が厳しい事業者向けの補助率引上げ等を行うこととしており、今後、速やかに公募を開始していきます。
今後、これらの支援制度を円滑に執行するとともにフル活用し、事業者支援に努めてまいります。
文化芸術活動への支援の充実についてお尋ねがありました。
国難と呼ぶべき現状において、人々の心を癒やし勇気づける文化や芸術の力が必要であり、そのともしびは絶対に絶やしてはならないと考えています。
このため、令和三年度補正予算においても、コロナ禍の影響を受ける文化芸術団体による公演等の実施やキャンセル費用の支援、子供に無料で鑑賞機会を提供する舞台公演の支援を充実して計上しており、繰越予算も活用しつつ、来年度も文化芸術関係者に寄り添った支援の充実に取り組んでまいります。
サイバーセキュリティーへの対応策と、マイナンバーカードの活用、普及についてお尋ねがありました。
今般の病院のサイバー被害を受け、全国の病院に対する実態調査等を行うとともに、国や自治体、事業者等の責務等の明確化の観点を含め、重要インフラ行動計画の取組を推進するなど、サイバー攻撃等への対処体制を整備してまいります。
また、マイナンバーカードはデジタル社会の安全、安心のためのパスポートであり、救急搬送を含めた医療現場や介護、福祉分野での活用を進めてまいります。
そして、マイナンバーカードの健康保険証としての利用を進め、おおむね全ての医療機関や薬局での導入に向け働きかけを強化するなど、国民が利便性を実感できるよう、全力で取り組んでまいります。
クリーンエネルギー戦略とグリーン化の促進についてお尋ねがありました。
二〇三〇年度四六%削減、二〇五〇年カーボンニュートラルの目標実現に向けて全力で取り組む中で、官民が炭素中立型の経済社会に向けた変革の全体像を共有し、この分野への投資を早急に少なくとも倍増させ、新しい時代の成長を生み出すエンジンとしていくことが重要です。
特に、御指摘のとおり、将来の技術革新なども見据えた送配電インフラ、蓄電池、再エネを始め水素やアンモニアなどの非炭素電源、需要側の鉄鋼業等の産業構造転換などに投資を促してまいります。
そうした観点を含め、クリーンエネルギー戦略において、カーボンニュートラルの実現に向けて、どのような分野で、いつまでに、どういう仕掛けで、どのぐらいの投資を引き出すのか、時間軸を示しつつ、経済社会変革の全体像及び道筋をお示ししていきます。また、二兆円のグリーンイノベーション基金などを活用して、水素還元製鉄や革新蓄電池などの将来技術の研究開発を進めてまいります。
経済安全保障に向けた取組についてお尋ねがありました。
経済安全保障は、待ったなしの課題であり、新しい資本主義の重要な柱です。
経済安全保障の取組を進めるに当たっては、民間の経済活動を阻害しない形で、経済構造の自律性の向上、そして、日本の技術の優位性、ひいては不可欠性の確保、基本価値やルールに基づく国際秩序の維持強化を目指すと同時に、こうした分野に民間投資を呼び込み、経済成長を実現してまいります。
こうした方針の下で、新たな法律により、一つは、国民生活や経済活動への影響が大きい物資のサプライチェーンの強靱化への支援、二つ目として、AI、量子といった分野の官民の研究開発、三つ目として、通信や電力など基幹インフラの安全性や信頼性の確保、そして四つ目として、安全保障上機微な発明の特許非公開制度の整備、これらを後押ししてまいります。
農林水産物、食品の輸出促進と持続可能な農林水産業の構築についてお尋ねがありました。
昨年の農林水産物、食品の輸出額は、初めて年間一兆円を突破しました。次の目標である二〇二五年二兆円突破に向け、年末に改定した輸出拡大実行戦略に基づき、輸出品目別のオール・ジャパンでの輸出促進体制の整備を進め、成長する海外市場を取り込み、農林水産業の成長産業化を推進してまいります。
同時に、持続可能な農林水産業の構築に向けて、昨年策定したみどりの食料システム戦略に基づき、イノベーションを後押しするとともに、地域ぐるみの脱炭素化や化学農薬、肥料の低減に取り組む農林漁業者の支援を進めてまいります。
輸出促進法改正案など、これからの改革を強力に進めていくために必要な法案を今国会に提出してまいります。
そして、幼児教育、保育の質の向上や子ども基本法等についてお尋ねがありました。
議員の御指摘のとおり、幼稚園や保育所など施設類型を問わず、質の高い教育、保育を受けられることは、子供にとって重要であると認識をしております。
こども家庭庁は、就学前の全ての子供の育ちの保障を担い、保育の質の確保を含め、政府の子供政策を主導することとしております。また、幼稚園、保育所、認定こども園における教育、保育内容の基準の整合性を制度的に担保し、施設類型を問わず、文部科学省と密に連携して、質の高い教育、保育が受けられるようにします。
子ども基本法や子どもコミッショナーについては、現在、与党において議論が行われているものと承知をしております。子供政策を我が国社会のど真ん中に据えた取組が強力に推進されるよう、議論を深めていただくことを期待しております。
今後の日米関係についてお尋ねがありました。
日本と米国は、私の内閣が重視する自由、民主主義、人権、法の支配といった普遍的価値や原則を共有しています。我が国の外交、安全保障の基軸である日米同盟の抑止力、対処力を一層強化し、地域の平和と繁栄、そして、より広く国際社会に貢献する同盟へと導いていきます。
明日予定されているバイデン大統領との首脳テレビ会談では、率直な議論を行い、バイデン大統領との信頼関係を深めるとともに、日米同盟の更なる強化、自由で開かれたインド太平洋の実現や、核兵器のない世界に向けた取組を含む地球規模の課題への対応に向け、連携を深めていくことを確認いたします。また、日米同盟の揺るぎないきずなを世界に示すとともに、日米同盟を更なる高みに押し上げる機会としたいと考えております。
今後の日中関係についてお尋ねがありました。
日中両国間には、隣国であるがゆえに、様々な問題があります。尖閣諸島をめぐる情勢を含む東シナ海、南シナ海における一方的な現状変更の試み、我が国周辺における軍事活動の拡大、活発化は、日本を含む地域と国際社会の安全保障上の強い懸念です。
中国は、経済においても安全保障においても、アジアのみならず、世界の中で大きな存在です。日中関係は、日中双方にとってのみならず、地域及び国際社会の平和と繁栄にとってますます重要になっています。
中国には、主張すべきは主張し、責任ある行動を強く求めていきます。同時に、諸懸案も含めて、対話をしっかり重ね、共通の課題については協力をし、本年が日中国交正常化五十周年であることも念頭に、建設的かつ安定的な関係の構築を目指してまいります。
そのために、首脳間の対話は極めて重要であり、習近平主席とは、総理就任直後に電話会談を行い、率直な意見交換を行いました。こうした姿勢は今後とも大事にしていきたいと考えております。
東日本大震災からの復興についてお尋ねがありました。
発災から十年が経過する中、復興は着実に進展している一方、福島の本格的な復興再生には今後も中長期的な対応が必要です。
こうした中で、御指摘の国際研究教育拠点は、創造的復興の中核拠点として、福島を始め東北の復興に向けた夢や希望となるものです。この実現に向けて、私から関係大臣に対して国内外に誇れる研究内容の具体化などを指示しており、地元の期待に沿えるよう、政府一丸となって取り組んでまいります。
引き続き、被災地の皆様の声をしっかりと受け止め、東北の復興なくして日本の再生なしとの強い決意の下で、被災地の復興に向けて全力を尽くしてまいります。
防災・減災、国土強靱化の推進についてお尋ねがありました。
防災・減災、国土強靱化は、議員御指摘のとおり、中長期的かつ明確な見通しの下、計画的に進めることが必要であり、五か年加速化対策後も継続的、安定的に取組を進めていくことが重要であると考えています。
その際、予防保全型の投資が中長期的に費用負担を抑制する効果も踏まえ、効果的、効率的な防災・減災対策の在り方について検討してまいります。
残余の質問につきましては、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
〔国務大臣斉藤鉄夫君登壇〕