玉木雄一郎の発言 (本会議)
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○玉木雄一郎君 国民民主党代表の玉木雄一郎です。(拍手)
総選挙で約束した公約を一つでも多く実現するため、この国会でも、改革中道政党として、対決より解決を実践いたします。特に、公約の柱である給料が上がる経済を実現するため、全力を傾けてまいります。
さて、岸田総理は聞く力を売りにしておられますが、私も、ツイッターとユーチューブで総理にぶつける質問を募ったところ、三日で一万人弱の方からコメントをいただきました。聞く力では総理に負けていない自負があります。声を寄せていただいた皆様に、この場で御礼申し上げたい。また、岸田総理におかれては、私の質問も国民の声として聞いていただきたいと思います。
ツイッターなどでは、特に、十万円給付の所得制限をやめてほしいという声が多数寄せられました。根っこの児童手当の所得制限もやめてほしいという声も多数あります。所得制限は出産制限というハッシュタグもできたほどです。
子育て世帯はみんな頑張っています。地方創生臨時交付金を活用し、独自に所得制限をなくして給付する地方自治体も出てきておりますけれども、例えば、東京都二十三区の中には、半数以上の世帯が給付対象外で、所得制限をなくそうにも臨時交付金が足りず、できないところも多数あります。住む地域によって、もらえる子供ともらえない子供が分かれるのはおかしい。
総理、所得制限があることで出産や子育てにマイナスになっているなら、所得制限を撤廃すべきです。子育て、若者世代の所得を引き上げる、中間層を維持するというなら、国として、所得制限なく、全ての子供に給付をすべきではないでしょうか。
クーポン五万円ですが、実際にクーポンを配ったのは、約千七百自治体のうち、たった七つと聞いています。クーポン給付に係る事務費用九百六十七億円は、どれだけ使われ、どれだけ余っているんでしょうか。余っているなら、今申し上げた所得制限撤廃のための財源に回してください。
そもそも、子育て支援であれば、今回の一回の給付だけではなく、中学卒業までとなっている児童手当を高校卒業まで拡充すべきです。国民民主党は、選挙公約の五本柱の一つ、人づくりこそ国づくりの具体策として提案しています。
総理、子育て、若者世代の所得を引き上げる、中間層を維持というのであれば、児童手当を高校卒業まで延長しませんか。さらに、今回の十万円給付だけでなく、児童手当、幼児教育無償化、私立高校無償化などの所得制限も撤廃しませんか。できないなら、せめて年少扶養控除を復活させてください。
総理、再びガソリン価格が上昇しています。移動を車に依存せざるを得ない地方からも、何とかしてほしいとの声がたくさん届いています。
ガソリン価格に上乗せされているリッター二十五円十銭の税金を軽減するトリガー条項の凍結解除を、今こそやるべきです。国民民主党が日本維新の会と共同提出した法案に賛成いただければ、来月、二月一日からガソリン価格をリッター二十五円十銭下げることができます。
給料が上がらない中、生活必需品の価格が続々上がっている今だからこそ、ガソリン価格を引き下げるべきです。総理の決断を求めます。
コロナ対策について伺います。
岸田政権のコロナ対策のゴールは何でしょうか。病床の逼迫を回避し、死亡者や重症者を減らすことを最優先にするなら、病床確保に関する国や知事の権限を強化する感染症法の改正こそ、この国会でやるべきです。なぜ、最も大切な法改正を先送りするんでしょうか。必要な立法措置も講じず、効果について疑問も出ている飲食店の時短要請や人流抑制をお願いするだけでは、国民の理解は到底得られません。そもそも、蔓延防止等重点措置の飲食店への時短要請は、オミクロン株対策として効果があるのですか。総理の見解を求めます。
国民民主党は、年明け早々、一月七日に緊急提言を取りまとめ、先週、後藤厚労大臣、そして堀内ワクチン担当大臣に対して、感染は止めるが社会は止めないための対策を強く要請しました。ワクチンの三回目接種、飲み薬、毎日検査の三つが鍵だと思います。この三つがあれば、蔓延防止等重点措置は避けられたはずですが、間に合わず、残念です。しかし、今からでもこの三つの対策を急ぐべきです。
まず第一に、発症予防効果、重症化予防効果のある三回目のワクチン接種です。
英国の保健当局の報告によれば、二回目接種から五か月ほど、二十週から二十四週で発症予防効果が一〇%未満に低下します。二回目接種からの間隔を原則五か月に短縮し、そのために必要なワクチンの確保に全力を傾けるべきではないですか。なぜこれができていないのですか。
第二に、死亡、入院リスクを下げる飲み薬も重要です。
経口治療薬を医療現場に三万人分届けたと総理は演説の中でおっしゃいましたが、百六十万人分の一・八八%にすぎません。経口薬へのアクセス確保を徹底しますというものの、遅過ぎます。この百六十万人分の残りと、また、月内に合意するとされる二百万人分が全て現場に届くのはいつになりますか。スケジュールを明示してください。
第三に、自分がコロナの陰性であることを日々確認できる毎日検査です。
イギリスでは、PCR検査や抗原検査による毎日検査で陰性であれば、濃厚接触者でも自宅待機しなくていいルールになっています。我が国でも、医療従事者については、毎日検査を条件に、濃厚接触者であっても勤務できるようになりました。であれば、総理、今のルールのままだと、感染者が増えるたびに経済社会活動が止まってしまいます。イギリスと同じように、我が国でも、毎日検査を条件に、濃厚接触者であっても仕事や活動をできるようにしてはいかがでしょうか。
蔓延防止等重点措置が出るのに、事業者や個人に対する支援策が今余りにも不十分です。
月次支援金は昨年十月分で打ち切られています。岸田総理の看板政策、事業復活支援金は、いまだに申請すらできません。
住民税非課税世帯への十万円給付も、来月あるいは再来月から申請開始の自治体が多いと聞いています。これも遅過ぎます。必要な人に必要な支援はいつ届くのでしょうか。
また、生活再建までの生活費を月二十万円まで貸し付ける総合支援資金についても、岸田総理は、自民党総裁選挙の間に、三か月分延長して十二か月分に拡充するとおっしゃっていましたが、今こそ実行すべきではないですか。これができなくても、せめて昨年末で締め切られている再貸付けの申請期限を今年の三月末まで延長してもらえないでしょうか。
演劇や音楽コンサートなど、日本のエンターテインメント産業は、コロナで今瀕死の状態に陥っています。収入の九割減が二年も続いているところもあります。一方、韓国のエンターテインメント産業は、海外に進出し、大きく成長しています。今のままでは日本のエンタメ産業が消滅してしまいます。この危機を乗り越えるため、官民挙げて、エンターテインメント産業に対する支援を更に強化すべきではありませんか。
地方のバス、鉄道事業なども瀕死の状態です。こうした公共交通機関の利用そのものが感染拡大につながったという科学的な証拠はあるんでしょうか。今のままでは地域のバス路線などはもちません。政府としてどのような対応を考えているのか、総理の見解を伺います。
民間にリモートワークを促しているのに、この国会の本会議場は、御覧のとおり、相変わらず密の状態です。
国民民主党は、オンライン国会を可能とするため、議院運営委員会にて、「議場にいない議員は、表決に加わることができない。」としている衆議院規則の改正を提案しました。オミクロン株が拡大する中、自民党にも是非この規則の改正に協力いただきたいと思います。また、憲法五十六条の「総議員の三分の一以上の出席」がオンライン国会の制約となるのか、この憲法解釈についても、憲法審査会で議論し、明らかにしていきたいと思います。
アメリカでもヨーロッパでも韓国でも給料が上がっている中、日本だけが四半世紀にわたって給料が上がりません。
私たち国民民主党は、この賃金デフレこそが日本経済最大の課題と考えます。そこで、私たちが選挙公約として掲げたのが、給料が上がる経済の実現です。岸田総理とこの議場にいらっしゃる与野党の議員の皆さんに、私から提案があります。この国会を、賃金、給料を上げることに与野党を超えて知恵を絞る賃上げ国会、給料を上げる国会にしていこうではありませんか。
私たち国民民主党は、四%の名目賃金上昇率、四%の経済成長率、そして四万円台の日経平均株価の、三つの四を政策目標に掲げ、給料が上がる経済を提案していきたいと思います。四%成長が十八年続けば、給料は倍になります。所得倍増は、夢物語ではありませんし、夢物語にしてはならないと思います。自民党総裁選挙で掲げた令和版所得倍増を諦めることなく、岸田総理として、例えば二十年間で日本の賃金水準を倍にするという中長期のビジョンを示してはいかがですか。
昨年の企業物価指数は四・八%で、過去最大の伸びでした。アメリカがインフレ抑制のために金利を上げれば、更に日本の物価は上がります。総理には、物価が上がるのに給料が上がらないという国民の悲鳴は聞こえていますか。物価は上がるのに経済は低迷する、いわゆるスタグフレーションの懸念が高まっているのではありませんか。総理の認識を伺います。
物価目標二%は、安倍政権発足後間もない二〇一三年の一月に発表された、政府と日銀による共同声明に盛り込まれています。岸田内閣は、この共同声明を引き継いでいますか。そして、二%を達成したら金融緩和を縮小するつもりなのか、併せてお答えください。
円安による原材料価格の上昇に起因する物価上昇は、必ずしも経済回復を反映した物価上昇ではありません。国民民主党は、給料が上がる経済の金融政策として、名目賃金上昇率が一定水準に達するまで金融緩和を継続すべきと選挙公約で提案をいたしました。つまり、賃金デフレ脱却を金融政策の目標にすべきと考えますが、総理の見解を伺います。
コロナ禍からの回復局面での財政健全化、プライマリーバランスの黒字化にこだわり過ぎて、景気回復の腰を折るようなことがあってはなりません。国民民主党は、給料が上がる経済の財政政策として、政策目標をプライマリーバランスの黒字化ではなくて、ここでも名目賃金上昇率とすることを選挙公約で提案しました。つまり、賃金デフレ脱却を財政政策の目標にもすべきだと考えますが、総理の見解を伺います。
賃上げの大前提は、積極財政による脱デフレだと思います。国民民主党は、名目賃金上昇率が一定水準を上回るまで消費税を五%に減税する法案を国会に提出しています。家計負担の上昇を防ぎ、消費減退を防ぐためにも、賃金デフレ脱却が確実になるまで消費税を減税すべきではありませんか。
介護従事者の待遇改善が急がれます。しかし、今回の賃上げは介護職に限定されていて、機能訓練指導員、生活相談員、管理者など、介護職以外の介護従事者は対象になっていません。これら介護従事者全体を賃上げの対象とすべきと考えますが、総理の見解を伺います。
また、今後、都市部での介護従事者の確保は極めて困難になると予想されています。そこで、東京都では、介護職への家賃補助制度の導入を検討しているようですが、むしろこれは全国レベルで導入すべきではないでしょうか。総理の見解を伺います。
岸田総理の掲げる新しい資本主義の成功の鍵は、人への投資だと考えます。岸田総理は、国民民主党が従来から提案しているように、人への投資を倍増すると施政方針演説で述べられました。これ自体は評価します。しかし、令和四年度当初予算案で、文教科学振興費は微減、マイナス〇・〇%となっており、言っていることとやっていることが矛盾していると思います。倍増というなら、なぜ文教予算を減らしたのか、いつまでに何を倍増させるのか、明確にお答えください。
国民民主党は、選挙公約の柱として、積極財政への転換、人づくりは国づくりを掲げ、教育国債の発行などを財源に、児童手当の高校卒業までの延長、給食費、教材費を含む完全無償化を所得制限なく実現することを提案しました。過去二回の代表質問でも、財政法改正による教育国債の創設を総理に提案しました。
総理は、「安定財源の確保あるいは財政の信認確保の観点から、慎重に検討する必要がある」と。木で鼻をくくったような答弁をいただきましたけれども、また今回もそうかもしれませんが、高齢化に伴う年金や医療などの自然増が増える中で、教育国債の発行もせずに、一体どのようにこの倍増の財源を確保するのか、具体的に示してください。
デジタル田園都市国家構想について伺います。
田園の安らぎと都市の快適さを融合するという、大平正芳元総理が一九八〇年に打ち出したコンセプトには私も大賛成です。しかし、施政方針演説を聞いていても、個別政策は列記されていますが、この構想で目指すべき国家像が見えません。岸田総理がデジタル田園都市国家構想で目指す国家像はどのようなものなのか、答弁を求めます。
岸田内閣が進める経済安全保障の重要性については否定しません。しかし、エネルギー安全保障や食料安全保障の観点が相対的に弱いと言わざるを得ません。今必要なのは、これも大平正芳元総理が提唱した総合安全保障ではありませんか。国民民主党は、政府案に足りないエネルギー安全保障、食料安全保障、そして人材の安全保障も含めた総合安全保障確立法案を提出する予定です。是非、参考にしてもらいたいし、成立に協力していただきたいと思います。
特に、給料が上がる経済の実現のためには、エネルギーの安定供給は不可欠な要素です。折しも、EUの欧州委員会は、原発をグリーンな投資先として認める方針を打ち出しました。二〇五〇年カーボンニュートラルを達成するための現実的な対応だと私たちは考えます。日本としても、特に、小型モジュール炉、SMRや高速炉の実証研究には積極的に取り組むべきだと考えますが、岸田総理の見解を伺います。
人権侵害非難決議について伺います。
与党の慎重な姿勢で、昨年の通常国会、臨時国会で見送りとなりました。国民民主党はいつでも対応できます。今国会で人権侵害非難決議を行うつもりはあるのか、自民党総裁としての見解を伺います。
また、政府・与党は、今国会でも人権侵害制裁法や人権デューデリジェンス法案を出さないんですか。
また、中国がTPPへの加盟申請をしましたけれども、TPPには強制労働を排除する規定があります。日本は、TPP交渉を通じて、中国の人権状況の改善を求める戦略的なアプローチを取ってはどうかと考えますが、総理の見解を伺います。
北朝鮮などが迎撃が困難な極超音速ミサイルなどの開発を進めている中で、政府の検討する敵基地攻撃能力の保有の検討は必要だと思います。あくまで自衛のための反撃能力を高める趣旨だと理解していますが、そもそも、総理の考える敵基地攻撃能力保有の意義、具体的な装備体系、そして実現可能性について伺います。国民に分かりやすく説明してください。
憲法改正について伺います。
私は、前回の憲法審査会で、コロナ禍で顕在した憲法上の課題として、衆議院議員、参議院議員の任期満了時に大規模感染症や大規模災害等が発生した場合、特例で議員の任期を延長できる規定が憲法上必要だと提案しましたが、総理の見解を伺います。
また、自民党の緊急事態条項の条文イメージ案では、非常事態として感染症が想定されていません。自民党の四項目の原案にこだわらずに柔軟に議論すべきと考えますが、総理の見解を伺います。
熊本市の慈恵病院は、十代の女性が身元を明かさず出産する内密出産を行ったと発表しました。国内で初の事例です。
私は、午前中、蓮田院長に直接お会いして話を伺いました。慈恵病院は、二〇一九年から、赤ちゃんの遺棄を防ぎ母子の命を守る方策として独自に導入したんですが、病院が母親の名前を記載せずに熊本市に出生届を出した場合には、刑法の公正証書原本不実記載罪に問われる可能性があるということです。
ドイツでは、子供を守る、子供の知る権利にも配慮した法制化が二〇一四年に行われました。
総理、母子の命と体を守る取組であるこの内密出産は違法なんでしょうか。仮に違法性の疑義があるなら、違法とならない条件を通達するか、法改正すべきではないでしょうか。蓮田院長は、物事を前に進めるためには、自分が捕まった方がいいのかなとさえおっしゃっていました。総理の見解を伺います。
岸田総理、総理が施政方針演説で述べた賃上げや人への投資に国民民主党は賛成です。だからこそ、この通常国会を、どうすれば賃金、給料が上がるのか、与野党を超えて知恵を出し合う賃上げ国会、給料が上がる国会にしようではありませんか。
私たち国民民主党は、二十年間で国民所得を倍増するための、税制を含む総合的な経済政策を示していきます。国民の皆さんに、特に若い人に希望を与える論戦を展開していこうではありませんか。このことを呼びかけて、質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇〕