岸田文雄の発言 (本会議)
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○内閣総理大臣(岸田文雄君) 伴野豊議員にお答えいたします。
賃上げ税制についてお尋ねがありました。
賃上げは、税制のみならず、企業収益や雇用情勢等に影響を受けるものであり、税制の効果だけを定量的に測ることは難しいものの、アベノミクスの取組の中で二%程度の賃上げを達成しており、税制も寄与してきたものと考えております。
民間企業の賃上げを支援するための環境整備として、今般、賃上げ税制について税額控除率を大胆に引き上げるなど、抜本的に拡充をいたします。
加えて、公的価格の引上げ、補助金による中小企業の生産性向上のための支援、中小企業が適正な価格転嫁を行うための環境整備など、あらゆる施策を総動員し、企業が賃上げをしようと思える雰囲気を醸成していきます。
経済界においても、経団連が示した春闘における基本スタンスの中で、新しい資本主義の起動にふさわしい賃金引上げが望まれると明記されており、私の発言について、業績がコロナ前の水準を回復した企業について、新しい資本主義の起動にふさわしい三%を超える賃上げを期待したい、また、今回の春闘においては、低下する賃上げの水準を思い切って一気に反転させ、新しい資本主義の時代にふさわしい賃上げが実現することを期待すると引用されています。
これを受け、経団連から各企業に対して、成長と分配の好循環実現への社会的な期待や、企業の賃金引上げの環境整備に向けた政府の支援策をも考慮に入れながら、企業として主体的な検討が望まれると明記し、呼びかけを行うなど、十分に政府側と問題意識を共有していただいていると理解しており、実効性が上がるものと期待しております。
賃上げ税制の要件についてお尋ねがありました。
賃上げ税制については、各企業の給与体系が多様になっており、それらを対象にする必要があること、また、企業の実務面も踏まえ、煩雑でない制度設計とする必要があること、基本給や賞与を含めた給与総額を対象とすることで、より多くの企業に賃上げを行っていただける制度設計とする必要があること、こうしたことから、賞与を含めた給与総額を対象として要件を設定しています。
また、マルチステークホルダーへの配慮に関する要件については、資本金が十億円以上で従業員数が千人以上の企業を対象に、賃上げや人材投資を行うこと、取引先と適切な関係を構築することなどの方針の公表を求めるため、社会全体で実効性を持つことになると考えています。更に実効性を高める方策についても、制度設計の中で検討を進めてまいります。
金融所得課税についてお尋ねがありました。
金融所得に対する課税の在り方については、令和四年度の与党税制改正大綱において、高所得者層において所得税負担率が低下する状況を是正し、税負担の公平性を確保する観点から検討する必要がある、さらには、一般投資家が投資しやすい環境を損なわないよう十分に配慮しつつ、諸外国の制度や市場への影響も踏まえ、総合的に検討を行うこととされているところであり、今後、見直しの時期あるいは方向性等も含めて、与党の税制調査会等の場で議論が行われていくものと考えております。
インボイス制度についてお尋ねがありました。
インボイス制度は複数税率の下で適正な課税を確保するために必要なものであり、その円滑な移行を図る観点から、軽減税率の実施から十年間の十分な経過措置を設けた上で、これまでも事業者への支援を行ってきたところです。さらに、令和三年度の補正予算においても、会計ソフト等のITツールに加え、パソコン等のハードウェアの導入も含めて補助するなど、できる限り円滑な移行に向けて、周知、広報も含めて必要な取組を進め、事業者の方々の不安に応えてまいりたいと考えています。
トリガー条項の発動についてお尋ねがありました。
トリガー条項については、これまでも申し上げているとおり、発動された場合、ガソリンの買い控えや、その反動による流通の混乱、国、地方の財政への多大な影響などの問題があることから、その凍結解除は適当でないと考えております。
このため、今回の燃料価格高騰に対しては、政府として、激変緩和措置や、業界、業種ごとへの支援、地方自治体が独自に支援する際のしっかりとした財源支援、こういった様々な対策を重層的に用意しております。
そして、御指摘の私の発言については、このような様々な対策を講じていく中で何が効果的なのかについて絶えず検討していくという政府の考え方を表明したものであります。
今後の財源確保策についてお尋ねがありました。
今、我が国は、新型コロナ危機に直面しています。まずは、経済の立て直しに向け、危機対応に全力を傾けたいと考えております。
新型コロナ危機を乗り越えた上で、新しい資本主義の下、成長と分配の好循環を生み出し、社会課題を解決しながら、持続可能な経済成長を実現していく中で、税収の確保を図ってまいります。
税収の確保については、社会経済の構造変化、あるいは税負担の公平性、そして成長と分配の好循環の実現など、様々な要素を勘案して考えていくべきであると考えております。(拍手)
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