田村貴昭の発言 (本会議)
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○田村貴昭君 私は、日本共産党を代表して、所得税法等の一部を改正する法律案について、岸田総理に質問します。(拍手)
まず、格差と貧困の拡大問題について伺います。
総理は、新自由主義的な考え方が格差や貧困の拡大などの弊害を生んだと述べました。しかし、その原因については、世界経済の出来事やバブル崩壊のことをあたかも自然現象のようにしか語っていません。肝腎の日本における格差や貧困について、どう考えているのですか。答弁を求めます。
この間の日本経済を見ると、二〇〇〇年度から二〇二〇年度にかけて、大企業の経常利益は約二倍に、利益剰余金、いわゆる内部留保は約三倍に、配当金に至っては約六倍に増えました。一方、同じ期間に、労働者への分配を示す労働分配率は低位水準を維持し、大企業の人件費はマイナス〇・四%と若干減りました。雇用者数は七百万人ほど増えたものの、そのほとんどが非正規雇用であります。これは、新しい資本主義実現会議に出された政府の資料に描かれた、今日の日本の姿であります。
なぜ、大企業にたまった利益は分配されなかったのか。なぜ、好循環は生まれなかったのか。小泉構造改革、アベノミクスという新自由主義の政策が生み出した弊害がここに現れているのではありませんか。総理の見解を求めます。
公平な分配が行われずに進行した貧困の実態は深刻です。
コロナ禍で、多くの非正規労働者が企業の雇用調整として真っ先に職を失いました。その多くが女性労働者です。地元の福岡で、フードバンクに支援を求めに来たシングルマザーは、三歳の子供にお菓子すら買ってあげられないと涙を流しながら話していました。今、全国各地で取り組まれているフードバンクには、あふれるばかりの人が支援を求めてやってきています。分配を重視するというのであれば、真っ先に、今ある貧困の解決に力を注ぐべきではありませんか。
初めて全国規模で行った内閣府の子供の生活状況調査の分析は、貧困が全国に広がっている実態を裏づけています。子育て世帯四世帯のうち一世帯が、生活は苦しい、大変苦しいと回答し、一人親世帯に限れば、五〇・二%が貧困ライン以下で、貧困世帯の約四割は、過去一年間で食料が買えなかった経験があると訴えています。この調査結果を受けてどのような対策を取るのか、お答えください。
報告書によれば、多くの子育て世帯が生活の困窮を訴えているにもかかわらず、生活保護、生活困窮者の自立支援相談窓口、母子家庭等就業・自立支援センターを現在利用している人の割合は一%以下です。生活保護を始め公的支援制度があるにもかかわらず、活用されていません。なぜなのか。原因を解明し、早急に改善を図るべきです。総理の見解を求めます。
税制は、社会保障と同様に、所得再分配機能の柱です。
しかしながら、所得税の最高税率の引下げと消費税の導入により、過去三十年間で税による再分配機能は低下し、現在、改善効果はたった四・八%しかありません。OECD諸国の中でも最低レベルです。税の所得再分配機能を強化すべきではありませんか。
総理は、自民党総裁選の際に、新自由主義の弊害の改善として、所得一億円の壁の打破を打ち出しました。金融所得優遇税制について、なぜ見直さないのですか。来年度の税制改正でやらなければ、いつやるのか。それとも、もうやらないのですか。答弁を求めます。
政府の賃上げ促進税制は、中小企業の約六割を占める赤字企業には使えません。賃上げの財源の一部を法人税から控除する仕組みでは、体力のある企業とそうでない企業の格差拡大を促進するだけです。総理は、赤字企業で働く労働者の賃金は上がらなくてよいとのお考えですか。
本制度について、政府は、安倍内閣からの八年間で減税額は二兆円に上ると言いますが、一体、どれだけの企業が賃上げ減税を受けているのでしょうか。私たちの試算では、大企業で約一五%、中堅企業で一二%、中小企業では三・五%にすぎません。この制度でどれだけの賃上げにつながったのですか。具体的にお答えください。
日本全体の労働者の賃金を上げるためには、赤字の中小企業の賃上げも支援することが必要です。負担の重い社会保険料を軽減するなど、どのような企業でも活用できる制度に転換すべきではないですか。お答えください。
最後に、消費税についてです。
オミクロン株の感染大拡大で、飲食業を始め、あらゆる中小企業は経営に展望を失っています。加えて、物価上昇が経費負担を重くしています。生活必需品の相次ぐ値上げで、国民の生活も苦しくなっています。今こそ消費税減税を実行すべきです。消費税減税こそ、中小企業や国民生活を支援する有効な政策ではありませんか。答弁を求めます。
来年十月施行の消費税の適格請求書等保存方式、いわゆるインボイス制度の導入は、コロナ禍で苦しむ中小零細業者やフリーランスなど個人事業主に廃業、倒産をもたらしかねない重大問題です。総理は、インボイスの導入がそのような中小零細業者の経営を左右する事態となっていることを理解していますか。
影響は免税業者にとどまりません。シルバー人材センターや、地元野菜を売る産直センターなどでも、多額の消費税負担が発生し、事業の継続が困難になります。どのくらい事業者に影響があるのか、法律の規定に従い、調査結果を示すべきです。
インボイス制度の導入中止を強く要求するものです。
以上、総理の真摯な答弁を求めて、質問を終わります。(拍手)
〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇〕