岡本あき子の発言 (本会議)
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○岡本あき子君 立憲民主党の岡本あき子です。
立憲民主党・無所属の会派を代表して、ただいま議題となりました地方税法等の一部を改正する法律案並びに地方交付税法等の一部を改正する法律案について質問させていただきます。(拍手)
初めに、国内のみならず世界中でコロナ禍や自然災害、事故等で亡くなられた方々に哀悼の意を、現在療養中の方並びに被災された皆様にお見舞いを、社会機能を支えてくださる全ての方に感謝を申し上げます。
さて、私は、一貫して、総務省には、地方自治体、特に地方に生活する方々の味方になってほしいと申し上げています。金子恭之総務大臣には、その先頭に立っていただきたいと願っております。
まず、政府統計を所管する総務省に申し上げます。
政府統計は、本法案においても、地方財政計画、税の再配分、歳入見込みなど、政策判断するための基礎の基礎となるものです。今般の国交省の長年続けられた不正について、省内で問題が矮小化されたのではないか、上司が隠蔽を行ったのではないか、表面化を避ける工作が図られたのではないかなど、今なお大きな疑念が残っています。GDPへの影響も含め、明らかにするべき事項が多々あり、特に、統計をつかさどる総務省においても、安易な幕引きではなく、引き続き解明の努力を求めます。いかがでしょうか。
統計委員会では、改革を進め、公的統計の整備に関する第三期基本計画を見直し、閣議決定されています。この中では、統計の品質維持向上のため、総務省に統計監理官を新たに採用した上、各府省に派遣し、作成プロセスから支援することとしていますが、いまだ本格派遣がされていません。しかも、身分が非常勤という処遇の上、実質、派遣する日数が僅かであり、今回の国交省の不正を見抜けるくらい各府省の日常の統計作業プロセスまで目が届くのか、疑問です。大臣の御見解を伺います。
統計リソースの充実も建議されていますが、実態では、各府省及び地方自治体でも統計専門の職員数が減少しています。国交省では、業務過多が原因の一つといいながらも、統計に係る業務予算を年々減らしています。総務省自身も、新年度予算は二百三十三・五億円余と、十分とは言えない額です。
私たち立憲民主党は、統計人材の確保、育成に予算の増額が必要と求めています。金子大臣、増員、増額を各府省に求めるとともに、総務省自ら実践するよう求めます。お答えください。
補足ですが、我が国の統計は海外展開を行っています。皮肉にも、統計作成手法などが高い評価だという理由です。現在の問題を早期に解明し、十分な信頼を回復することを強く求めます。この点もお答えください。
次に、地方交付税について伺います。
二〇二一年度税収見込みは、コロナの影響を加味してもなお、当初予算に対し大きく上振れしています。税収が増えているのに不安や困窮の生活者が増えており、今まさに適正な再分配が求められています。
直接的な行政サービスを担う自治体の必要経費として地方交付税の確保は必須であり、十八・一兆円と増額したことは評価します。しかし、前年の上振れ分として繰り越された額を差し引けば、依然、四兆円近くの財源不足が生じており、根本的な解決には至っておりません。
国民が負担する租税収入の配分が国税と地方税とで六対四であるのに対して、国と地方の歳出は四対六と、比率が逆転したままです。長年、地方自治体からの要望が続いていますが、地方交付税の法定率の引上げを含め、抜本的な見直しを行うべきであり、臨時といいながら、二十二年間、地方自治体に借金をさせ続ける臨時財政対策債は廃止するよう求めます。いかがでしょうか。
地方財政計画の支出で、給与関係経費が〇・二兆円減額となっています。コロナや自然災害を経験し、保健所職員、技術職職員、児童虐待対応職員を段階的に増員するなど、地方公務員数を前年比で約五千人増員という見積りにもかかわらずです。なぜ、増員するのに、給与関係経費が減るのでしょうか。
特に、保健所数は、一九九六年の八百か所超から、現在、五百を下回り、今なお統合が進行中です。コロナの第五波で少なくとも二百二名が自宅で死亡しており、自宅療養死の遺族会の方から、個別の事例ごとに必ず検証してほしい、二度と私たちと同じ思いをする人を出さないでほしいという切実なお話を伺いました。しっかり検証しないと改善につながらないからです。残念ながら、先週も、自宅療養で亡くなった事例が起きてしまいました。
検証するためにも、職員並びに拠点、そして十分な予算の確保を求めます。お答えください。
デジタルデバイド対策は、加速、強化しなければなりません。
携帯ショップ等で講習を受けられると聞いていますが、そもそもショップがない自治体が七百を超えていると言われています。公民館などの活用検討も必要ではないでしょうか。
また、行政手続のプロといえば、行政書士の方々もいらっしゃいます。一度講習を受けたから、あとは自力でというよりも、専門の方々の力をかりて、行政手続の都度に助言、支援が受けられる、アウトリーチや伴走型の施策も必要ではないでしょうか。
誰も置き去りにしないデジタル社会の実現のため、実効ある施策となるよう求めます。大臣の御所見を伺います。
地方税について伺います。
土地に係る固定資産税については、今年度は前年度の課税標準額と同額に据え置かれ、新年度は、商業地のみ、上昇額の二分の一に抑制するという内容です。
固定資産税は市町村の基幹税目であり、本来、地方自治体固有の税収に国の判断が入ることは極めて控えるべきと指摘をしておきます。いかがでしょうか。
ところで、民間の調査によりますと、首都圏の二〇二一年の新築マンションの平均価格が六千二百六十万円で、一九九〇年六千百二十三万円のバブル期の最高価格を超え、調査開始以来最高値となりました。現在、資金バブルとも言われる不動産投資が顕著になっています。一方で、まさに二極化で、住まいが庶民の手には届かない状況も起きています。
本来の実体価値との乖離や、投資や投機目的だけの資産に対する課税による過熱抑制や、住宅に手が届かなくなる方への軽減措置など、今のうちから検討も必要と考えます。併せて伺います。
コロナで医療が逼迫する現状を目の当たりにしている今です。にもかかわらず、地域医療構想の不動産取得税減税は、医療機関の統廃合を加速させるための誘導策にほかなりません。
私の地元宮城県では、昨年秋に公立・公的四病院の合築、統合検討の動きがあり、コロナ禍なのに、患者さんはもちろん、地域と連携してきた実績の崩壊や、働く医療関係者にも説明のないままの混乱が起きています。
昨年十二月十日に開催された地域医療確保に関する国と地方の協議の場では、病床削減、統合再編ありきではないと確認されたと伺う一方で、こういう誘導策があるのはなぜでしょうか。
公立病院経営強化ガイドラインを、再編ありきではなく、地域に必要な医療提供体制を確保するために見直すのであれば、税の制度もそれに合わせて、連携でも、病床を減らさず建て替えや改修による機能強化でも対象とするような運用をしてはいかがでしょうか。
法人事業税は、賃上げ促進税制に合わせ、特例措置が講じられますが、予算委員会でも我が党の城井崇議員が様々な事例で指摘したように、前払い退職金制度やMアンドAに利用されるなど、一人一人の賃金が上がるはずの目的からの逸脱や、脱法しても税制優遇が受けられるなどはあってはなりません。適用のルールを設けるべきです。お答えください。
森林環境譲与税については、横浜市や大阪市などの大都市への譲与額が目立つ問題、しかも、配分の五四%が使われていない問題が起きています。
衆議院の附帯決議において、「各自治体における使途及び豊かな森林の公益的機能増進への効果を検証しつつ、必要がある場合には、豊かな森林環境の再生のために、森林環境譲与税の使途や譲与基準をはじめ、所要の見直しを行う」とされています。人口割などについては、早くも見直しが必要ではないでしょうか。大臣の御見解を伺います。
地方創生について伺います。
金子大臣は、所信表明で、地方移住や地方への新たな人の流れを強化し、子供を産み育てやすい、支え合う地域社会を実現するとともに、自立分散型地域経済の構築等を図ることにより、活力ある地方の創出に取り組みますとおっしゃいました。
特に力を入れて取り組みたい政策として、デジタル田園都市国家構想の実現を挙げています。
端的に伺いますが、デジタル田園都市国家構想とは、既存のまち・ひと・しごと創生総合戦略プラン、スーパーシティー戦略特区などに取って代わるものなのでしょうか。別だとすると、結局は、事業ごとに各地域でまた構想プランを立てさせるのでしょうか。地方都市には地元コンサルタントが少なく、首都圏のコンサルタント会社に頼ることになり、地方のためといいながら、仕事とお金を結局首都圏に回すことになりませんか。
本気で地方創生を図ろうとするなら、第二住民登録制度や子供の教育支援のための区域外就学制度の柔軟な対応、二拠点居住者への住まいの確保、移動に係る負担軽減など、地方と連携して二拠点居住を進めるとか、子供、若者、医療、大学等教育、移動、デジタル環境整備を地方に徹底優遇するとか、地域社会のデジタル化推進事業、まち・ひと・しごと創生事業、地域社会再生事業費を安定財源として複数年度での活用を見越した経常経費化する、あるいは地方一括交付金として地方自治の裁量に任せるなどの方が、長期的な視点で持続可能な地方創生になるのではないでしょうか。大臣の御見解を伺います。
最後に、地方制度調査会について伺います。
日本国憲法の理念を十分に具現するように、現行地方制度に全般的な検討を加えることを目的として、これまで三十二次にわたって活動が行われてきました。果たして人口減少防止に効果があったのでしょうか。地域が元気になったのでしょうか。過疎化に歯止めがかかっているのかなど、効果を検証するべきではないでしょうか。
地方の人口減少に歯止めがかからない、人口が減るため医療や交通など行政サービスが減少する、財政も厳しくなり、コスト削減の発想で更なる広域化や行政サービスの縮小、集約の答申が続くという悪循環です。しかも、現在の第三十三次調査会の学識経験者委員の大学関係者十五名中十三名が、首都圏の大学で研究する先生です。地方の実態や地方居住者を本気で考える調査会になっているのでしょうか。
一方で、先ほどの統廃合を誘導するような地域医療構想に関連する税制や、首都圏や政令指定都市の大学しか手を挙げられないような仮称国際卓越研究大学への巨額の研究投資など、言葉や宣言とは裏腹に、集積の経済を促進する戦略が次々打ち出されることに疑問を感じます。内閣の方針を補完、補強するためだけの目的となってはなりません。
調査会の答申が本当に地方創生になるのか、軌道修正の提言など、金子総務大臣には、地方自治体の味方になって、物申す大臣になっていただきたい。その覚悟を伺いながら、私の質問とさせていただきます。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔国務大臣金子恭之君登壇〕