浦野靖人の発言 (本会議)
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○浦野靖人君 日本維新の会の浦野靖人です。(拍手)
まず冒頭、立憲民主党及び共産党に苦言を申し上げます。
菅直人元総理らが、福島の多くの子供たちが甲状腺がんに苦しんでいるなどと事実に基づかない虚偽の情報を国際社会に拡散し、風評被害を繰り返している件について、また、立憲民主党議員による原英史国家戦略特区ワーキンググループ座長代理に対する誹謗中傷について、立憲民主党はいまだに関係者の処分や謝罪をしていません。
加えて、予算委員会の中央公聴会において、共産党の宮本徹議員は、予算委員会理事会が承認した原公述人の陳述内容について、私的な反論をとうとうと述べたなどと、公聴会をおとしめる発言を行いました。
人権と公益を擁護する観点から、立憲民主党及び共産党には改めて厳正な対処を強く求めておきたいと存じます。
私は、会派を代表して、令和四年度予算三案に反対の立場から討論を行います。
これまで、政府は、新型コロナに対して、医療提供体制の強化、ワクチン接種、人流、経済活動の制限など、様々な感染防止対策を講じてきました。それらが一定の効果を生んでいることは率直に評価するものです。
しかし、コロナ禍は三年目を迎えてもなお収束のめどが見えず、しかも、新型のオミクロン株の流行による第六波が到来するなど、新たな局面を迎えています。
今必要なことは、これまでの対策を漫然と続けるのではなく、対策内容の検証と総括をしっかりと行うことです。そうしてこそ、より効果的な蔓延防止対策が実現でき、重症化を防ぎ、不幸にもお亡くなりになるという事態をなくすことができます。そして、蔓延防止と経済活動再開を両立させる、命とともに暮らしを守る対策への転換こそ求められています。
総理は、新型コロナ対策に万全を期しつつ、成長と分配の好循環による新しい資本主義の実現を図るための予算と言います。しかし、予算案をめぐる我が党の質疑を通じて、総理が言う新しい資本主義は、従来の古い自民党政治と何ら変わらず、旧態依然とした、中身のない単なる言葉遊びだということがはっきりしてきました。
私たちが予算案に反対する理由の第一は、政府のコロナ対策が、進行、拡大しつつある第六波の実態に全く合っておらず、今後予測される新たな感染拡大の事態にも十分な対応ができないことです。
オミクロン株は感染力が非常に大きく、無症状の陽性者や軽症の感染者、そしてその濃厚接触者がこれまでとは桁違いの規模とスピードで拡大しています。そのため、医療機関も、療養施設も、保健所も、対応が追いついていけない状況が生まれています。
その上、濃厚接触者が増大したことで、医療や福祉などのいわゆるエッセンシャルワーカーが不足する深刻な事態になっています。そのほかのあらゆる職種においても、コロナを原因とする人手不足や休業が広がっており、コロナそのものによって健康が脅かされるだけでなく、コロナ対策の規制によって暮らしと営業が圧迫されています。
オミクロン株に軽症者が多いという特性を踏まえ、保健所を介さなくても患者自らが医療にアクセスして、診療所やクリニックで、検査や、抗体治療や、経口治療薬などによる治療ができるようにすべきです。
我が党は、そのために、新型コロナ感染症の感染法上の分類を現行二類から五類あるいは五類相当に改めるように提案しています。これは、コロナの脅威を軽視しているからではなく、誰もが必要なときにいつでも医療にアクセスできる権利と機会を保障し、コロナから国民の健康を守るための必要な措置だからです。
政府は、様々な口実でこの提案を拒否していますが、法改正も含め、蔓延の状況に合わせて臨機応変に対応する姿勢が求められます。
反対理由の第二は、国民が求める経済成長の展望が全く示されていないことです。
総理は、成長と分配の好循環を実現する要が賃上げだとしています。賃上げはもちろん必要なことです。しかし、肝腎な具体策は、優遇税制や補助金、最低賃金の見直しといった小手先のつけ焼き刃ばかりです。これでは好循環による持続可能な経済成長など望むべくもなく、一人一人の勤労者への実際の賃上げ効果も限定的です。
例えば、介護職員、保育士等の賃上げへの補助金にしても、一人九千円の給付が実現するかのような説明によって期待が膨らみましたが、実際の介護現場で働く全ての人たちで分配すれば四千円ほどになってしまい、期待を裏切るものになっています。その上、小さな事業所ほど給付を受けにくい仕組みになっています。補助をするなら、思い切って、個々の職員に直接給付する仕組みに転換すべきです。
また、総理は、勤労者皆保険制度を目指すとも言いますが、これは、既存の、企業を通じた社会保障の仕組みを多様な働き方をしている全ての人に拡張するもので、ますます企業側に大きな負担を強いるものとなります。結果的に賃上げを阻む要因になりかねません。
私たち維新の会が提案している社会保障制度改革は、企業という船にみんなを乗せるという発想をやめて、政府、行政が直接個人にセーフティーネットを提供しようというもので、最低所得保障制度、ベーシックインカムもその一つであります。
そもそも、本来、賃上げは企業間の市場競争の結果として実現されるものであって、人材の流動化を阻む規制を見直すことこそ真っ先に取り組むべき課題です。この労働市場の改革は、労使間の交渉任せでは実現できるものではありません。労働市場の流動化や解雇規制の在り方について、抜本的な法律改正を含めて、直ちに議論を進めていくべきです。
また、中国の台頭とその脅威が日増しに顕在化してきたさなかにあって、実効性のある経済安全保障の確立は急務です。しかし、政府の方針では、中国に遠慮してか、経済安保の概念や規制のルールが曖昧にされ、中途半端な対策の羅列になってしまっています。
中でも、法制化が遅れた上に、報道によれば、与党の一部からの要求により、準備していた法案から調査拒否に対する罰則が削除されたといいます。調査と罰則は、法の実効性を担保する重要な要素です。自由な経済活動と安全保障を両立させるのであれば、安易に罰則を軽減するのではなく、対象の産業や具体的な品目を見分ける組織的なインテリジェンスとその体制を構築することこそ重要です。
政府が関連する人員を約二百八十名増員することは評価しますが、実際の仕事の中身は、省庁横断で取組を進めるなどと、従来型で抽象的な構想しか持っていません。経済安保にとって必要不可欠なスパイ防止法の制定についても、後ろ向きの姿勢です。
反対の第三の理由は、国民に大きな負担増を押しつけておきながら、行政改革も政治改革も進んでいないことです。
コロナ禍で国民所得が大幅に減少し、令和三年度の国民負担率は、過去最大の四八%になるとの見込みです。その上、七十五歳以上のうち、およそ二割の方々には、医療費窓口負担を現行の二倍に引き上げることをお願いしなければなりません。
こうした中で、どんな行政改革があったでしょうか。全くと言っていいほど見当たりません。
鳴り物入りで始まろうとしているこども家庭庁にしても、幼保一元化を実現するのならともかく、むしろ逆に、認定こども園を加えた三元化を固定化し、文科省、厚労省、内閣府の権限をそのままに、その上に新たな役所を置くという、まさに屋上屋を重ねるものになっています。
政府だけでなく、国会議員もまた、国民の厳しい目を自覚すべきです。
今国会の冒頭から、議員一人一人に交付される月百万円の文通費の問題が注目されましたが、やっと各党間の協議が始まったというだけで、具体的には何も進んでいません。ルール作りは結構ですが、ルールがなければ何もできないというのであれば、国民の理解は得られません。自ら進んで、やれることはやる姿勢を示すべきです。我が党は、既に、領収書を添付した上で、使途を全て公開しています。他の議員各位におかれましても、同様に、自主的に使途公開を実施し、国民の負託に応えることを望むものです。
私たち維新の会は、失われた三十年を乗り越え、格差社会を打破し、経済成長を取り戻すために、税制、社会保障制度、労働市場を三位一体で改革していく日本大改革プランを打ち出しています。これは、言葉を弄ぶだけの岸田政権の新しい資本主義に対して、具体的な中長期的ビジョンを示した対案です。
税制においては、成長のための税制を目指し、消費税のみならず、所得税、法人税を減税するフロー大減税を断行すると同時に、ストック課税の在り方を見直し、フローからストックへを基軸とした、税体系全体の抜本的な改革が必要です。
喫緊の課題としては、二年を目途として、期間限定の消費税五%の減税を実施することを提案しています。これは、長期低迷とコロナ禍を打破するために何としても必要なことです。
コロナ禍に加え、ガソリン価格の高騰が国民生活に大きな打撃を与えており、この対策も急務です。我が党は、既に、ガソリン税を一時的に軽減するトリガー条項発動法案を国民民主党と共同で提出しています。総理は、トリガー条項も含めてあらゆる選択肢を排除しないと答弁しています。この言葉どおりの速やかな実現を強く求めるとともに、我が党も、法改正に向け、他会派とも引き続き力を合わせていく決意です。
岸田総理の新しい資本主義がプランAとすれば、私たちの大改革プランはプランBと言えるものですが、そのどちらが国民の可処分所得を増やし、格差を是正して、真に豊かな生活を国民にもたらすのか。私たち維新の会は、同じ土俵の上で、逃げることなく、がっぷり四つに組んで、正々堂々と自民党、岸田政権と対決していくことをお誓い申し上げ、令和四年度予算三案に対する反対討論といたします。
御清聴ありがとうございました。(拍手)