おおつき紅葉の発言 (本会議)

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○おおつき紅葉君 立憲民主党・無所属のおおつき紅葉です。
 私は、会派を代表して、ただいま議題となりました地方税法等の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案に対し、いずれも反対の立場で討論を行います。(拍手)
 まず冒頭、新型コロナウイルス感染症や相次ぐ災害によってお亡くなりになられた方に心から哀悼の意を、療養されている方、困難を抱えている方に心からお見舞いを申し上げるとともに、医療従事者、自治体職員、エッセンシャルワーカーの皆様に心から感謝を申し上げます。
 それでは、地方税法等の一部を改正する法律案に反対する理由について申し上げます。
 第一に、本来目指すべき分権社会に向けた税源移譲がなされていない点です。
 所得格差や資産格差がますます拡大する中、税制においても所得再配分機能を強化する観点からの見直しが不可欠です。あわせて、分権、自治を進める立場から、税源移譲を始め税の分権化も求められています。政府案は、小粒な改正ばかりで、極めて不十分と言わざるを得ません。
 第二に、固定資産税について、商業地のみ税額の上昇幅を半分に抑える措置が残された点です。
 昨年度は、二一年度限りの臨時異例の措置として、住宅地や農地等も含めた土地に係る税額が据え置かれました。今回、税額が上昇する住宅用地や農地等については既定の負担調整措置による負担を求める一方、商業地だけ減額というのは公平を欠きます。そもそも、固定資産税は市町村の基幹税であり、国の一存で決定することのないよう配慮すべきです。また、税収減になる自治体への補填も不十分です。
 第三に、効果が不明確な賃上げ促進税制が地方税にも盛り込まれている点です。
 岸田総理の目玉政策の一つとして、賃上げ促進税制の見直しが行われます。元々、二〇一五年度に法人事業税付加価値割の課税標準から一定額を控除できる仕組みが導入されたものの、効果が出ているとは言い難いとの指摘があります。そもそも、企業の七割近くが赤字法人で法人税を納めていない中、黒字企業あるいは大企業だけが減税の恩恵を受けるとすれば、中小企業の労働者との賃金格差を拡大させることになりかねません。
 第四に、燃油高騰対策が講じられていない点です。
 燃料の高騰が国民生活や事業活動に大きな影響を及ぼしています。政府は元売への補助金で対応していますが、低減効果は僅かです。
 総理は、昨日の予算委員会で、ようやく、トリガー条項も含めてあらゆる選択肢を排除せず、更なる対策を早急に検討したいと発言しました。しかし、トリガー条項を発動可能にするには法改正が必要であるのに、本改正案には盛り込まれておらず、対応が後手後手であると言わざるを得ません。
 また、トリガー条項の発動が一年間続いた場合、地方で五千億円程度の減収が見込まれ、トリガー条項を発動する際には、地方の減収分を国費で補填するなど、地方財政の安定にも十分配慮する必要があります。
 あわせて、トリガー条項の効果の及ばない灯油や業界で燃料として使う重油の高騰対策も強化するよう求めます。
 第五に、地域医療構想に基づき再編を行った医療機関に係る不動産取得税の課税標準の特例措置の創設が、公立病院の統廃合を誘導する懸念があることです。
 しかし、感染症病床全体の約六割を占め、感染症医療においては非常に重要な役割を担っているのが公立病院を始めとする公的病院であり、新型コロナウイルス感染症の感染拡大によって、公立病院等が担う役割の重要性が再認識されています。
 公立病院の再編統合を前提とせず、地域医療の確保のための自治体の主体的な取組を十分に尊重するべきです。
 第六に、森林環境譲与税について、今回の法案では手つかずとなっている点です。
 山崩れや流木、氾濫などの大きな災害が毎年のように発生しており、森林整備の財源を手厚く確保していくことには異論はありません。
 しかしながら、制度開始の二〇一九年度と二〇年度に市区町村に配分された資金の五四%が使われず、基金に積み立てられていたことが明らかになりました。配分が手厚い大都市部では使い道が少ない一方、配分額が少ない小規模自治体は少額過ぎて使途がなく、積み立てておくしかないという状況です。
 自治体への配分基準で人口割が三割を占め、森林の少ない都市部が優遇されていることが要因ではないでしょうか。森林面積や林業関連の指標に重点化した配分にするとともに、専門的な人材確保等にも使えるよう使途を見直すなど、課題の解決が必要です。
 次に、地方交付税法等の一部を改正する法律案について申し上げます。
 二〇二二年度の地方交付税総額や地方が自由に使える一般財源の確保、臨時財政対策債の大幅抑制、交付税特別会計借入金の償還額増加などは、一定評価できるものです。
 しかし、以下のような問題があります。
 第一に、交付税率の引上げが見送られている点です。
 財源不足額も一九九〇年代以来の縮小となったとはいえ、前年度から繰り越された約一・三兆円に依存しており、これを差し引けば、依然として四兆円近くの財源不足額が存在しています。地方交付税法第六条の三第二項に基づく地方交付税率の引上げなど、地方交付税の財源不足への抜本的対策を行うべきです。
 第二に、赤字地方債である臨時財政対策債の一層の縮減、廃止が求められる点です。
 確かに、三年連続で新規分の発行が行われず、初めて一兆円台まで縮小し、臨財債残高も前年度から二・一兆円減少しています。
 しかし、二十年以上も臨時の状態が続き、地方からも廃止の意見が強く寄せられています。後年度の地方交付税で償還するはずだった既往の臨財債の償還を新たな赤字地方債の発行で賄うということでは、財政を圧迫し、住民生活に影響が出かねません。
 第三に、職員数の増加にかかわらず、給与関係経費自体は減少している点です。
 保健師、児童福祉司、一般職員を含む計画人員が純増傾向にあり、人材の強化を図る兆しが見られることは評価します。今後の業務量の増加を考えれば、給与関係費、人員の確保を図るとともに、会計年度任用職員を始めとする臨時、非常勤職員の均等待遇を前進させるべきです。
 第四に、税収及び交付税総額の見通しへ懸念がある点です。
 内閣府が十五日に発表した二〇二一年の国内総生産速報値は、物価変動を除く実質で、前年比一・七%増となり、三年ぶりのプラス成長となっています。
 しかし、政府は、実質GDPを二・六%と見込んでおり、二二年度は三・二%の見通しで税収を見積もっています。今後、税収減や交付税の減額による混乱が生じることのないよう、強く求めます。
 さて、岸田新政権が掲げる新しい資本主義に盛り込まれたデジタル田園都市国家構想、カーボンニュートラル、科学技術・イノベーションなどは、いずれも多くの地域の政策に依存しており、これに従来の新型コロナ対策、保健医療、社会保障の取組、さらには人口減少社会における社会インフラの維持管理、公共交通対策など、多くの財政負担が生じる可能性があります。
 一般行政経費において、地域社会のデジタル化の推進、まち・ひと・しごと創生事業、地域社会再生事業費も別枠で確保されていますが、将来にわたる安定財源として経常経費化する必要があります。持続可能な地方税財政の姿をいかに描いていくかが大きな課題です。
 最後に、今季、地元北海道を始め多くの地域で大雪や厳しい寒さに見舞われています。雪害対策や灯油価格への支援のための特別交付税の対応に万全を期していただきたいと思います。
 地方の声、そして、これからの世代の声をしっかりと聞くことをお願いし、私の反対討論といたします。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)

発言情報

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発言者: おおつき紅葉

speaker_id: 31723

日付: 2022-02-22

院: 衆議院

会議名: 本会議