荒井優の発言 (本会議)

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○荒井優君 立憲民主党の荒井優です。
 私は、立憲民主党・無所属を代表して、ただいま議題となりました教育公務員特例法及び教育職員免許法の一部を改正する法律案について質問いたします。(拍手)
 まず冒頭、ウクライナの情勢は日ごとに厳しくなっています。ロシアによる侵略行為は断じて許されず、即時撤退を求めます。
 昨日のゼレンスキー大統領の演説は胸を打ちました。経済の制裁、そして復興に、日本としてもしっかりと尽くしていきたい、そういうふうに思いました。
 また、ウクライナから避難した子供は既に百五十万人を超え、人身売買のリスクにさらされているとの報道もあります。政府においては、ウクライナからの避難民、特に子供たちの受入れを早急に現実にすることを求めます。
 また、三月の十六日、福島県沖を震源とする最大震度六強の強い地震が発生いたしました。亡くなられた方にお悔やみを申し上げ、被害に遭われた方、そして今復旧復興に携わられている方に、お見舞い、そして心強く支援をしていきたい、そういうふうに思っております。
 まさに十一年前の東日本大震災でした、私が教育の可能性、学校の可能性を知ったのは。二〇一二年の十二月に、福島県双葉郡の八名の教育長を中心に双葉郡教育復興に関する協議会が立ち上がり、私自身もその委員に加えていただきました。この取組は、二〇一五年の四月に、福島県立ふたば未来学園高校として、その開校に結びつきます。
 その半年後に、札幌で、一つの私立高校が経営難に陥ります。そこは六十年前に私の祖父が創立した学校でもありましたので、経営再建のために理事長を引き継いだ父から、校長をできないかとの相談がありました。東北の復興も道半ばだったので悩んでいた私の背中を押してくださったのは、福島県大熊町の名物教育長であった武内敏英先生でした。
 潰れかけた、また札幌でも決して評判の高くはない札幌新陽高校の校長に四十歳で着任し、ただ生徒一人一人の存在を認め、本気で挑戦することの大切さを伝え続け、そして、わくわくする学校をつくり続ける五年間をすることで、今では、奇跡の学校として全国紙でも特集されるようになりました。
 そして、今、私は、衆議院、参議院を通じて、与野党を通じて唯一の校長出身の国会議員として、この壇上にて、未来をつくるために質問させていただきます。
 そこで、末松文部科学大臣にお尋ねいたします。
 教員免許更新制、これは、幼小中高の教員免許状に十年の期限を設け、更新するものと法で定めています。三十時間以上の研修が義務づけられ、約三万円の講習費用も受講者本人の自己負担。
 この制度は、学校の現場でも大変問題になってきました。
 私が校長をした学校でも、先生たちの全ての教員免許の発行年月日を確認し、研修受講を促し、受講状況を確認するという作業を毎年毎年しなくてはいけない、先生たちも、日々の業務が忙しい中、何とか時間をやりくりして確保して研修を受けている、そういう状況でした。
 全国、どの教育委員会や私立学校でも同様のことを毎年やってきましたが、それでもうっかり失効が起きてしまいます。五十代の先生が新卒扱いになったり、失職するケースもあったと伺っています。さらには、教員免許は取っても期限があるので永久的な資格の方がよいと、教員免許そのものを目指す大学生が減ることにもつながったと言われています。
 この教員免許更新制度が、本法案により廃止いたします。この制度に十年以上翻弄されてきた学校現場の教員や事務方に対して、末松文科大臣はどのように向き合われますでしょうか。
 続いて、末松大臣と鈴木財務大臣に伺います。
 一九七一年の第三次佐藤内閣において、いわゆる給特法が成立します。公立学校の教員には、時間外勤務手当などを支給しない代わりに、給料月額の四%、これは当時の平均残業時間八時間に相当しますが、それを教職調整額として支払うことが定められました。
 しかし、それから五十年、教員の働く時間は増加の一途をたどり、今では、平成二十八年度の教員勤務実態調査等を踏まえ推計すると、小学校で五十九時間、中学校では八十一時間となります。既に実態と合っていないんです。
 一方で、私立学校は、当初から給特法の適用外。ゆえに、民間企業同様に、労働基準法に基づき、三六協定を結び、時間外手当などを払わなければいけません。しかし、実態は、公立学校に準拠した就業規則がまかり通っていて、長らく公立と変わりませんでした。
 私が校長を務めた高校でも同様です。
 二〇一八年、第四次安倍内閣にて働き方改革関連法案が成立するタイミングに合わせ、半年で状況を整備し、今では、法の趣旨にのっとって時間管理、時間外手当などを払って、しっかりと経営しています。これまで当たり前とされてきた教員の仕事の一つ一つの在り方を先生たちと一緒になって見詰め直すきっかけになったと思います。これこそが働き方改革の真骨頂のはずだと感じています。
 そのときから、なぜ私立学校でできる働き方改革が公立の学校でできないかといえば、それはきちんと時間外手当を支払う予算措置をしていないからじゃないかと感じてきました。令和元年の給特法改正にて、教員の時間管理をしたり変形労働制を導入する、ますます公立学校の現場のマネジメントは複雑になってきていますが、肝腎の予算の措置はされませんでした。
 国は、人づくりが根幹です。ほかの公務員には支払われる時間外手当などがなぜ教育公務員には支給されないのか、今後も支給される考えはないのか、鈴木財務大臣及び末松文科大臣にお考えをお聞かせいただきたいと思います。
 続いて、末松文科大臣にお尋ねします。
 教育免許更新制は、第一次安倍内閣の肝煎りの政策でした。
 教育再生を最優先の課題とし、二〇〇六年九月に内閣総理大臣に着任した安倍総理は、総理直属の教育再生会議を設置します。教育再生会議は、二〇〇七年一月に、不適格教員に免許を持たせないことを目的の一つとする教員免許更新制の導入を盛り込んだ一次報告書をまとめます。この一文は文科省の中教審では教員の能力向上と置き換わりますが、二〇〇七年六月には法案として成立します。
 実は、この法案が施行されたのは、二〇〇九年の民主党鳩山内閣です。学校の先生たちには、民主党が始めたこととして勘違いされていらっしゃる方が多いと聞きますが、そうではないんです。
 一方、民主党の鳩山内閣においては、二〇一〇年三月に高校無償化法が成立し、翌四月に施行されました。
 これは、政権交代を実現した民主党政権の目玉の法案で、高校の授業料に対し国が支援金を支払う仕組みです。私立高校についても世帯年収に応じて適用され、私が校長を務めた私立高校に通う生徒、ほとんどの子供もこの法律によって通学ができていると言えます。その昔は、私立高校はお金持ちの子供が通う学校でしたが、今では、この法案により、保護者の年収によらず自ら選ぶことができる学校が私立高校になったわけです。その多くの私立学校が、今、日本の学校教育の変革を担っています。
 当時の野党からはばらまきと批判されてきたと聞きますが、しかし、今振り返ってみてはどうなんでしょうか。コンクリートから人へとうたった民主党の政策は、十年たった今でも色あせるどころかさんさんと輝いていると思いますが、いかがでしょうか。
 教員免許更新制度と高校無償化、今から十年ほど前に二つの法案が実現し、それは時の政権を代表する政策でもありましたが、末松文科大臣は、民主党政権が実現し、そして今でも続く高校無償化法をどのように評価なさいますか。
 学力格差が広がり定着し、不登校の児童生徒数が毎年増加しています。八年連続で増加という現実がある。若者が希望を見出せていません。世界九か国の十八歳の意識調査では、自分を大人だと思う日本の若者は三割、国の将来はよくなると思う日本の若者は一割、全ての項目で日本の若者は世界九か国の中で最下位になります。
 我が国の学校や教育には課題がたくさんあるんじゃないでしょうか。
 これは、学校や教育、そして次の世代たちに思いを寄せてこなかった日本の政治に原因があるとは思っていますが、末松文科大臣はこれをどのように解決されていかれますか。
 また、今国会では、子供政策を一元的に扱うこども家庭庁が議論されています。この新しい役所ができると、本当に子供の教育を取り巻く課題が解決されるのでしょうか。御担当の野田こども政策担当大臣、いかがでしょうか。
 校長時代に、北海道のとある地域で学校の説明会をいたしました。終わってから、一番後ろで聞いていた御両親と中学校の制服に身を包んだお嬢さんが前に来られて話をされました。
 そのお父さんがこうおっしゃったんです。一人娘のこの子は、中学校三年生だが、不登校で、ほとんど三年間中学校に通ってこられなかった。高校に進学することはもうすっかり諦めていたけれども、今回、荒井校長先生の話を聞き、高校の話を知って、本人が、初めて、この高校だったら通ってみたい、そういうふうに言ったので、今日は家族で話を聞きに来ました。我が家は農家をしているが、この子が、地域でこの先も育って、この田畑を受け継いでくれるとは今は思えない。それならば、先祖伝来の農地を売ってでも、家族で札幌に行き、娘を高校に通わせ、自分たちは別の仕事を探した方がいいんじゃないか、そういうふうに考えています。そういうふうにおっしゃられました。
 何かがおかしいと思いませんか。私は、日本の教育を立て直す、よりよくするために国会議員になりました。
 日本の教育を復興し再建していくのは、チルドレンファーストをうたう私たち立憲民主党であるとお約束し、私からの質問を終わります。
 どうもありがとうございました。(拍手)
    〔国務大臣末松信介君登壇〕

発言情報

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発言者: 荒井優

speaker_id: 5203

日付: 2022-03-24

院: 衆議院

会議名: 本会議