神津たけしの発言 (本会議)

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○神津たけし君 立憲民主党・無所属の神津たけしです。
 会派を代表して質問いたします。(拍手)
 昨日、国土交通省から、基幹統計である建築工事費調査について問題が発生したと連絡を受けました。建設工事受注動態統計調査から、信頼回復に向け、全力で取り組んでいる中での新たな問題です。建設統計不正に対する国土交通大臣の謝罪と改善の決意は何だったのか。反省がかけらも生きていません。
 まずは、今回発生した新たな統計問題の概要、責任の所在、再発防止としていつまでにどのような対処をするのか、具体的にお示しください。
 本日の主題に戻ります。宅地造成等規制法の一部を改正する法律案、いわゆる盛土規制法案です。
 昨年七月三日、二日間降り続いた大雨により、静岡県熱海市において土石流災害が発生し、死者・行方不明者が二十八人になるなど、甚大な被害をもたらしました。また、私の地元、長野県におきましても、昨年八月十三日からの大雨により多くの土砂災害が発生し、岡谷市では、親子三名の貴い命が失われました。
 改めて、これらの災害によって犠牲になられた方々に謹んで哀悼の誠をささげるとともに、被災された全ての皆様に心よりお見舞いを申し上げます。
 熱海市の災害は、被災地域の上流部にあった盛土の崩落が被害の甚大化につながったとの指摘があり、単なる豪雨による自然災害とは言えない側面があると言わざるを得ません。これまでも、豪雨などをきっかけに、不適切に投棄された盛土が崩れて流出し、下流部の人家や施設などに被害を及ぼす災害が各地で発生してきています。
 まず、これまでの盛土対策について伺います。
 現在は、宅地造成等規制法、森林法、農地法等、個別の法律によって規制対象区域が定められていますが、実効性の伴う規制ができていません。盛土による被害が各地で繰り返されてきました。こうした現状から、各自治体が条例により独自の規制をかけてきました。しかし、条例による罰則には限界があります。国は、この限界を承知していたにもかかわらず、法整備を行わず、違法な盛土を野放しにしてきました。国の不作為は重大です。
 こうした従来の盛土対策について、政府はどのように総括されているのでしょうか。
 熱海の災害を踏まえ、政府は都道府県に対し盛土による災害の防止に向けた総点検を行うよう依頼し、全国で点検が進められてきました。昨年末に暫定的な取りまとめが行われ、必要な災害防止措置が確認できなかったなど、いずれかの点検項目に該当する盛土は全国で約千四百か所もあることが公表されました。
 本法案の審議に際し、まず、盛土の総点検の最新の取りまとめ状況を御説明ください。また、そのうち災害発生の危険性の高い盛土については、いつまでにどのように安全性を確保していくのか、お示しください。
 昨年十二月には、盛土による災害の防止に関する検討会の報告書がまとめられています。報告書の中では、地方自治体が定める条例では規制内容に差異があり、結果として規制の弱い地域に危険な盛土がされていたことなど、課題が指摘されています。本法案によってどのように対応されるのか、お示しください。
 次に、自治体への支援について伺います。
 本法案では、自治体が担う役割として、基礎調査、規制区域指定、工事許可審査、改善命令、行政代執行等が挙げられ、自治体の負担が大きいものになっています。財政基盤が厳しい自治体や、土木の専門的知識を有する職員が少ないなどにより、法律を円滑に施行するのは難しいのではないでしょうか。
 以前は、土砂災害防止法の基礎調査が円滑に進まなかったとされています。事務手続の迅速化を図るため、調査から行政代執行に至るまでの実施に係るマニュアルやガイドラインが必要ではないでしょうか。
 本法案は、基礎調査を実施後、宅地造成等規制区域と特定盛土等規制区域という二つの規制区域が指定され、一定の行為に対し許可が必要となります。実効性を伴う法律とするためには、監視を徹底する必要があります。
 しかし、規制区域の指定や監視が十分に行えない自治体があれば、条例で対応する場合と同様に、そのような地方自治体に残土が集まってくるという危険性はないのでしょうか。規制の弱い地域で盛土が行われやすいといったこれまでの指摘を踏まえれば、区域を指定することなく、全ての区域で規制を行えるようにする必要はないのでしょうか。
 さらに、近年は、毎年のように線状降水帯による豪雨や台風による暴風雨が発生し、家屋の浸水や土砂災害も頻発化しています。盛土による災害についても、このような豪雨等がきっかけとなって発生する場合が多いと考えられます。本法案による盛土の規制強化については、できるだけ早く開始する必要があると同時に、規制強化開始直前の駆け込み盛土を抑えるべきと考えます。
 本法案の施行予定時期や都道府県等による規制開始時期についてはどのように見込んでいるのか、そして、駆け込み盛土にはどのように対応されるのか、お示しください。
 熱海市で崩落した盛土は、申請の高さ十五メートルに対して五十メートル、届出の二倍の七万立方メートルの盛土がされていました。これまで問題となっているような事案は、許可された範囲外にも盛土が行われるなど、申請者が許可内容を大きく超えるような盛土を行うケースがありました。
 許可条件に違反するような盛土を行う者に対し行政が厳格に対応していかなければ、規制の実効性は確保できないと懸念しますが、本法案によって都道府県等はどのような対応ができるようになるのでしょうか。
 さらに、本法案では、改善命令に応じない場合等の行政代執行について、費用を工事主等に負担させることができるとされています。
 廃棄物処理法においては、命ぜられた処分者等が措置を講じない場合、生活環境の保全上の支障が生じているとき、行政代執行が行えますが、行政は、生活環境上の支障を認めてしまうと、措置命令に従わないとき、行政代執行による公費支出につながり得るため、措置命令の発出に消極的で、行政指導を繰り返す傾向がありました。
 このような事態を避けるため、行政代執行を支援する地方自治体への予算措置がどの程度行われるのか、確認させてください。
 去る予算委員会第六分科会で、我が党の後藤祐一議員が農地に残土が積まれている実態について質問し、野上農林水産大臣から、農地改良の名目で残土を搬入して、表面は耕作土で覆うことで農地の体裁を整え、実際は農地として利用しない、こうした巧妙な手口によって農地転用許可を免れている事例があるという答弁がありました。
 農地改良に係る脱法的な残土処分と盛土行為、本法案はこうしたケースにも対応できるような制度設計になっているのか、農林水産大臣の見解を求めます。
 地方自治体の条例では、土砂搬出時の届出を義務づけているものも見られます。盛土が行われる時点での規制だけではなく、盛土の造成に至る前の段階で適正な処理をより一層強めていくことも重要ではないでしょうか。
 このような、いわば盛土の発生源対策の強化は行わないのでしょうか。行うとすれば、どのような対応を行っていくのでしょうか。
 あわせて、建設残土の適正な処分を徹底していくためには、国が残土処分地を十分に確保していく必要もあるのではないでしょうか。今後、リニア中央新幹線の工事で、東京ドーム五十杯分に匹敵する五千六百八十万立方メートルの残土が発生するとも言われています。建設業の団体からは、残土処分場の不足が指摘されています。
 まず、そもそも残土処分場の不足に関してはどのような状況と認識しているのか。また、残土処分場を十分に確保していくため、国としては具体的にどのような取組を行っていくのでしょうか。
 私の地元の長野県では、リニア中央新幹線から出る残土の行き先が決まっているのは三割です。地元紙である信濃毎日新聞は、「土の声を」という、国策民営事業であるリニアの残土問題を連載し、注目されています。三月二十六日の記事の主題は要対策土でした。
 盛土は土石流災害を引き起こすだけではありません。トンネル掘削によって出る残土には、土壌汚染対策法で定める溶出量基準を超える、自然由来の重金属を含む土もあります。しかし、トンネル掘削で出た土は、土壌対策法の対象外と整理されています。要対策土が上流で盛土として使われてしまい、浸水が続けば、下流で井戸水を生活水として使用している方々の健康に影響を及ぼします。
 住民の健康被害を及ぼしかねない要対策土について、政府はどのような対策を取る予定でしょうか。重金属を含む要対策土は産業廃棄物として整理されるべきと考えますが、いかがでしょうか。
 以上申し述べたように、盛土をめぐる問題については、非常に広範な分野に関わる課題を含んでいます。今後、本法案により危険な盛土を効果的に規制していくためには、地方自治体に任せるのではなく、国が責任を持ってこの問題に当たる姿勢を明確に打ち出す必要があります。
 この点について、国土交通大臣の決意を伺います。
 最後に、国民の命と暮らしを守り、国土の強靱化を図るのは我々立憲民主党だということをお約束し、私の質問といたします。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
    〔国務大臣斉藤鉄夫君登壇〕

発言情報

speech_id: 120805254X01520220329_011

発言者: 神津たけし

speaker_id: 1784

日付: 2022-03-29

院: 衆議院

会議名: 本会議