斉藤鉄夫の発言 (本会議)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 神津たけし議員から、今回発生した新たな統計問題についてお尋ねがありました。
今般、基幹統計である建築工事費調査等について、調査票の配付が調査計画より大幅に遅れていることが判明しました。
建設工事受注動態統計調査の不適切な処理を踏まえ、公的統計の信頼確保に向けて取り組んでいる中、このような事案が生じたことについて、極めて遺憾に思います。
国土交通省としては、当初予定どおりに調査結果を公表できるよう、調査計画の変更等に係る手続を行い、早急に調査票の配付、その結果の集計等を進めてまいります。
また、本件の背景には、建設工事受注動態統計調査の不適切処理に係る検証委員会の報告書でも指摘されている業務過多や統計部門におけるマネジメント上の課題があると考えております。
今後、このような事案が発生することがないよう、先日設置した再発防止検証タスクフォースにおいて、今回の事案も含め、できる限り速やかに再発防止策を検討し、私自ら先頭に立ち、組織一丸となって取り組んでまいります。
これまでの盛土対策に関する認識についてお尋ねがありました。
盛土については、これまで、宅地造成等規制法のほか、森林法や農地法等の各法令等により規制してきたところですが、各法令等の目的に応じた規制であることから、必ずしも規制が十分でないエリアが存在しています。
また、一部の地方公共団体では条例を制定して盛土を規制していますが、条例による罰則では抑止力として十分に機能していないとの指摘もあります。
このような中、昨年、静岡県熱海市で大規模な土石流災害が発生したことを踏まえ、今般、本法案を提出し、宅地や森林など土地の利用区分にかかわらず、危険な盛土等を包括的に規制するとともに、罰則の厳格化等の措置を講じ、盛土等に伴う災害を防止することとしております。
盛土の総点検と、災害危険性の高い盛土に対する安全性確保についてお尋ねがありました。
盛土の総点検については、昨年八月に関係府省から都道府県に依頼し、本年三月十六日時点において、全国で約三万六千か所の盛土が抽出され、それらのほぼ全ての盛土について目視等による点検が完了しました。
このうち、必要な災害防止措置が確認できない、許可、届出等の手続が取られていないなど、点検項目のいずれかに該当する盛土が約一千百か所ありました。
必要な災害防止措置が確認できなかった盛土については、都道府県等において、詳細調査等により崩落の危険性等を確認し、必要に応じて応急対策や盛土の撤去、擁壁設置等の抜本的な安全対策を講じていくこととなります。
国土交通省としては、農林水産省と連携し、それらに必要な経費を地方公共団体に助成することとしております。
また、今回の提出法案においては既存の盛土も規制対象としており、総点検で発見された危険な盛土への対応も含め、盛土等に伴う災害の発生防止に取り組んでまいります。
これまでの課題への対応についてお尋ねがありました。
宅地造成等規制法等の現行法令については、それぞれの目的に応じた規制であるため、必ずしも規制が十分でないエリアが存在するほか、条例では規制の内容に地域差があり、規制の弱い地域に不適正な盛土がされるとの指摘があります。
このため、本法案では、土地の利用区分にかかわらず、人家等に被害を及ぼし得る盛土等について包括的に規制することとし、全国一律の厳しい安全基準により、盛土等の行為を許可に係らしめ、盛土等の安全確保に万全を期することとしております。
地方公共団体への支援についてお尋ねがありました。
地方公共団体においては、本法案に基づき基礎調査や区域指定、許可の審査、危険な盛土に対する改善命令、行政代執行等の事務を行うに当たり、ノウハウの獲得や人員、予算の確保などの対応が必要となると考えております。
このため、国としては、基礎調査や盛土の許可に当たり参考となるガイドライン、不法な盛土への対応方法や危険な盛土の調査、対策工事の方法をまとめたガイドラインを示し、必要に応じて助言を行うこととしております。
さらに、基礎調査に必要な経費に対する補助や地方整備局等からの職員派遣による個別的サポートなどを通じ、地方公共団体が円滑に事務を行えるよう、きめ細かく支援を行ってまいります。
規制区域の指定及び監視についてお尋ねがありました。
本法案は、盛土等に伴う災害から人命を守るという目的のため、許可制により厳しい権利制限をかけるものであり、過度な規制とならないよう、盛土等の崩落により人家等に被害を及ぼし得るエリアを規制区域として指定することとしています。
本法案により、人家等が存在するエリアのほか、人家等に危害を及ぼし得る斜面地のエリアなども含め規制区域に指定することができ、人命を守るという法の目的に照らして、必要かつ十分なエリアが指定されるものと考えております。
このような考え方に基づき、的確に規制区域が指定されるよう、国から都道府県等に対し、基本方針として考え方を示すとともに、区域指定に関する具体的なガイドラインを示し、法の円滑な運用を図ってまいります。
あわせて、違法な盛土等に関しては、盛土担当部局と関係部局、警察との緊密な情報共有や、盛土許可地の公表等による市民からの通報が行われやすい環境の整備、監視カメラや衛星写真等による効率的な監視など、様々な取組により的確に状況を把握するよう、地方公共団体に促してまいります。
本法案の施行スケジュール等についてお尋ねがありました。
本法案については、盛土等に伴う災害の発生防止の必要性や緊急性に鑑み、可能な限り速やかに施行する必要があると認識しています。
一方で、法施行に向けては、都道府県等における体制の整備や規制に当たっての調査の実施、国における技術基準の検討、整備などに一定の期間を要するため、公布の日から一年以内に施行することとしております。
あらかじめ、法施行を見据えて体制整備や調査等を実施する都道府県等においては、法の施行から間もない時期に規制区域を指定できるものと見込んでおります。
また、本法案においては、区域指定前に行われた既存の盛土についても、災害防止のため必要なときは、土地所有者や行為者等に是正命令ができることとしており、こうした対応も含め、盛土等に伴う災害の発生防止に取り組んでまいります。
許可条件に違反するような盛土を行う者への対応についてお尋ねがありました。
本法案により、許可条件に違反があった場合、工事中の造成主や工事施工者等に対しては、工事の施工停止や擁壁の設置等の是正措置を命令することができ、既に工事が終わっている場合は、土地所有者や造成主等に対して、土地の使用の禁止、制限や擁壁の設置等の是正措置を命令することができることとなります。
また、命令しても土地所有者や造成主等が是正措置を講じないなどの場合には、行政代執行により、都道府県知事等が自ら災害防止のための工事を行うことができることとしております。
国としては、これらの対応が適切に取られるよう、是正命令等をちゅうちょなく行うための対応方法をまとめたガイドラインを示すとともに、本法案の所管部局が関係部局や警察と緊密に連携し、不法行為に毅然と対応するよう促すなど、規制の実効性の確保に努めてまいります。
行政代執行への支援についてお尋ねがありました。
地方公共団体が、行政代執行により危険な盛土の災害防止措置を講ずるに当たり、その費用を懸念し、実行をちゅうちょするケースも考えられると認識しております。
このため、国としては、来年度の当初予算で、総点検の対象となった盛土について、その撤去等を行う行政代執行等に要した費用について地方公共団体への財政支援を行うこととしております。
あわせて、不法な盛土を発見した場合の対応方法をまとめたガイドラインを示し、地方公共団体がちゅうちょなく行政代執行等の対応をできるよう支援してまいります。
建設残土の発生源対策についてお尋ねがありました。
御指摘のとおり、建設発生土の発生者側に対する取組の強化やその実効性の確保も重要と考えており、建設発生土の搬出先の明確化等を図ってまいります。
具体的には、建設現場から搬出される建設発生土の約八割を占める公共工事について、関係省庁と連携して、発注段階で搬出先を指定する指定利用等の取組を徹底していくとともに、入札及び契約の適正化の観点も踏まえ、適切な費用負担の徹底に取り組んでまいります。
また、民間工事も含めた取組として、資源有効利用促進法に基づく再生資源利用促進計画制度を強化し、元請業者に搬出先が適正であることを事前に確認させることや、実際にそこに搬出されたことを受領証等で確認させる仕組みを構築してまいります。
さらに、民間発注者による適切な費用負担等についてもガイドライン等で明確化し、様々な機会を捉えて周知してまいります。
国土交通省としては、建設発生土の適正処理の確保にしっかりと取り組んでまいります。
残土処分場の現状についてお尋ねがありました。
建設発生土の約八割を占める公共工事においては、約八六%の建設発生土について、発注者が発注段階で受入先を指定する指定利用等を行っており、一概には受入れ地が不足している状況ではないと思われます。
また、建設発生土の約二割を占める民間工事の中には、地域によっては受入れ地の不足があり、不足状況については地域差があるという業界団体の声もあります。
国土交通省としては、関係省庁と連携して、公共工事における指定利用等や発注者における適切な積算への反映の徹底に取り組んでまいります。また、民間工事においても、特に継続的に大規模な建設工事を発注している民間発注者が適切な費用負担の観点から公共工事と同様に指定利用等の取組を実施し、それが困難な場合でも元請業者により適正処理が行われることを確認するなど、これまで以上の積極的な役割を果たせるよう、国土交通省として取り組んでまいります。
こうした取組とともに、現場内利用等の促進や許可地一覧の公表によるマッチングの促進等を行うことにより、必要量に応じた新たな法制度による受入れ地の整備が進んでいくものと考えております。
盛土の効果的な規制に向けた私の決意についてお尋ねがありました。
豪雨災害が激甚化、頻発化する中、危険な盛土によって人命が失われることはあってはならず、盛土等に伴う災害の防止は国家的な政策課題であると認識しております。
このため、本法案に基づき、盛土対策の総括的な考え方を基本方針において示し、関係行政分野の連携や法の的確な運用を図るとともに、地方公共団体に対して具体的なガイドライン等による助言や財政支援を積極的に実施し、全国における盛土対策を国として率先して進めてまいります。
二度と熱海市と同様の悲劇を繰り返さないよう、関係省庁が連携して、盛土等に伴う災害の防止に向けてしっかりと取り組んでまいります。(拍手)
〔国務大臣金子原二郎君登壇〕