市村浩一郎の発言 (本会議)

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○市村浩一郎君 日本維新の会、市村浩一郎です。
 ただいま議題となりました政府提出、宅地造成等規制法の一部を改正する法律案及び日本維新の会提出、特定土砂等の管理に関する法律案、土砂等の置場の確保に関する法律案の二案につきまして、会派を代表して質問いたします。(拍手)
 昨年七月三日、静岡県熱海市で、大規模な土石流が発生し、二十七名の方がお亡くなりになられています。
 質問に先立ちまして、お亡くなりになられた方々の御冥福を衷心よりお祈りし、哀悼の誠をささげます。
 この大惨事の原因が建設残土であったことは既に明らかになっています。土石流が発生してから間もなく九か月がたとうとしていますが、土砂が流れ下った川の周辺は警戒区域に指定され、今もなお、立入りが禁止され、二百名以上の方々が地元を離れた暮らしを余儀なくされています。
 そして、昨日には、行政対応が適切だったかを検証する、静岡県の逢初川土石流災害に係る行政対応検証委員会が中間報告を公表し、その中で、危険性を認識していたが大規模崩落を予測していなかった、又は、静岡県と熱海市の連携協力体制が十分でなかったなどとしています。
 今回の法改正は、熱海市でのこうした大惨事を二度と繰り返さないという強い反省がなければなりません。改めまして、熱海市での土石流災害に対する国土交通大臣の御認識と再発防止への御決意をお聞かせいただきたいと存じます。
 また、御遺族や被災者の皆様は、心身の傷も癒えぬまま、生活の面でも大きな損失を被っておられます。政府は、今後、御遺族、被災者の方々にどのような支援をされていくのか、併せてお答えください。
 政府提出法案では、都道府県知事や政令指定都市、中核市の市長が、盛土等により人家等に被害を及ぼし得る区域をあらかじめ規制区域として指定することになっています。
 この規制区域内での盛土等は知事や市長の許可が必要になるとのことですが、土砂の流出事故はあらかじめ想定できる場所だけで発生するとは限りません。最初は安全で規制の必要なしと判断されていても、時を経て、建物や道路の工事の影響によって、又は地震や台風など自然現象によっても土地の形状や安全性は刻々と変わっていくものです。人が立ち入らないと思われた場所に、後になって、人家が建てられるということもあります。
 あらかじめ規制対象の区域を定めるのではなく、全ての地域を対象にして、盛土を行おうとする者に届出を義務づけ、届出の時点で行政が安全性を確認し、安全が担保されない場合には許可しないとする方がずっと合理的で、いわゆる想定外の事故を減らすことができると考えます。
 なぜ、あらかじめ規制区域を設ける必要があるのでしょうか。規制区域から除外される区域とはどのような区域を想定されておられるのでしょうか。対象区域を限定しないことこそ、隙間のない規制となるのではないのでしょうか。併せて、国土交通大臣の御所見をお伺いいたします。
 また、規制対象区域と規制除外区域を分けることによって、処分に困った建設残土が規制のない区域に集中してしまうという事態が懸念をされます。現状でも、規制が緩いことをいいことに、住宅地など、まさかと思えるような場所に産業廃棄物が混入された土砂が山積みされる事例が全国で発生しています。
 規制の対象から除外された地域に建設残土等が集まってしまうことにはならないのでしょうか。法律を的確に運用し実効性を高めるためにも全国一律に規制をするべきと考えますが、国土交通大臣の御所見をお伺いいたします。
 次に、他の法制度との関係についてお尋ねいたします。
 例えば、森林法上の許可を取って森林を伐採した後に、そこに残土処理場を整備しようとした場合、残土処理場が不許可となれば無駄な伐採となり、木を植え直しても元の森林に戻るには何十年とかかってしまうという極めて不合理なことが生じてしまいます。
 また、砂防法との関係でも矛盾があります。砂防法には、国交大臣が指定した土地において、都道府県知事が一定の禁止又は制限をするという今回の法案とよく似た条項がありますが、違反した場合の罰則は二万円の罰金という極めて低いものです。一方、今回の政府案では、建設残土を投棄した行為は罰金最高三億円となっており、余りにもひどい落差となっています。
 こうした矛盾や不合理を解消するためにも、森林法、砂防法など、他の土地利用、国土保全に関する法制度との一体的な運用をするべきだと考えます。
 また同時に、全国一律の規制基準とするためにも、森林法、砂防法などの法改正も進めるべきだと考えますが、国土交通大臣及び農林水産大臣の御見解をお伺いいたします。
 次に、責任の所在の明確化、そして改めまして実効性のある罰則についてお尋ねいたします。
 今回の政府案では、条例による罰則の上限であります懲役二年以下又は百万円以下の罰金を超える重い罰則が設けられています。一例を挙げますと、法人に対しては、先ほど申し上げましたように最高三億円の重科を措置できるようにされています。これによりまして、違反行為に対する強い抑止効果が期待されるものと考えます。
 一方、盛土に関する不法行為の事例を見れば、規範意識の極めて低い事業者によって行われていることが多く、行政による是正命令があっても、会社を倒産させ、社長が雲隠れしてしまい、罰金を逃れる事例も少なくはありません。
 罰則の強化に伴い、より悪質、巧妙な罰則逃れが表れる事態が懸念をされています。意図的な法人の解散や経営責任者の失踪などの罰則逃れに対しては特別な対応策を検討すべきと考えますが、国土交通大臣の御認識と御見解を求めます。
 また、政府案では、必要なときには、現在の土地所有者だけではなく、過去の所有者等に対しても、原因行為者として是正措置を命令できるようになっています。しかし、過去に遡って各々の責任を明確にするためには、残土がどこで発生し、どこを流通して、どのようにその場所に盛られることになったのか、各段階の状況を確認できる仕組みが必要です。
 例えば、産業廃棄物の場合には、マニフェスト制度があります。これにより、産業廃棄物は、排出先から最終処分までを把握することができます。つまり、追跡する仕組みがあるわけです。
 こうしたトレーサビリティーを可能にするマニフェスト制度を盛土規制においても導入し、関係者の責任を明確にすべきと考えますが、国土交通大臣の御所見はいかがでしょうか。答弁を求めます。
 続きまして、日本維新の会提出の法案について質問いたします。ここで法案提出者の足立康史代議士に伺います。
 このように日本維新の会が盛土規制について党を挙げて取り組むようになったきっかけは何なのでしょうか。また、今回の法案に至るまで、自治体や省庁と協力しながらどのような取組をされてきたのでしょうか。明確にお答えください。
 次に、日本維新の会提出の二法案の内容について質問いたします。
 まず、特定土砂等の管理に関する法律案では、建設残土等に対しても産業廃棄物と同様にマニフェスト制度を導入し、土砂の移動、流通を管理するものとされています。そして、土砂等の置場の確保に関する法律案では、都道府県が土砂等の置場を確保するものとの説明がありました。この二つの法律によりまして、土砂の不法投棄を未然に防ぐことができる趣旨と理解をしています。
 しかしながら、土砂置場の確保につきましては、都道府県ごとに、ニーズも地理的条件も財政状況もまちまちでありまして、取組にばらつきが出るとの意見もあります。こうしたばらつきを出さないためにはどのような施策が必要だとお考えなのか、お聞かせください。
 以上、熱海のような悲劇が二度と起こらないようにすることが政治の使命であります。子供たち、孫たちの世代まで国民の皆様が安心、安全に暮らせるようにしなければなりません。
 盛土の不安が解消され真に実効性のある法案は維新案と政府案のどちらなのか、日本維新の会は、政府・与党の皆さんと堂々と議論し、国民の皆様の前につまびらかにしていくことをお誓い申し上げ、私の質問を終わらせていただきます。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
    〔国務大臣斉藤鉄夫君登壇〕

発言情報

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発言者: 市村浩一郎

speaker_id: 22286

日付: 2022-03-29

院: 衆議院

会議名: 本会議