高橋千鶴子の発言 (本会議)
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○高橋千鶴子君 私は、日本共産党を代表して、宅地造成等規制法の一部を改正する法律案について質問します。(拍手)
昨年七月、静岡県熱海市で発生した土石流災害は、死者二十七名、行方不明者一名という大惨事でした。不適切な盛土の崩落による人災であることは論をまちません。こうした危険な盛土は全国に存在し、度々崩落事故等を起こしてきたため、危険な盛土に関する全国一律の規制、包括的な法律が要望されていました。
本法案は、こうした被害を二度と生まないための決め手になるのでしょうか。
少なくない地方自治体が土砂条例などを制定しています。しかし、条例では権限や罰則も弱く、その上、条例のない自治体へ土砂が持ち込まれる問題もあります。政府は、これまで立法化を避けてきた責任を認め、実効ある法整備を行うべきです。
法案では、盛土により人家等に被害を及ぼし得る区域を規制区域として指定し、区域内で行う盛土等に都道府県知事の許可を必要とします。森林や農地まで広く規制区域としますが、区域外への盛土行為は防ぐことができません。土砂災害警戒区域など、盛土行為を禁止する区域を定め、それ以外は区域を定めず、盛土行為を規制対象にすべきではありませんか。
例えば、リニア中央新幹線の南アルプス静岡工区のトンネル残土は、標高約一千三百メートルにある燕沢に置場を作る計画です。東京ドーム三杯分に当たる三百六十万立方メートルになり、静岡県知事は自然環境への悪影響を懸念しています。ここは規制区域に指定できますか。
次に、危険な盛土等の大きな要因の一つが、建設残土の不適切な処理です。熱海の土石流となって崩落した大規模な土砂は、どこから持ち込まれたものか判明していません。しかし、工事現場から発生した建設残土である可能性は大いにあります。
総務省の建設残土対策に関する実態調査結果に基づく勧告によると、土砂条例で対応した無許可埋立て五十八事案のうち、土砂流出の発生が十四事案、そのうち是正されたのは一事案にすぎません。建設工事の発注者、元請業者など建設残土の発生者責任を明確にし、最終的な処分先まで適切な管理を行う建設残土の処理に関する法律を盛土規制と一体で制定するべきではありませんか。答弁を求めます。
建設残土のうち、廃棄物を取り除いた建設発生土は、工事現場等で資源として有効活用することが基本です。しかし、工事現場内で利用されなかった建設発生土は、全体の二割強、年間五千八百七十三万立方メートル、実に東京ドームの五十倍ほどです。これは確実に最終処分先に運び込まれているのですか。
例えば、リニア中央新幹線のトンネル工事で発生する残土は約五千六百八十万立方メートルという膨大な量ですが、現時点で最終処分先が決まっている量はどれくらいですか。一時仮置場に堆積している残土はどれくらいか、伺います。
山梨県の南アルプストンネル工事では、搬出した土砂のうち、最終処分先が決まらず、土砂災害警戒区域内の仮置場に堆積されたままになっているといいます。地元では、いつ崩落するかと不安が広がっています。早急に処分先を確保し、仮置場から搬出、撤去すべきではありませんか。
公共事業の場合は、発注する際に最終処分先を指定して工事契約を結ぶ指定処分が制度化されています。この指定処分の徹底を図るとともに、民間工事に対しても指定処分を義務化すべきです。
建設残土は、工事現場から一旦は仮置場や中間処理場に搬出されます。仮置場などの位置づけが曖昧であり、基準を明確にすべきではありませんか。建設発生土が最終処分先に確実に搬入されているかチェックできる、トレーサビリティー制度をつくるべきです。
最後に、新幹線や高速道路などの大規模なトンネル掘削工事は大量の残土を排出します。工事発注者は、最終処分場が確実に確保されるまで工事には着手しないようにすべきです。
以上、答弁を求め、質問を終わります。(拍手)
〔国務大臣斉藤鉄夫君登壇〕