斉藤鉄夫の発言 (本会議)
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○国務大臣(斉藤鉄夫君) 高橋千鶴子議員から、実効ある法整備等についてお尋ねがありました。
盛土については、これまで、宅地造成等規制法のほか、森林法や農地法等の各法令等により規制してきたところですが、各法令等の目的に応じた規制であることから、必ずしも規制が十分でないエリアが存在しています。
また、一部の地方公共団体では条例を制定して盛土を規制していますが、規制の内容には地域差があるほか、条例による罰則では抑止力として十分に機能していないとの指摘もあります。
このような中、昨年、静岡県熱海市で大規模な土石流災害が発生したことを踏まえ、今般、本法案を提出し、宅地や森林など土地の利用区分にかかわらず、危険な盛土等を包括的に規制するとともに、罰則の厳格化等の措置を講じ、盛土等に伴う災害を防止することとしております。
規制の対象とする区域についてお尋ねがありました。
本法案は、盛土等に伴う災害から人命を守るという目的のため、許可制により厳しい権利制限をかけるものです。
このため、過度な規制とならないよう、盛土等の崩落により人家等に被害を及ぼし得るエリアを規制区域として指定することとしています。
また、盛土行為を全面的に禁止することについては、土砂災害警戒区域など土砂流出等の危険性のある区域であっても、憲法第二十九条に基づく財産権の保護との関係で困難であると考えております。
本法案に基づく具体的な規制区域の指定は都道府県等が行うものであり、ここで個別地区についての回答は差し控えますが、過度な私権制限とならないよう配慮しつつ、盛土等に伴う災害から人命を守るという法の目的に照らして、必要かつ十分な区域が指定されるものと考えております。
建設残土の発生者責任の明確化についてお尋ねがありました。
建設発生土の適正処理を確保するためには、発注者や元請業者が果たすべき役割を明確にし、建設発生土の搬出先の適正化、明確化を図っていくことが重要と考えています。
公共工事については、発注段階で搬出先を指定する指定利用等の取組を徹底していくとともに、入札及び契約の適正化の観点も踏まえ、適切な費用負担の徹底に取り組んでまいります。
また、建設発生土の不適正処理の防止には、搬出先の適正確保と資源としての有効利用を一体的に図ることが効果的であることから、民間工事も含めて、現行の資源有効利用促進法に基づく再生資源利用促進計画制度を強化します。
具体的には、専門的知識を持ち、建設工事の施工全体に責任を持つ元請業者に対し、搬出先が適正であることの事前確認や、実際にそこに搬出されたことの確認を義務づけるとともに、発注者には適切な費用負担を求めてまいります。
国土交通省としては、建設発生土の適正処理の確保にしっかりと取り組んでまいります。
建設発生土の搬出先についてお尋ねがありました。
平成三十年度においては約六千万立方メートルの建設発生土が最終受入れ地等に搬出されていると回答されておりますが、この調査は工事の受注者から発注者を通して回答されており、この回答は受注者のみならず発注者も見た上で取りまとめた回答となっております。
リニア中央新幹線の建設主体であるJR東海においては、令和三年九月末時点で、約五千六百八十万立方メートルの建設発生土のうち、約七割の最終受入先を確保しているとともに、残りの約三割についても複数の候補地と受入れの協議を進めていると聞いております。また、令和三年三月末時点で、一時仮置場に堆積している残土は約五十五万立方メートルであると聞いております。
さらに、御指摘の山梨県南アルプストンネル工事で発生する残土の仮置きについては、JR東海によれば、地形や地質に関する調査を踏まえて安全対策を講じた上で、残土の仮置きを行う区域の届出など、山梨県条例などの関係条例等に従った必要な手続を行っており、仮置き期間が終了するまでに最終受入先を決定するものと承知しております。
リニア中央新幹線における建設発生土の取扱いについては、工事実施計画認可を受けた工事着手後に事業主体が地方自治体からのあっせん等を受けて受入れ候補地を選定し、建設発生土が実際に発生する時期や土質、運搬距離等を考慮した上で事業主体により決定されていると承知しております。国土交通省としましては、地方自治体の条例等に従い、建設発生土が適切に処理されるよう、JR東海を指導監督してまいります。
指定処分についてお尋ねがありました。
御指摘のとおり、公共工事では、発注者が土砂の搬出先を指定する指定利用等の取組が進んでおり、国の発注工事ではほぼ全ての工事で指定利用等が行われています。
発注者による指定利用等の取組は、建設発生土の有効利用や適正処理を進める上で大変効果的であり、適切な費用負担の徹底と併せて、今後は、地方公共団体の発注工事を含めて公共工事での原則化に取り組んでまいります。
一方、民間工事の発注者は、個人の施主を含め様々であることから、基本的には、専門的知見を持ち建設工事の施工全般に責任を持つ元請業者に適切な搬出先の選定等の役割を担わせ、発注者には費用の適切な負担を求めることが適当と考えております。
なお、継続的に大規模な建設工事を発注している民間発注者は、公共工事と同様に指定利用等を行うなど、より積極的な役割を果たすことが求められると考えており、この旨をガイドライン等で明確化するとともに、様々な機会を捉えて周知してまいります。
トレーサビリティー制度の創設についてお尋ねがありました。
御指摘のとおり、新たな盛土規制と併せて、建設工事から発生する土の搬出先の明確化や、実際に適正に搬出されたことを確認する仕組みが必要と認識しております。
このため、建設現場から搬出される建設発生土の約八割を占める公共工事について、工事の発注段階で建設発生土の搬出先を指定する指定利用等の徹底に取り組んでまいります。
また、民間工事も含めて、搬出先の適正確保と資源としての有効活用を一体的に図ることが不適正処理の防止に効果的です。このため、現行の資源有効利用促進法に基づく再生資源利用促進計画制度を強化し、元請業者に搬出先が適正であることを事前に確認させることや、実際にそこに搬出されたことを受領証等で確認させる仕組みを構築してまいります。
なお、御指摘のいわゆる仮置場等で行われる土砂の一時的な堆積についても、新たな盛土規制の許可対象となることから、搬出先の事前確認を行うこととなります。
国土交通省としては、建設発生土の搬出先の明確化等に向けてしっかりと取り組んでまいります。(拍手)