山崎誠の発言 (本会議)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○山崎誠君 立憲民主党、山崎誠です。
会派を代表いたしまして、安定的なエネルギー需給構造の確立を図るためのエネルギーの使用の合理化等に関する法律等の一部を改正する法律案について質問いたします。(拍手)
ロシアによるウクライナ侵略が続いています。ロシア軍による虐殺行為、また、地雷が設置されたとの報道もありました。ウクライナ国民の命を奪う、そして長きにわたり命を危険にさらすロシアの卑劣な軍事行動に対し厳しく非難するとともに、一刻も早い軍事行動の停止と、ウクライナ国民の平和と安全確保を強く強く求めます。
本題に入ります。
気候危機への対応、化石燃料の高騰、ロシアによるウクライナ侵略、福島県沖地震に端を発する電力需給逼迫など、エネルギー政策の抜本的な見直しを迫る事態が発生しています。
三月十六日に発生した福島県沖地震により六基の火力発電所が停止、悪天候により太陽光発電の発電量が減少、気温低下に伴う電力需要の増加などが重なり、三月二十一日に電力需給逼迫警報が初めて発出されました。
また、国民の生活や産業への影響の大きい資源価格、電力料金の高騰は、長期化、恒常化することが懸念されるところであります。
エネルギー政策には、データに基づく科学的分析が不可欠です。今般の電力需給逼迫の原因の検証とその結果の公表、また、資源価格、電力料金の高騰に係る情報の公開が必要と考えますが、経産大臣に対応についてお伺いいたします。
エネルギーをめぐる諸課題に対して、短期的には、国を挙げての省エネ、節電の取組の強化、加速化、需要家を取り込んだ需給調整の推進を実現すべきと考えます。あわせて、自家発電など全ての発電設備を加味したバックアップ体制の整備、揚水発電の更なる有効活用、地域間の電力融通ルールの見直し、余裕を持って節電要請を発出できる体制の整備などに取り組む必要があります。
問題は、中長期的な取組です。
気候変動対策として、また、エネルギーコスト、エネルギー安全保障の観点から、目指すべきは省エネルギーの推進と再生可能エネルギーへのシフト、このことに異論はないと思います。
世界では、コロナ禍からの経済再生を、環境への投資、すなわち再生可能エネルギーの導入や省エネへの投資で実現しようというグリーンリカバリーが進んでいます。再生可能エネルギーへのエネルギー転換は、世界の投資が集中する成長分野であります。この分野にシフトすることが、真っ当な経済政策であり、産業政策ではないでしょうか。
一方、日本の再生可能エネルギー導入は頭打ちとなっています。太陽光パネルや風力発電設備などの分野で競争力のあった日本企業は、今や世界市場からその姿を消しています。
明確なエネルギー転換のビジョンを示すことなく、化石燃料や原子力への依存を続けようとする政府のどっちつかずの間違った方針が原因ではないでしょうか。今こそ、政治の意思として、再生可能エネルギーへのシフトの実現に向けて、再エネ導入の高い目標を示し、国を挙げてその実現に取り組むべきときです。この点、経済産業大臣にお考えをお伺いいたします。
省エネについては、建物の断熱性能向上や産業における省エネ設備への転換など、できること、やるべきことはたくさんあります。省エネは、エネルギーコストの低減、日本の産業界の課題である生産性向上に直結します。省エネ分野への投資を応援する施策こそ、最優先で実施すべきと考えます。
立憲民主党は、エネルギー転換戦略として、省エネの深掘りについて、二〇一三年比、二〇三〇年で三〇%減、二〇五〇年には六〇%減の目標を掲げ、ロードマップを作成しています。建物の断熱性能のアップ、設備更新時の高効率機器への切替えなど省エネ効果の高い施策を優先順位をつけて実施することで目標の達成が可能であることは検証済みです。
省エネの現状とポテンシャルについて、環境大臣にお尋ねをいたします。
また、特に遅れている建物の断熱化についてどのように進めていくのか、国交大臣にお伺いをいたします。
今後、省エネ全般についてどのように推進をしていくのか、経産大臣にもお尋ねをさせていただきます。
再生可能エネルギーは、その安全性、経済性、CO2を排出しないなど、次世代を支える理想的なエネルギーです。コストが高い、不安定であるといった点は、既に問題ではなくなっております。化石燃料の高騰が続く今、最も安く、安定したエネルギーが再生可能エネルギーであることは明らかであります。
太陽光発電の発電量が天候の事情で減少したことを捉えて、再生可能エネルギーは頼りにならないなどといった主張がなされることがあります。これは誤りです。再生可能エネルギーは、太陽光発電、風力発電、水力発電、地熱発電、バイオマス発電など様々なエネルギーを組み合わせてバランスよく導入することで、全体として安定した電源となります。問題は、日本の場合、太陽光発電に偏って、風力発電などが伸びていないことにあると考えるべきです。
この太陽光発電偏重の現状をどのようにお考えでしょうか。経産大臣にお尋ねをいたします。
再生可能エネルギーをバランスよく導入し、あわせて、劇的な技術革新があり、コストも低下をしている蓄電池の導入を併せて進めれば、再生可能エネルギーの比率を八〇%、九〇%に高めていくことは可能です。これは、世界が目標としているエネルギー転換の姿と言えます。
政府が掲げる再生可能エネルギー導入目標の妥当性について、経産大臣にお伺いいたします。
再生可能エネルギーの導入は、地域分散ネットワーク型の新しいエネルギー社会につながります。再生可能エネルギーの導入を地域主導で進めることで、地域でお金が回る、新しい地産地消の経済を実現することができます。疲弊する地方を元気にすることができるのであります。まさにこうした点に着目して、環境省には再生可能エネルギー導入を応援していただいています。
環境省の再生可能エネルギーに対する考え方、再生可能エネルギー導入支援の取組を御紹介ください。環境大臣、お願いいたします。
立憲民主党は、エネルギー転換戦略として、電源構成に占める再生可能エネルギーの割合を二〇三〇年には五〇%以上、二〇五〇年には再生可能エネルギー一〇〇%でのカーボンニュートラルを目指すロードマップを作成して、その実現に必要な政策パッケージを提案してまいります。省エネと組み合わせて、二〇三〇年には二〇一三年比でCO2の五五%以上の削減を目指します。
電力が足りない、化石燃料が高騰している、だから原発再稼働が必要だといった声が上がっています。
いかなる事情があっても原子力発電については安全を最優先するという東京電力福島第一原発事故の教訓から逸脱することがあってはなりません。あの原発事故から十一年、事故はまだ終わっておりません。多くの避難者の皆さんは、いまだに被災の中にいるのであります。
そもそも、原子力発電は、火力発電と同様、地震に遭遇すれば停止を余儀なくされ、大地震であれば過酷事故のリスクのある、災害に対して脆弱なシステムです。この点、経済産業大臣の御認識をお伺いいたします。
ロシアのウクライナ侵略に際しては、原子力発電設備が武力攻撃の目標となるなど、原子力発電所の存在自体が安全保障上の大きなリスクであることが明確となりました。
原子力規制上、武力攻撃は想定されておらず、万が一、武力攻撃を受けることになれば、大規模な放射能汚染を免れることはできません。この点、原子力規制委員会の更田委員長も認めておられます。ミサイル防衛システムが完全でないことは、防衛省の皆さんも認めている。
原発を動かす前提として、少なくとも、今般顕在化した武力攻撃に対する対策を規制基準に追加する必要があると考えます。原子力規制委員会に武力攻撃に対する規制基準の策定を要請いただけますでしょうか。経産大臣にお伺いいたします。
武力攻撃から原発を守ることは不可能です。国家安全保障上、原発を安全な状態にするために廃炉を進める必要があると考えますが、経済産業大臣にお伺いいたします。
最終エネルギー消費の約四割は熱エネルギーとして使われています。この分野の省エネ、脱炭素化をどう進めるか、もっと工夫や仕組みが必要です。
特に、熱は運ぶことができないため、地産地消の仕組みが必要です。例えば、現在、A重油が高騰しておりまして、農業用のハウスの暖房コストがアップ、農業経営を圧迫しています。地域の木材を活用したバイオマスボイラーによる熱供給などは、農業における脱化石燃料、脱炭素化の大変有望な技術になります。また、産業における廃熱の有効利用についても、余地がまだまだあると考えております。
今回の法改正に熱利用に関する提案が含まれていないのはなぜでしょうか。熱利用に関してどのように進めていくのか、経産大臣にお伺いをいたします。
政府は、水素、アンモニアの利用を進めようとしています。化石燃料由来の水素、アンモニアまでも非化石エネルギーと称して海外から輸入してまで利用する施策には合理性がなく、賛成できません。化石燃料由来の水素やアンモニアでは、ライフサイクルで見るならば、CO2の排出量は化石燃料をそのまま利用するのと変わりがありません。
そもそも、水素、アンモニアの用途については、その特性が生きる分野に限定すべきです。電気への置き換えが難しいセメントや製鉄など産業分野、大型船舶などの用途に限定して再生可能エネルギー由来で作られた水素を活用していくことが、水素、アンモニアの活用のあるべき姿です。化石燃料利用の延命のためだけの水素、アンモニア利用については見直すべきです。
水素、アンモニアの活用の意義、方向性について、改めて経済産業大臣にお伺いいたします。
エネルギー転換は、技術の問題であるとともに、雇用の問題です。社会の構造変革の問題であります。産業革命に匹敵するような脱炭素社会への大転換に伴い、多くの働く皆様がこれまでの仕事から新しい仕事への転換を迫られることになります。
いわゆる雇用の公正な移行の実現が政治に課された課題であると認識しております。脱炭素社会の実現が国民一人一人にとってチャンスであるようにしなければなりません。経済産業大臣の見解を求めます。
化石燃料の過剰な利用が気候変動を激化させ、その影響が未来世代の生存を脅かすこととなっています。原子力発電では、東京電力福島第一原発事故により、この先四十年、五十年、それ以上の長きにわたる放射能汚染との闘いを未来世代に強いることとなりました。使用済み核燃料については、最終処分のめども立たないまま、十万年にも及ぶ管理を未来の世代に委ねることになります。
これまでの私たちのエネルギー利用は正しかったのか、未来世代の目線で改めて見直すときではないでしょうか。持続可能で環境調和のエネルギー社会を実現することは、未来世代に対する私たちに課せられた責任です。今こそ、エネルギーシフトを政治の意思として決断すべきときです。
未来世代への責任をどのように果たすのか、経済産業大臣にお尋ねをいたしまして、私の質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔国務大臣萩生田光一君登壇〕