萩生田光一の発言 (本会議)
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○国務大臣(萩生田光一君) 山崎議員の質問にお答えいたします。
電力需給逼迫及び資源価格、電気料金の情報の取扱いについてお尋ねがありました。
先日の電力需給逼迫の対応については、現在、審議会において検証を行っています。透明性を確保しながらデータに基づく分析を進め、検証結果を公表します。
資源価格については、国際的な市場取引を通じて、基本的には需要と供給のバランスによって決まるものですが、引き続きその動向を注視します。
電気料金については、従前より、急激な価格高騰に備えた仕組みが導入され、毎月、その料金水準が公表されているところであり、引き続きしっかりと情報公開に努めてまいります。
再生可能エネルギーへのシフトについてお尋ねがありました。
再エネについては、エネルギー基本計画で掲げたSプラススリーE、すなわち、安全性、安定供給、経済効率性、環境適合を大前提に、主力電源化を徹底し、国民負担の抑制と地域との共生を図りながら最大限の導入を促し、二〇三〇年度三六%から三八%という野心的な目標の実現に向け、強力に推進します。
このため、関係法令遵守など事業規律の確保を前提に、公共施設などへの最大限導入や、系統の利用ルール見直しなどを促進します。
一方、SプラススリーEの全てを満たす完璧なエネルギー源が存在しないことを踏まえれば、再エネだけで全てのエネルギーを賄うことは難しく、原子力、火力、水素、CCUSなど、あらゆる選択肢を追求してまいります。
省エネの推進についてお尋ねがありました。
エネルギー基本計画では、二〇三〇年度に、オイルショック後の二十年間で達成した三五%を上回る、四〇%程度の効率改善に相当する省エネを目標としています。
このため、今回、省エネ法を改正し、業種ごとに目指すべき省エネ目標であるベンチマーク基準を法律上に位置づけ、エネルギー多消費産業を中心に、取組を更に促していきます。
また、トップランナー基準などの取組強化や、省エネ技術の開発、省エネ型設備の更新支援、電気自動車等の導入支援などに取り組みます。さらに、住宅、建築物のゼロエネルギー化に向けた支援など、関係省庁と連携して取り組んでまいります。
太陽光への偏重の現状についてお尋ねがありました。
二〇三〇年三六から三八%という野心的な導入目標の実現には、二〇三〇年まで十年弱という時間軸を考えると、運転開始までの期間が短い太陽光発電の導入拡大は不可欠です。実際、再エネ特措法に基づく支援により、この十年間で、太陽光は、中国、米国に次ぐ水準にまで導入量が拡大しました。
他方で、地域におけるトラブルや出力の変動といった課題があることも事実であり、こうした課題に対処し、地域の理解が得られるよう、適地での導入を進めます。
加えて、野心的な導入目標の実現のため、洋上風力や地熱等、他の再生可能エネルギーについても導入に向けた取組を進めます。
再エネ目標の妥当性についてお尋ねがありました。
二〇五〇年カーボンニュートラル、二〇三〇年四六%削減の実現に向けて、再エネ最大限導入に取り組むのが基本方針です。
しかし、この目標実現には、太陽光発電や風力発電の出力変動への対応、山がちな我が国でいかに適地を確保していくかといった様々な課題が存在しており、その達成は容易ではありません。
こうした課題を克服すべく、蓄電池の低コスト化や導入拡大によって調整力を確保するとともに、地域と調和可能な平地での太陽光や陸上風力に加え、洋上風力の拡大も併せて進めるなど、関係省庁と連携して取り組んでまいります。
災害に対する原子力発電の脆弱性についてお尋ねがありました。
原子力発電所については、原子力規制委員会による設置許可に基づき、一定以上の地震動を察知した際に、速やかに原子炉の運転を停止するものと承知しています。
加えて、新規制基準では、地震を含め自然災害の想定と対策が大幅に引き上げられるとともに、万一重大事故が発生した場合に備え、その進展を食い止める対策も求められています。
このように、原子力規制委員会により新規制基準に適合していると認められ、再稼働した原子力発電所については、地震などの自然災害に対して安全性確保に必要な備えを有していると承知しております。
原子力発電所に対する武力攻撃への対策についてお尋ねがありました。
原子力発電所の安全の確保は、原子力規制委員会が規制する発電所の設備上の対応だけでなく、事態対処法や国民保護法の枠組みでの措置など、警察、自衛隊を始め関係省庁、関係機関が連携して対応することとしています。
その上で、関係省庁、機関が連携し、対応を不断に検証し、改めるべき点は改善していくことで、安全の確保に万全を期す必要があります。
なお、原子力の安全規制については、高い独立性を有する原子力規制委員会が一元的に所掌することとされており、経済産業省が意見を申し上げることは適切ではないと考えています。
原子力発電所の安全についてお尋ねがありました。
原子力発電所の安全の確保は、原子力規制委員会が規制する発電所の設備上の対応だけでなく、事態対処法や国民保護法の枠組みでの措置など、警察、自衛隊を始め関係省庁、関係機関が連携して対応することとしています。
SプラススリーEの全てを満たす単一の完璧なエネルギー源が存在せず、今後の技術革新などの不確実性を踏まえれば、原子力を含めたあらゆる選択肢を追求することが重要です。原子力は、数年にわたって国内保有燃料だけで生産が維持でき、かつ実用段階にある脱炭素のベースロード電源であり、安定供給の観点からも活用していく必要があります。
法改正案における熱利用の位置づけについてお尋ねがありました。
熱は最終エネルギー消費の多くを占めており、現行省エネ法においても、廃熱の回収利用を事業者が実施すべき省エネ取組として既に法律上位置づけ、取組を促しています。
加えて、改正法案では、一定規模以上の事業者に対し、化石燃料起源の熱からバイオマス等の非化石燃料起源の熱への転換などを含む中長期計画の作成義務などの措置を講ずることとしております。
また、高効率バイオマスボイラーや、廃熱を有効利用するための設備投資への補助、未利用熱活用に関する技術開発などを進めてまいります。
水素、アンモニアの意義、方向性についてお尋ねがありました。
水素、アンモニアは、ゼロエミッション火力への転換の鍵となるものです。加えて、幅広い分野で脱炭素化を可能とする、カーボンニュートラルに不可欠なエネルギーです。
そのため、水素、アンモニアの大規模な製造、運搬、利用技術の確立やサプライチェーンの構築を一体的に進めます。
その際、まずは、水素の由来を問わずに活用を進め、確たる需要をつくり上げることが重要と考えておりますが、CO2を処理していない水素を永続的に使い続ける考えはありません。インフラ整備やコスト低減等の進展状況を見つつ、速やかに水素、アンモニア全体のクリーン化を目指してまいります。
脱炭素に伴う新たな仕事への転換についてお尋ねがございました。
脱炭素化による今後の産業構造転換に当たり、新たなニーズに対応した人材育成を進め、円滑な労働移動を図っていくことが重要です。
足下では、リスキル講座の認定等を通じ、自動運転分野など脱炭素化に係る新たな成長分野へのリカレント教育を支援しています。
関係業界とも対話を重ねながら、脱炭素化により生まれる新たなニーズを捉えた人材育成や労働移動について、関係省庁と連携して取り組んでまいります。
未来世代への責任についてお尋ねがありました。
エネルギーは、全ての社会経済活動を支える土台です。すぐに使える資源が乏しく、自然エネルギーを活用する条件も諸外国と異なる我が国では、将来世代への責任を果たすためにも、国際競争力の維持強化と国民生活の向上を図るため、安定的で安価なエネルギー供給の確保が重要です。
その上で、人類共通の喫緊の課題である気候変動問題に対応するため、二〇五〇年カーボンニュートラルや二〇三〇年度四六%削減の実現に取り組みます。
我が国の置かれた状況を冷静に受け止め、安全の確保や様々なリスクへの備えを大前提として、エネルギー政策を進めてまいります。(拍手)
〔国務大臣山口壯君登壇〕