本村伸子の発言 (本会議)

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○本村伸子君 私は、日本共産党を代表して、刑法等の改定案に反対の討論を行います。(拍手)
 本法案は、侮辱罪の法定刑に懲役、禁錮を追加する等の厳罰化をするものです。悪質な誹謗中傷対策として持ち出されたものですが、言論、表現を処罰の対象としながら、具体的にどのような表現が侮辱に当たるのかは、審議を通じても全く明らかになっておりません。
 侮辱罪は、一八七五年に布告された讒謗律に由来し、新聞紙条例とともに、自由民権運動の弾圧に用いられました。
 今日においても、北海道警察やじ排除事件に見られるように、捜査当局が政治的な表現の自由を侵害しています。地裁判決は警察の行為を違憲、違法と判断しましたが、政府は全く反省しておりません。
 権力者や政府の政策に対する批判、批評を侮辱と認定し、捜査当局が恣意的な判断をしないとなぜ言えるのでしょうか。
 しかも、本法案は、現行犯逮捕や教唆、幇助をした人の処罰を可能としています。例えば不起訴になったとしても、現行犯逮捕のインパクトは自由な言論、表現に対する脅威となり、言論活動の萎縮を招くことは明らかです。到底許されるものではありません。
 本法案は、現行の懲役刑と禁錮刑を廃止し、新たに拘禁刑を創設します。現行法は、懲役については作業を義務づけていますが、禁錮については作業を義務づけておりません。ところが、本法案は、刑事施設長が自由裁量で全ての受刑者に対して作業と指導を義務づけます。一九〇七年に制定された刑法典の刑罰体系を根本から変え、厳罰化するという重大な改定です。
 国連が被拘禁者処遇の最低基準を示したネルソン・マンデラ・ルールズは、犯罪をした人が社会に再統合されるようにすることが必要であると、刑務当局に対して、受刑者に適切かつ利用可能な教育そして職業訓練、作業その他援助を提供する義務を課しています。ゆえに、日本における作業の強制に対して、国連社会権規約委員会は、矯正の手段又は刑としての強制労働を廃止し、関係規定を修正、廃棄するよう勧告しているのです。
 作業、指導を強制することは、受刑者の社会復帰に効果がないだけではなく、矯正実務にも大きな影響を及ぼします。
 本法案は国際的な人権保障の流れに逆行するものであり、断じて認められないということを強調し、討論といたします。(拍手)

発言情報

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発言者: 本村伸子

speaker_id: 33778

日付: 2022-05-19

院: 衆議院

会議名: 本会議