岸田文雄の発言 (本会議)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○内閣総理大臣(岸田文雄君) 金村龍那議員からの御質問にお答えいたします。
 防衛費の増額についてお尋ねがありました。
 我が国の安全保障環境が一層厳しさを増す中で、まず行うべきことは、国民の命や暮らしを守るために何が必要なのか、具体的かつ現実的に議論し、積み上げていくことです。
 その結果、防衛力の抜本的強化に当たって必要となるものの裏づけとなる予算をしっかり確保していく考えであり、こうした観点から、先般の日米首脳会談では、防衛費の相当な増額を確保する決意を述べたところです。
 こうした考え方の下、防衛費の内容や規模について、新たな安全保障戦略等の策定、また今後の予算編成過程を通じて検討し続けていきたいと考えております。
 また、核共有及び専守防衛についてお尋ねがありました。
 核共有については、非核三原則や原子力基本法を始めとする法体系との関係から認められず、政府として議論することは考えておりません。
 専守防衛は、憲法の精神にのっとった我が国防衛の基本方針であり、今後とも、専守防衛の定義を変更する考えはありません。
 いずれにせよ、国民の生命と財産を断固として守り抜くため、新たな国家安全保障戦略等を策定し、我が国自身の防衛力を抜本的に強化していきます。同時に、日米同盟の抑止力、対処力を一層強化していきたいと考えます。
 憲法改正についてお尋ねがありました。
 現行憲法については、今の時代にふさわしいものであり続けているかどうか、与野党の枠を超え、積極的な議論が行われることが重要であると考えており、お尋ねの憲法改正案も含め、憲法審査会で議論が重ねられていることを歓迎したいと思います。
 今、内閣総理大臣の立場からは、憲法改正の議論の進め方あるいは内容について直接申し上げることは控えなければならないと思いますが、憲法の在り方を決めるのは国民の皆様でありますので、憲法改正に関する国民的議論を喚起し、国民の理解を深めるため、引き続き、憲法審査会においてしっかりと議論を深めていくことが重要であると考えます。
 予備費、対策の効果、そして構造改革についてお尋ねがありました。
 今般の補正予算は、今後の災害、新型コロナの再拡大、原油価格、物価の更なる高騰等による予期せぬ財政需要に迅速に対応し、国民の安心を確保するために必要なものだと考えております。
 今般の総合緊急対策においては、家計にとって重大な問題であるガソリン価格や小麦価格の国内価格の上昇を抑制するとともに、コロナ禍において物価高騰等に直面し、真に困窮されている方々の生活を守るためのきめ細かな支援を行うこととしております。御党の対策とは考え方は異なりますが、政府としては、これらを迅速に実行することで、国民生活を守り抜くとともに、コロナ禍からの経済社会活動の回復を確かなものとしてまいります。
 その上で、新しい資本主義の下、賃上げ、人材投資といった人への投資や、気候変動など我が国の社会課題を投資分野とすることで、社会課題を克服しながら、持続可能な経済成長を実現していく考えです。さらに、この夏の参議院選挙後には、新しい資本主義のグランドデザイン、また骨太の方針、こうしたものに基づく総合的な方策を具体化し、エネルギー分野を含め、経済社会の構造変化を日本としてリードしていきたいと考えております。
 新しい資本主義の具体像についてお尋ねがありました。
 新しい資本主義については、六月にもグランドデザインと実行計画を取りまとめ、具体像をお示しいたしますが、その際に私が重視するのは、人への投資、科学技術・イノベーションへの投資、スタートアップ投資、そしてグリーン、デジタルへの投資などの柱であり、これらの成長戦略によって、国内外から投資を促すとともに、企業の生産性向上や競争力の抜本的な強化につなげてまいります。
 今後の金融所得に対する課税の在り方については、令和四年度の与党税制改正大綱において、様々な観点を踏まえ、総合的に検討していくということとされています。分配戦略において、各施策を進めていくためには順番が大切であり、まずは実際の所得を底上げする施策に重点を置いてまいります。政策に一貫性を欠くという指摘は当たらないと考えております。
 勤労者皆保険と消費税についてお尋ねがありました。
 先般取りまとめられた全世代型社会保障構築会議の中間整理を踏まえ、まずは、令和二年年金制度改正法に基づき、被用者保険の適用拡大を着実に実施し、さらに、企業規模要件の撤廃も含めた見直しや非適用業種の見直し等の検討を行ってまいります。
 さらに、フリーランスなどを含め、より幅広い社会保険の適用の在り方について総合的な検討を進めることにより、勤労者皆保険の実現に向けた取組を進め、働き方に中立的な社会保障制度を構築してまいります。
 また、消費税については、社会保障の財源として今後も重要な役割を果たすべきものと考えていますが、当面、消費税について触れることは考えておりません。
 原発再稼働への見解と安全審査の効率化についてお尋ねがありました。
 原子力は、安定供給、経済性、脱炭素等の観点から重要な電源であり、特に、現下のエネルギーの供給制約や燃料価格の高騰が続く中で、安全性を大前提として、最大限活用していく必要があると考えています。
 原子力発電所の再稼働については、独立した原子力規制委員会が新規制基準に適合すると認めた場合に、その判断を尊重し、地元の理解を得ながら進めるというのが政府の方針です。
 原子力発電所の安全審査の効率化については、過去の審査における主要な論点などを公表することによる事業者の予見性の向上、審査内容が共通する案件を同じチームで担当するなど審査官の機動的な配置といった様々な取組を原子力規制委員会において行い、これまで以上に効率化に努めていくものと承知をしております。
 新型コロナの感染症法上の位置づけについてお尋ねがありました。
 新型コロナについては、オミクロン株であっても、致死率や重症化率がインフルエンザよりも高く、更なる変異の可能性もあります。仮に五類にした場合、入院措置ができなくなるだけでなく、健康状態の報告、把握、自宅療養や外出自粛等の要請ができなくなります。このため、平時への移行期間として最大限の警戒局面にある現時点で五類に変更することは、現実的ではないと考えています。
 引き続き、最大限の警戒を保ちつつ、今後の感染状況等も踏まえ、専門家の意見を伺いながら、社会経済活動の回復に向けて取組を進めてまいります。その中で、感染法上の分類の見直しについても議論を続けてまいりたいと思います。
 拉致問題についてお尋ねがありました。
 政府としては、拉致被害者として認定された十七名以外にも北朝鮮による拉致の可能性を排除できない行方不明者が存在するとの認識の下、認定の有無にかかわらず、全ての拉致被害者の安全確保及び即時帰国のために全力を尽くしてまいります。
 拉致被害者の認定については、北朝鮮側に反論する材料を与えないように慎重に対応しているところであり、拉致の可能性を排除できない行方不明者の方々の家族に対しては、拉致問題担当大臣がお会いしてお話をお伺いさせていただいているところであります。
 今後とも、情報提供や要望の聴取など、御家族の気持ちに寄り添い、丁寧な対応に努めてまいります。
 文書通信交通滞在費についてお尋ねがありました。
 文書通信交通滞在費については、御指摘の改正法の成立により、まずは名称を調査研究広報滞在費に改め、日割り計算による支給が可能とされたところ、引き続き、使途公開等について与野党の間で議論をいただいているものと認識をしています。
 本件は、議員活動の在り方に関わる重要な課題であることから、引き続き、各党各会派における真摯な議論を通じて、合意を得て、全議員共通のルールをつくることが大事であると考えております。(拍手)
    〔議長退席、副議長着席〕
    ―――――――――――――

発言情報

speech_id: 120805254X02920220525_025

発言者: 岸田文雄

speaker_id: 6324

日付: 2022-05-25

院: 衆議院

会議名: 本会議