泉健太の発言 (本会議)
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○泉健太君 立憲民主党・無所属を代表し、岸田内閣不信任決議案について、提案の趣旨を説明いたします。(拍手)
まず、決議の案文を朗読します。
本院は、岸田内閣を信任せず。
右決議する。
〔拍手〕
まず、この不信任決議案の提出に至った大きな理由の一つは、補正予算における岸田内閣の無為無策ぶりにあります。
三月から円安が大きく進行し、我が国が金融政策を変えない限り、物価高騰が予想される環境が生まれました。そして、現に、企業経営や国民の日常生活、買物に関わる品目の物価上昇は顕著になってきたのです。こうした中で、唯一の頼みの綱であったのが今般の補正予算でありました。
しかし、岸田内閣が提出してきた補正予算は、これまでのガソリン補助金の延長予算と、何に使うか決まっていない予備費の積み増しのみ。食料品の値上げ対策も年金生活者支援策も何も含まれていない、無為無策の補正予算であったのです。
岸田総理、あなたは現在進んでいる物価高をどう評価していますか。円安放置の岸田内閣、黒田日銀総裁の下で、円安は更に進行し、現在、二十年ぶりに百三十四円の水準となっています。六月以降の値上げ品目は計一万点を超え、まさに岸田インフレ、黒田円安が起きている、そう思いませんか。
かつて、狂乱物価と名づけたのは、福田赳夫元総理でありました。岸田総理、あなたはこの物価高を何と名づけますか。それとも、名前をつけるほどの物価高ではないと考えているのですか。
議場内の皆様、内閣の役割とは何たるか。国民が安心して暮らせる政治を行う、そのために憲法によって行政権を与えられているのが内閣ではないですか。
岸田内閣は、国民に生活の安心を届けることができず、むしろ、生活の不安、先行きの不安を高めています。安心を届ける重要な機会であった補正予算においても経済無策を続け、国民生活の苦境を放置しているのは許されないのであります。この内閣不信任決議案の提出は、国民生活を物価高から守る、その政治に切り替えるための手段なのです。
自民党にも、今般の補正予算の時期、内容、規模には首をかしげた議員も多いのではないでしょうか。疑問を持った議員も多いと思います。当然、野党議員の中でも、あの補正予算は不十分であった、そして、骨太の方針は骨細の方針に見える、こういう議員もおられるでしょう。それが素直な判断だと思います。であるならば、声を上げるべきに声を上げるべきなのです。
立憲民主党は、ただひたすらに国民のために働きたい。上げるべき声を上げ、国民の声を国民のために訴える党であり続けます。だからこそ、この不信任決議案を提出いたしました。
国民は物価高で苦しんでいます。政府は国民に物価対策を届けていないのです。これにより、消費が低迷し、日本経済に打撃となる可能性があります。その事実を国民に伝え、国民の皆様の意思によって政治を動かせる、数少ない、いや、非常に限られた機会がこの不信任決議案なのです。議場の皆様、この国民のために声を上げるべき局面に、共に真剣に声を上げていただきたい、物価高と戦う議員でいていただきたい、このことを切に願うものであります。
立憲民主党の議員は、この姿勢を明確にいたします。物価高と戦います。国民生活を守ります。おかしい経済運営には、おかしい経済対策には、声を上げ、それを変える挑戦をいたします。
どうせ否決されるのだからパフォーマンスだ、結果が分かっているのに無駄だ、こうしたやゆがどんなに恐ろしいことであるかを我々議員は認識すべきです。
与野党の議席差は確かに明らかです。しかし、採決結果が分かっているからと、少数会派の議員立法も、あるいは政府提出法案の採決も、パフォーマンスだ、無駄だと言ってしまってよいわけはありません。そんな議会が我々の目指す議会のはずはないのです。意見表明の機会を軽んじ、議論をやゆし、単純さや手っ取り早さばかりを求める、これこそ危険な考え方ではないでしょうか。
どうか、議会という場で、民主主義を守るため、立憲主義を守るために歴史が築き上げてきたルールを軽視しないでいただきたい。慣例行事だとか政局だとかとやゆするのは簡単です。しかし、そうではないんです。国民生活を守りたいと考える政党が、物価対策を講じるべきだと考える政党が、国会が定めている権利を行使して、各党各会派に信を問うています。その行為を軽んじないでください。これを軽んじるということは、自らを軽んじるということになってしまいます。
立憲民主党は、改めて、物価高と戦い、国民生活と日本経済を発展させていくために、岸田内閣を継続させてはならない、その姿勢でこの不信任決議案を議場の皆様に問いたいと思います。
総理、先ほど述べたように、価格引上げ品目は一万点を超え、資材、食料、あらゆる品目に及んでいます。タマネギの値段は昨年の二倍、ジャガイモもカレールーも値上がり、ガス代も値上がりしている。カレーライスを作るにもちゅうちょする家庭が相次ぐほどの物価高です。立憲民主党が全国の街頭で行っている物価アンケートにも、次々と声が集まっています。
他方、日銀黒田総裁は、日本の家計の値上げ許容度は高まってきていると述べ、後に撤回をしました。賃上げ以上に値段が上がったら、我慢して支出を抑える、これが国民の普通の物価感覚です。黒田総裁が国民の物価感覚を分かっていないならば、物価の番人として失格なのではないでしょうか。
今の物価高は、原油高そして円安によるものです。岸田内閣がアベノミクスを続け、日銀が異次元の金融緩和を続けていることによる、岸田インフレそして黒田円安そのものなのです。
我々立憲民主党は、国民生活を守り、物価高と戦うための提案を続けてきました。アベノミクスの見直し、具体には政府と日銀の共同声明の見直し、そして消費税の時限的な五%への引下げ、国内消費の九割を占める輸入小麦価格の引下げ、また年金生活者への上乗せ給付など、政府が物価対策を講じるべきなのです。なのに、岸田内閣は、ガソリン補助以外、経済無策なのであります。
総理の経済無策は、今ほどお話をした小麦価格に対する認識不足にも表れています。総理は、六月一日の予算委員会で、小麦の政府売渡価格の維持をしていると答弁しましたが、これは誤りです。今年四月の輸入小麦の政府売渡価格は、一七・三%上昇をしています。
総理、二〇〇八年、当時の福田康夫内閣でも政府主導で輸入小麦の値上げ幅を圧縮したのを御存じでしょうか。福田内閣が当時実施したことすら、この物価高で、今、岸田内閣は行おうとしていないのであります。こうした無策が、現在のパンやカップラーメンの値上げにつながっているんです。
さらに、輸入小麦だけではありません。一部の輸入肥料原料は九割以上の値上げとなっています。打撃を受ける農業、畜産業への対応も遅過ぎます。
立憲民主党は、ガソリンなど、輸入価格が昨年秋から上昇傾向にあったことから、トリガー条項を発動する、そして補助金を増額するよう求めてきました。しかし、岸田内閣は、令和四年度本予算で数か月分の予算しか確保せず、結果、本予算成立後たった二か月で追加の補正予算を組むこととなりました。当初予算を修正しなかった責任そのものを直視すべきです。
また、立憲民主党は、進行する円安と物価高と国内の需給ギャップを踏まえて、四月八日に、約二十一兆円の緊急経済対策を発表いたしました。しかし、岸田内閣はどうだったか。補正予算の提出は五月下旬と遅く、その規模は、年金減額対策も食材値上げ対策もない、たった二・七兆円。余りに遅い、小さい、さらに、中身のない補正予算だったのではないでしょうか。これは、他の野党からも指摘がなされております。
岸田内閣の責任は、それだけではありません。
岸田内閣は、予備費の使用は、国会開会中はこれは行わないとの閣議決定を明確にほごにしました。議場内の皆様、予備費を国会開会中に支出し、それを補正予算で埋め戻す、議会人の良識として、この行為は財政民主主義の軽視ではありませんか。どうか、この不信任決議案に賛成をしていただきたいと思います。国権の最高機関、この国会の監視力低下につながる行為を簡単に許してはなりません。どうか、自民党の皆さんも、胸に手を当てて考えていただくべきではないでしょうか。
加えて、補正予算における新型コロナウイルス感染症及び原油価格・物価高騰対策予備費、これは何なのでしょうか。コロナか物価高に関する支出が国会審議を経ずに可能になる、これは議会軽視と言わずして何と言うか。こうした補正予算を提出した岸田内閣は、まさに不信任に値します。我々国会議員は、異常な予備費に慣れてしまうゆでガエルであってはなりません。財政民主主義を守るために、今こそ、衆議院は、気概と矜持を持って、党派を超えてこの不信任案に賛成しようではありませんか。
続いて問われるべきは、期待外れの新しい資本主義です。
昨年の総裁選で総理が最も強調したのが、新しい日本型資本主義でありました。総理は、公約の中で、成長と分配の好循環による新しい日本型資本主義を構築し、全国津々浦々、成長の果実を実感していただくとしました。
しかし、総理、国民が実感したのは、成長の果実ではなく、物価高ではないでしょうか。まさに岸田インフレによる物価高を国民は実感しているのです。
それに加え、多くの国民は、格差と分断からの脱却、そして実質賃金低迷を招いたアベノミクスからの脱却を期待したにもかかわらず、総理は、進行する円安に対処せず、アベノミクスからの異次元の金融緩和を放置しています。これではアベノミクスそのものではないでしょうか。総裁選のときの脱アベノミクスは大きく裏切られています。
総理の口にする倍増の余りの軽さも看過できません。
まず掲げた令和版所得倍増は、岸田内閣発足の僅か十日後に、山際経済財政担当大臣が、令和版所得倍増というのは所得が二倍になるという意味ではない、文字どおりの所得倍増というものを指し示しているものではなくて、多くの方が所得を上げられるような環境をつくって、そういう社会にしていきたいということを示す言葉だと言下に否定をしました。多くの国民があきれ果てたのではないでしょうか。昭和の所得倍増計画を唱えた宏池会の創設者、池田勇人首相をも汚す看板倒れぶりです。そもそも発足後たった十日で自らの看板政策を骨抜きにさせた内閣であることを我々は認識すべきではないでしょうか。
その後も、総理の懲りない倍増は繰り返されています。子育て、若者世代の世帯所得に焦点を絞って倍増、子供、子育て予算倍増。もうほとんどの国会議員が、そして国民が、総理の繰り返す倍増論にあきれているのではないでしょうか。議場の皆様、皆様は真剣に予算の倍増だと受け止められていますか。
表現は稚拙かもしれませんが、倍増という言葉を多用していると。率直ですね。これが総理の答弁です。議場の皆さん、私たちは、このように倍増という言葉を軽々しく使う総理を選出したことを悔いるべきではないでしょうか。
そしてさらに、先月、岸田総理は、またしても倍増、資産所得倍増を打ち出しました。所得倍増はいつの間にか資産所得倍増に変容し、多くの国民が希望を抱いた所得倍増ではなく、投資資金のある方々のみの資産倍増へと大きく政策を変えました。これでは、多くの国民が希望を抱いたものではありません。分配を軽視し、格差を拡大させ、国民が分断をされる。まさに、アベノミクスの弊害が継続されようとしています。
格差を縮小させ、中所得層を増やすことで消費を増やし、持続的な経済成長につなげていくというのは、もはや先進国の常識であります。立憲民主党は、そうした方向性の政策として、金融所得課税や所得税の累進性を高める、真の再分配を提案しています。
当初の、分配なくして次の成長なしが、今回の骨太方針から消えました。逆に、骨太方針には、今後とも、大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略を一体的に進める経済財政運営の枠組みを維持。これが何を指すか、皆さんお分かりだと思います。まさにアベノミクス三本の矢と全く一言一句同様の文言が掲載されています。まさにアベノミクスの堅持であります。
新しい資本主義が国民の想定と大きく異なるものとなったことは明白ではないでしょうか。倍増が言葉本来の意味を失い、看板政策の新しい資本主義には分配政策が乏しく、格差を広げるアベノミクスが継続をされる。内閣不信任に値するのは明白です。
内閣不信任の理由の三つ目は、これも予算を倍増すると言っていた子供、子育て政策が全く不十分な点であります。
総理、この三十年をどう総括されますか。失われた三十年、人口減少の三十年、国際競争力を失った三十年。その三十年のほとんどを担ってきたのはどの政権ですか。
国家の安全保障の一つとも言える人口問題に、自民党はどう向き合ったのでしょうか。若者の不安定雇用を増やし、賃金を上げず、民主党政権の子ども手当には強硬に反対をし、経済格差を広げ、教育格差を広げました。今や、高校卒業時には安定した雇用を得られず、大学卒業時には奨学金という名の多額の借金を抱える若者が多数存在するようになってしまったのです。
にもかかわらず、総理は、ここでも、一月二十五日の予算委員会で、将来的に子供政策に関する予算倍増を目指すと宣言しながら、後に、質問主意書への返答として、こうした政策に向けて強い意思を示すことが大事と大幅にトーンダウンしました。全く具体的ではないことが明らかになりました。議場の皆様、こういうところが、まさに、この内閣、信任に値しないところではないでしょうか。
私たち立憲民主党は、教育の無償化を掲げ、給食費無償化、また大学や専門学校における国公立大学授業料分の無償化、また、現在中三までの児童手当を高三まで延長し、月額も一万五千円に増額をする、こうした、提出した法案を中心に、子供、子育て予算の倍増を更に進め、具体的な拡充策を提案しています。
骨太の方針の本文では、少子化対策、子供政策は人への投資としても重要であり、強力に進めると抽象的な表現で追加されただけであります。他の党の中にも、教育の無償化を目指している政党があるはずです。こうした今の岸田政権の、倍増とは強い意思を示すなどという意味の分からない姿勢で本当によいのか。改めて、皆様にこの不信任案への賛同を強く求める次第です。
更に許されないことは、今年十月から、児童手当特例給付が廃止され、約六十一万人の子供の児童手当が支給対象から外れるということです。どこがこどもまんなかなのでしょうか。立憲民主党は、所得制限なく全ての子供たちに児童手当を支給すべきだと強く抗議をいたします。
総理の度重なる政策変更も許容範囲を超えています。
昨年の臨時国会における十八歳以下を対象とした十万円給付では、岸田総理の打ち出したクーポン支給が、立憲民主党の指摘で、事務費だけで九百六十七億円もかかることが判明をし、二転三転の末に、現金一括給付が大勢を占めるということになりました。また、離婚世帯への未支給問題も、立憲民主党の主張で、全額国費給付にたどり着くことができました。そして、年金生活者への五千円給付も、まさに参院選を意識して突如与党から出された政策でしたが、その後、撤回されました。
岸田政権は、この物価高の中で、四月から支給が下がる年金生活者に向けて、何か代わりの政策、恒久的な年金生活者に対する対策を出してくるものと思っていた。しかし、結局、補正予算では何の対策も示されることなく、まさに物価に負ける年金となってしまっています。
こうした政策の度重なる混乱を続ける内閣を信任することはできません。
内閣不信任の理由の五つ目、それは、外交、安全保障の姿勢です。
総理、総理は誰の意思で外交を行っているのでしょうか。この緊迫した国際情勢の中で、自ら主体的に事態を打開する外交姿勢は残念ながら全く見られません。
ウクライナ侵攻が起きて以降に、欧米各国や中国、インドが次々とロシアと会談をし、ロシアともアクセスをする中で、一方で、岸田内閣はロシアと直接対話ができておりません。それどころか、ウクライナ侵攻が始まって以降、立憲民主党からも再三指摘をしているにもかかわらず、いまだにロシア経済分野協力担当大臣ポストを存続させているではないですか。
そもそも、岸田総理は、安倍政権時の外務大臣として、二〇一四年のロシアのクリミア侵攻にアメリカやEUが厳しい態度を示す中で、甘い姿勢に終始をし、安倍総理のプーチン大統領との首脳会談を幾度となく支え、北方領土における経済共同活動を先行させるという甘い考えで領土交渉を進めてきました。旧島民を中心とした返還運動は自粛を迫られる中で、実際には、北方領土の実効支配が進み、北方領土にロシアの地対艦ミサイルや地対空ミサイルが新たに配備されるなど、ロシアによる軍事拠点化は一層進んでいったのではないでしょうか。
これは取り返しのつかない歴史的大失態ではないでしょうか。今更、共同経済活動や八項目の協力プランを見合わせても、手遅れであります。この間、ロシアは憲法を改正し、領土の割譲を禁止し、ウクライナ侵攻後は日本を非友好国と指定し、北方領土への外国企業誘致を進める税制優遇を設けるなど、実効支配が強まりました。ロシアに対して政府予算二百億円以上を献上しただけでした。こうしたことへの総括も全くできておりません。
隣国中国についても、総理は、就任直後の儀礼的な電話会談にとどまり、これだけ国際情勢が激変をする中で、直接対話ができておりません。台湾有事を含めた一方的な現状変更を阻止する、三十年間で四十二倍に拡大した中国の軍拡を抑える、経済安全保障を担保しつつ、経済文化交流の安定性を高め、戦略的互恵関係を構築していく、こうした中国との関係は極めて重要でありながら、首脳会談は実現できておりません。
どんなときにあろうとも対話外交を重視する、これができないのであれば、総理は外交を担うに値しないと考えます。
同じように、安全保障政策。
安倍元総理が地方で講演をし、記事になった発言が自民党の政策となり、政府の文書に盛り込まれるということが相次いでおります。敵基地攻撃能力の保有、基地に限定せず指揮統制機能も攻撃をする、防衛費GDP比二%も、全て安倍元総理からの発信であります。
核共有については、自民党の安全保障調査会において、核を使用すれば核による報復が当然あり、核の配備先になれば真っ先に相手国から狙われるなど、実益が全くないことがはっきりしたということのようでありますが、あくまで防衛費は総額ありきではありません。
岸田内閣の、具体的に我が国の防衛に何が必要で幾らかかるのかを説明せぬまま、そして反撃能力とは何を指すのかの具体的説明もないまま、防衛費の相当な増額を進める姿勢、これは信任に値いたしません。
内閣不信任案の理由の一つ、これは、知床観光船事故に関するずさんな監査、また建設統計書換えという国土交通省の不祥事の続出です。
本年四月に発生した北海道知床半島沖における観光船事故においては、事故に遭われた関係者の皆様に心よりお悔やみとお見舞いを申し上げます。
このような事故が起きたことは非常に残念であり、現在まだ捜索が進行中ということであり、一刻も早い全員の発見、救助を望んでおります。
当該観光船会社は昨年五月と六月に二件の事故を起こし、国土交通省は特別監査に入りました。しかし、その監査やフォローについては、ずさんな点が多く、多数の問題点が浮上をしています。
岸田総理は、予算委員会において、特別監査等を通じて事業者の安全意識の欠如等を把握できなかったことは国土交通省として責任を十分に果たすことができていなかった、責任を感じるからこそ、二度とこのような事故を起こしてはならないと答弁されましたが、昨年の特別監査において厳格な検査や指導、処分が決めたとおりにきちんと実施をされていれば、このような痛ましい事故が起きなかった可能性もあります。
当該観光船会社の責任は言うまでもありません。しかし、運航を許可する側の役所としての安全意識、再発防止に向けた意識も欠如していたと言わざるを得ません。このようなずさんな監査をしていた内閣の責任も極めて重いのであります。
GDP算出に使われる重要な基幹統計の一つである国交省の建設工事受注動態統計調査において、同省の指示による書換えが二〇一三年から八年にわたり続けられていたことが発覚しました。
二〇一八年の毎月勤労統計不正問題発覚後に政府統計の一斉点検が行われたにもかかわらず、このような書換えが続いていたことは極めて残念であります。二〇二〇年十月には、管理職が認識をしていました。にもかかわらず、翌年春まで是正されることもなく、しかも、その理由は、責任追及を避けるためだったということで、まさに言葉もありません。
国交省が所管する分野は多岐にわたり、当然ながら、扱う統計の種類も多く、それらの統計が信用できないのであれば、予算を組むこともできず、また、政府への、更に言えば日本国の信頼失墜にもつながります。
昨今は、行政上のミスがあっても、国民への説明を避け、さらに隠蔽、改ざんする問題が相次いでいます。このような内閣に国のかじ取りを任せるわけにはまいりません。
七つ目の理由は、続出する政治と金の問題です。
岸田総理は、自民党総裁選に出馬をした際の公約の中で、政治と金の問題については、丁寧に説明し、透明性を確保しますと明確に打ち出しました。
しかし、大規模な買収事件で有罪判決が確定した河井夫妻、鶏卵業者から賄賂を受け取っていたとして収賄罪で起訴され、東京地裁で有罪を言い渡された吉川元農水大臣、UR口利き疑惑で説明責任を果たさず逃げ続け、小選挙区で落選をした元幹事長、こうした自民党の政治と金の問題は枚挙にいとまがありません。岸田総理は、同じ広島県選出であった河井夫妻の選挙買収に自民党から支給された一億五千万円の資金が充てられたのではないかという疑惑についても、いまだ説得力のある説明をしておりません。さらには、細田議長の選挙運動員買収が報じられています。
政治と金の問題については、岸田総理は、自民党総裁選で打ち出した公約を明確に破っているのであります。
以上、七点にわたり、岸田内閣、岸田総理が信任に値しない理由を述べてまいりました。以上を総括し、改めて、最後に申し上げます。
まず、重要政策に対し無策で、言葉が軽く、責任を感じられていないことです。物価高対策はガソリン補助だけ。所得倍増、子供予算倍増など、極めて重要な言葉が本来の意味を失ってしまっている。これでは、国民は何を信じればいいのでしょうか。
第二に、特技としていた聞く力は、既に国民の声を聞く力ではなく、アメリカ、日銀、安倍元総理、また輸出企業、こうした声ばかりを聞く力になってしまい、物価高に苦しむ国民の声を聞く力ではなくなってしまっています。
議場の皆様、岸田内閣は、我が国経済への認識、物価高に対する対応、補正予算、そして人口減少や教育格差など、我が国が直面している重要課題の解決姿勢から見ても、不信任に値することは明確であります。
改めて、皆様の御賛同を切にお願いし、提案理由の説明を終わります。(拍手)
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