荒井勉の発言 (環境委員会)
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○政府特別補佐人(荒井勉君) 公害等調整委員会は、公害に係る紛争の迅速かつ適正な解決を図るとともに、鉱業等と一般公益又は他の産業との土地利用に関する調整などを行うことを任務とし、総務省の外局として置かれている委員会でございます。
当委員会が令和三年中に行った公害紛争の処理に関する業務及び鉱業等に係る土地利用の調整に関する業務について御説明申し上げます。
まず、公害紛争の処理に関する業務について御説明申し上げます。
第一に、当委員会に係属した公害紛争事件についてでございます。
当委員会は、公害に係る紛争について、当事者からの申請に基づき、双方の互譲による合意を促して解決に導く調停、加害行為と被害との因果関係の存否や損害賠償責任の有無及び賠償額について法律判断を行う裁定等により事件の迅速かつ適正な解決に努めております。
令和三年に当委員会に係属した公害紛争事件は、調停が三件、裁定が五十九件、合計六十二件でございます。
主な事件としましては、横浜市の申請人らが、隣接する学校を運営する学校法人が行う大規模工事によって発生する振動及び騒音により、所有する土地、建物及び公衆用道路の損傷や生活環境が悪化する被害を受けたと主張して、当該因果関係の存在の確認を求めた原因裁定申請事件、埼玉県新座市の申請人らが、隣接する東京都東久留米市内の入浴施設からの騒音により精神的な被害を受けたと主張して、当該入浴施設の運営会社に対して防音壁の設置などの対策を求めた調停申請事件などがございます。
また、令和三年中に終結した事件は十一件でございます。
主な事件としましては、愛知県瀬戸市の申請人らが、所有する土地に越境して焼却残渣等を埋め立てられたことによりダイオキシン類による土壌汚染が生じたと主張して、隣接する一般廃棄物最終処分場を運営する衛生組合に対して損害賠償を求めるとともに、当該因果関係の存在の確認を求めた責任裁定及び原因裁定申請事件がございます。
本事件については、当該土地の一部の範囲にダイオキシン類が存在することは焼却残渣等の埋立てを原因とするものであることを認容する裁定を行いました。
また、東京都など六都府県の申請人らが、自動車からの排出ガスによって気管支ぜんそく等に罹患し、生きる権利の侵害及び医療費負担による精神的な被害を受けたと主張して、国に対して新たな大気汚染公害医療費救済制度の創設を、自動車メーカーらに対して同救済制度の財源負担を求めるとともに、両者に対して損害賠償を求めた調停申請事件がございます。
本事件については、約二年十か月にわたり主要論点について当事者双方から主張と証拠を聴取しつつ調整を試みましたが、当事者の主張や考え方に隔たりが大きく、合意が成立する見込みがないと判断し、調停打切りとなりました。
そのほか、水俣病損害賠償調停申請事件の調停成立後に症状が進行したとして慰謝料等の増額を求める申請が三件係属し、うち二件について手続が終了しております。
当委員会は、事件処理に当たり、多様化、複雑化する公害紛争への機動的かつ的確な対応を図るとともに、公害紛争処理制度の利用の促進に努めてまいります。
具体的には、地方に在住する当事者の負担を軽減するため、被害発生地などの現地で審問期日等を開催すること、事実関係を明らかにし、判断の精度を高めるため、事件調査の充実と専門委員の知見の活用を図ること、広報活動として、国民や法曹関係者、関係する相談機関に本制度を積極的に周知することなどがございます。今後もこうした取組を一層推進してまいります。
第二に、都道府県公害審査会等に係属した公害紛争事件についてでございます。
都道府県公害審査会等では、当該都道府県内における公害に係る紛争についての調停等を行っております。
令和三年には八十件の事件が係属し、公害の種類別では、騒音に関する事件が最も多くなっております。これらのうち、同年中に終結した事件は三十五件でございます。
第三に、全国の地方公共団体の窓口に寄せられた公害苦情の実態を調査いたしました結果、令和二年度の公害苦情の受付件数は、前年度から約一万一千件増加して約八万二千件となっております。
これを苦情の種類別に見ますと、大気汚染、水質汚濁、騒音、悪臭などいわゆる典型七公害に関する苦情は約五万六千件、それ以外の苦情は約二万五千件となっております。
当委員会は、今後とも、全国で発生する様々な公害関連の事案を全体として適切に解決する観点から、住民に身近な場で公害紛争や公害苦情の処理を担う地方公共団体への情報提供、相談支援などにも努め、緊密な連携を図ってまいります。
続きまして、鉱業等に係る土地利用の調整に関する業務について御説明申し上げます。
第一に、鉱業等に係る行政処分に対する不服の裁定に関する業務についてでございます。
当委員会は、鉱業法に基づく特定の許認可などの処分に不服がある者からの申請について裁定を行い、一般公益や他の産業との調整を図っております。
令和三年に当委員会に係属した事件は、三重県において、岩石採取計画認可申請を行った採石業者が、濁水処理対策の効果に疑念がある等として処分庁が行った不認可処分の取消しを求めた不服裁定申請事件及び本件裁定の結果に関係のある漁協等による参加申立て申請事件など四件でございます。
そのうち、例に挙げた事件は、採石業者と漁協等との間の利害の調整を進めたところ、処分庁が本件不認可処分を取り消し、新たに認可処分を行うに至ったため、申請人が申請を取り下げ、同年中に終結いたしました。
第二に、土地収用法に基づく意見の照会等に関する業務についてでございます。
土地収用法に基づく審査請求に対して国土交通大臣が裁決を行う場合などには、当委員会の意見を求めること等とされております。
令和三年に当委員会に係属した土地収用法に基づく意見の照会等は十三件であり、そのうち、同年中に処理した事案は七件でございます。
以上が、令和三年中に行った公害紛争の処理に関する業務及び鉱業等に係る土地利用の調整に関する業務の概要でございます。
続きまして、公害等調整委員会における令和四年度歳出予算案について御説明申し上げます。
当委員会の歳出予算額は五億五千万円でございます。
厳しい財政状況の中、公害紛争の迅速かつ適正な解決に資するよう、第一に、事実関係を明らかにする事件調査の実施経費として二千五百万円、第二に、地方に在住する当事者の負担を軽減するため、現地で審問期日等を開催する経費として一千万円をそれぞれ計上しております。
以上が、公害等調整委員会における令和四年度歳出予算案の概要でございます。
公害等調整委員会としましては、今後とも、新型コロナウイルス感染症の感染防止のための対策を講じつつ、これらの業務を迅速かつ適正に処理するため、鋭意努力してまいる所存でございます。何とぞよろしくお願い申し上げます。