吉野彰の発言 (資源エネルギーに関する調査会)
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○参考人(吉野彰君) 先ほどおっしゃったように、イノベーションを起こすためには、基礎研究の成果と、それから、それを量産に持っていくときのブレークスルーと、それからもう一つは、それはちゃんとマーケットが回っていますかというこの三つが必須条件ですね。
一番やはり難関は、その三番目のマーケットが本当にあるんですかという部分。これは誰も保証してくれません。それが一番つらいところなんですね。今回のカーボンニュートラルを目で見たときに、まず、最難関のマーケットはむしろ回っておるんですよね。ただ、誰もそれをよう実現できていないだけの話であって、これ間違いなくマーケットはあります。
それから、先ほどおっしゃった、じゃ、基礎研究レベルでのとんでもない発明なりが必要かというと、多分私はカーボンニュートラルにつきましては必要ないと思います。過去の古典的なサイエンス、特にケミストリーですよね、これをもう一度自分なりに見直して、それを現代版にどうアレンジし直すか、それがもうまさに今問われていると思うんですよね。
例えば、よく、今日も話に出てきた、水を電気分解して水素作ります、こんなもの、百年前のケミストリーですよ。十年前です、これをテーマに取り上げましょうと言ったら、もう笑われましたですよ。だけど、今は違いますよね。アンモニアの合成にしても全てそうです。いかにしてその現代版に置き換えるかなんですよね。
そういったことで、それは何を言っているかというと、要するに、マーケットはある、基礎技術もある、だけど量産技術がありません、ここだけなんですよね。これをやり遂げれる人材が今一番必要だと思います。
とはいえ、やっぱりそういうような量産でブレークスルーを起こそうとしますと、やっぱり基礎の分かっているやつでないとやっぱりできないんですよね。ですから、その基礎も分かりながら、世の中の仕組みも理解できて、なおかつ自分なりの独創的な発想を出せる人、こういう人を育てていかないといけないと思っております。
それは、アカデミアの中あるいは民間企業の中でも、そういう目標意識がちゃんとすれば自然に生まれてくると思いますと私は期待しております。