吉野彰の発言 (資源エネルギーに関する調査会)
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○参考人(吉野彰君) お答えさせていただきます。
基礎研究の在り方につきましては、いわゆる民間企業における基礎研究とアカデミアの基礎研究、ちょっと分けて議論した方がよろしいかと思います。
まず、今の民間企業での基礎研究の比率というのは、そう昔と大きく変わっていることはないと思います。今おっしゃいましたように、基礎研究といったものは十に一つ当たればいいぐらい確率の低いものでございます。通常、これは昔も今もそうだと思います、企業の場合、一つの研究所があれば、大体九十名ぐらいは目的研究、何かプロジェクトがあって、それを商品化に向けて動いていくと、そういう研究に携わっております。残り一〇%が大体基礎研究なんですね。その図式は今も昔も変わっておりません。
たかだか一〇%ですので、実は基礎研究にはそんなに金が掛からないんですよね、たった一〇%ですので。したがって、それをうまく運用して、十人おれば一人当たればいいぐらいのつもりでちゃんとそれを運営できているかどうかが今ちょっと問題になっているかと思います。
一方、アカデミアの基礎研究につきましては、これは私の前からの考え方なんですが、基本的には、全く目的とか何の役に立つかも一切無視して、もうまさに先生の好奇心に基づくような基礎研究を是非やっていただきたいというのが一つ。それからもう一つは、他方、当然アカデミアでも目的研究というのはあります。それはもう当然目標を達成しないといけないので、それに携わる先生方は逆にそれに徹底していただきたいと。
非常にちょっと私危惧しておりますのは、今のアカデミアの先生方、多分その真ん中辺りでうろうろされていると思います。徹底的に基礎研究をやるわけでもなく、かといって徹底的に目標を達成するために動くのでもなく、非常に迷っておられると思います。
ですから、国としてのそういう予算も含めたいろんな方向性を示すのであれば、もうまずはっきり分けてくださいと。あなたのミッションは役に立たぬ研究やってくださいと、極端に言いますとね。でも、あなた方はもう絶対一〇〇%の確率で成功してもらわぬといかぬのですよと。そういうような両輪で動くのが多分理想的だと思います。
無駄な研究というのは、例えば百に一つ当たれば全部ペイしますよ、百倍以上のリターン返ってきますのでね。ということは、九十九駄目なんです。ですから、その九九%を駄目だから予算切りましょうといったら、全て、百もゼロになっちゃいます。
したがって、そういうようなアカデミアに対してはできるだけもうきれいに分けてあげた方が先生方が非常に動きやすいと思います。