奈良林直の発言 (資源エネルギーに関する調査会)
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○参考人(奈良林直君) 奈良林です。
今非常にいい御質問をしていただいたというふうに思います。
この電力の安定供給ですね。実は、火力発電所、原子力発電所には大きな蒸気タービンがございます。実は、この蒸気タービンの回転エネルギー、イナーシャといいますが、その回転エネルギーが実は負荷変動を非常に吸収して安定化させています。全ての五十ヘルツ、六十ヘルツの蒸気タービンは、ちょうど時計の秒針のように、全部回転の、回転数のみならずその位相までぴったり一致して、まるで歯車でつながっているように回転しております。これによって電気が安定化しています。
今、これから脱炭素で石炭駄目、原子力もなかなか増えないとなると、系統が非常に不安定になります。一番分かりやすい例が、北海道の胆振東部の地震に伴って苫東厚真の火力発電所が落ちて、あのとき実は風車が回っていたんですけれども、その周波数が保てなくなったためにいきなりその系統から離脱してしまったという、それで大停電に至って相当な経済損失が生じました。
やはり、今ちょうど、例えば太陽光ですと原子力発電所のそばに結構その立地がされています。そうすると、原子力発電所をハブにしてそれに太陽光を接続すると、そこから大需要地までは送電線がございますので、そんなにそのコストを上げないでも送電ができて、しかも系統の安定化ができます。ですから、イナーシャを持った大きな蒸気タービンを回している原子力、火力というのは実は電力の安定供給にとって極めて重要でございます。
それから、非常に十五分、三十分、数時間といったオーダーで上がり下がりする太陽光あるいは風力に対しては、やはり火力のみならず原子力も負荷追従に対応すると、そういう機能を持たせる。今まではずっと一〇〇%で動いていましたけれども、それを太陽光が増えたら少し減らす、あるいは太陽光が減ってしまったら出力を上げる、こういう機能を持たせた原子力発電所の開発をしっかりやるということも、これは二〇三〇年以降の再エネがどんどん増えてきたときに我が国の電力系統を安定化する上で、しかも二酸化炭素を減らしていくと、そういう中で非常に重要な技術になってくると思います。
その中で今注目されているのがSMRというのがございまして、これは小型ですので負荷追従が非常にしやすいとか、それから万一の事故も自分で自ら冷やしてしまうという機能を持たせていますので、そういう面で、安定、安全ですね、そういった両方を満たす電源として位置付けられるかと思います。
その機能を既存の大型炉にもやはり反映する必要があると思います。ですから、そういう原子力発電所の安全性をきちっと確保しながら電力の安定供給もしていくというのが原子力の役割だというふうに考えております。
以上でございます。