山本敬三の発言 (消費者問題に関する特別委員会)

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○参考人(山本敬三君) 御指摘どうもありがとうございます。
 今御指摘いただいた部分、簡潔に書いておりますのでなかなか分かりにくいということではないかと思います。これは、この場におられる方々はリアルタイムで経験したことですのでお分かりいただけるだろうと思いますが、事前規制から事後規制へ、以前は、まあどこまで本当かは別として、行政による事前規制ががっちりと掛けられていて、その結果として自由な市場への参入等が阻害されていて、活力ある活動というのはできないと。で、入口はむしろ広げて、自由に活動してもらって、しかし事後的に問題のあるものはチェックを掛けるという、こういうような発想だったのではないかと思います。
 しかし、これは私法については後で申し上げますが、私のいる大学などもそれで設置基準が緩和されまして、参入が容易になった代わりに極めて厳しい事後規制でチェックが入るようになりまして、むしろ実感としては全部守らないといけなくなってしまったと。入口が入った後はむしろ信頼のあるものに委ねたのであって、自由な活動を促進するということだったはずなのに、事細かに全てチェックが入って、何かそれとそごを来していると事後的にサンクションが掛かってきてしまうと。それで、私自身は管理社会化という言葉を用いたわけですが、こういう側面が現に生じてしまっているのではないかと。
 これは公法的な規制についてかもしれませんが、私が民法学者としてより切実に思うのは、事前規制の、先ほど過剰なということを申し上げましたけれども、行政あるいは国が介入する以上、規律は明確なものでないといけないと。この考え方が事後規制の要である私法にまで及んできて、私法、民法も含めてですが、事細かな、かなり具体的な規定でないと駄目だというようになりつつある。その結果として、公正な紛争解決というものが実現しにくくなってしまっているのではないかと。
 先ほど、私、事業者の方の例を挙げました。実際の裁判例あるいは消費相談生活の事例を実際に見ていただきますと、やっぱりこれはかなりひどいものであって、この場合に無効や取消しというのを認めるべきだというのは事業者の側からもそれは分かると。しかし、それを実現するためにこの個別的な具体的なルールを作ろうとしますと、やはり過不足なくそれを定めるのが非常に難しくなってしまう。このジレンマにこのところずっと苦しんでいる状況ではないかなというふうに思います。
 そういう意味で、骨太と言うかどうかは別としまして、基本に立ち返って、私法の中の消費者契約法の役割というのをもう一度考え直していく必要がある。そこから説得しないと、なかなかこの理解が広まっていかないのではないかなと、そう考えた次第です。

発言情報

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発言者: 山本敬三

speaker_id: 14563

日付: 2022-05-18

院: 参議院

会議名: 消費者問題に関する特別委員会