金子原二郎の発言 (農林水産委員会)

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○国務大臣(金子原二郎君) 環境と調和のとれた食料システムの確立のための環境負荷低減事業活動の促進等に関する法律案につきまして、その提案の理由及び主要な内容を御説明申し上げます。
 近年、気候変動や生物の多様性の低下等、農林水産物及び食品の生産から消費に至る食料システムを取り巻く環境は大きく変化しています。そのため、農林水産省においては、令和三年にみどりの食料システム戦略を策定し、農林漁業及び食品産業における環境への負荷を低減していくこととしました。将来にわたり農林漁業及び食品産業の持続的な発展と食料の安定供給の確保を図るためには、農林水産物等の生産から販売に至る各段階で環境への負荷を低減し、当該農林水産物等の流通及び消費が広く行われる環境と調和の取れた食料システムを確立することが必要となっています。特に農林漁業は環境の変化による影響を受けやすい産業であり、その持続的な発展を図るためには、環境への負荷の低減の取組を促進することが重要となっています。
 このような状況を踏まえ、農林漁業及び食品産業の持続的な発展、環境への負荷の少ない健全な経済の発展等を図る観点から、農林漁業者、食品産業者の事業者、消費者等の食料システムの関係者が取り組むべき視点を基本理念等として定めるとともに、農林漁業に由来する環境への負荷の低減を図るために行う事業活動等に関する計画の認定制度を設け、認定を受けた者に対する特別の支援等の措置を講ずるため、この法律案を提出した次第であります。
 次に、この法律案の主要な内容につきまして、御説明申し上げます。
 第一に、基本理念等についてであります。環境と調和の取れた食料システムの確立を図るため、基本理念として、食料システムの関係者の連携、環境への負荷の低減と生産性の向上との両立の実現に資する技術の研究開発等を定めることとしています。その上で、国の責務等を定めるとともに、国が講ずべき施策として、食料システムの各段階における環境への負荷の低減に資する取組の促進等を定めることとしています。
 第二に、環境負荷低減事業活動の促進等に関する基本方針等の策定についてであります。農林水産大臣は、農林漁業に由来する環境への負荷の低減を図るために行う事業活動の促進及びその基盤の確立に関する基本的な方針を策定するとともに、市町村及び都道府県は、この環境負荷低減事業活動の促進に関する基本的な計画を策定することができるとしています。
 第三に、環境負荷低減事業活動の促進及びその基盤の確立のための措置についてであります。農林漁業者は、環境負荷低減事業活動等の実施に関する計画について都道府県知事の認定を受けられるものとし、認定を受けた者には、農業改良資金等の償還期間の延長、農地法等に基づく手続の簡素化等の支援措置が講じられるほか、有機農業の生産団地を形成する場合には、栽培管理方法等を定めた協定を締結し、市町村長の認可を受けることができることとしています。また、これらの活動の基盤を確立するため、先端的技術の研究開発や実証等を行おうとする者は、その実施に関する計画について主務大臣の認定を受けられるものとし、認定を受けた者には、農地法等に基づく手続の簡素化等の支援措置が講じられることとしています。
 続きまして、防疫法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び主要な内容を御説明申し上げます。
 輸出入植物の検疫及び有害動植物の防除は、安定的な農業生産を図る上で重要な役割を担っております。
 しかしながら、近年、温暖化等による気候変動、人や物の国境を越えた移動の増加等に伴い、有害動植物の侵入、蔓延リスクが高まっています。他方、化学農薬の低減等による環境負荷低減が国際的な課題となっていることに加え、国内では化学農薬に依存した防除により薬剤抵抗性が発達した有害動植物が発生するなど、発生の予防を含めた防除への移行及びその普及が急務となっています。また、農林水産物・食品の輸出促進に取り組む中で、植物防疫官の輸出検査業務も急増するなど、植物防疫をめぐる状況は複雑化しています。
 このような状況を踏まえ、有害動植物の国内外における発生の状況に対応して植物防疫を的確に実施するため、この法律案を提出することとした次第であります。
 次に、この法律案の主要な内容につきまして、御説明申し上げます。
 第一に、有害動植物の国内への侵入を早期に発見するため、農林水産大臣は、国内に存在することが確認されていない等の有害動植物の一部を対象に、国内への侵入の状況等を調査する事業を行うこととしております。また、その事業の対象有害動植物の国内への侵入等を認めた者はその旨を国又は都道府県に通報しなければならないこととしております。
 第二に、新たに侵入した有害動植物に対する緊急防除を迅速かつ的確に行うため、農林水産大臣が緊急防除の実施に関する基準、あらかじめ作成できることとし、その基準に従って緊急防除を行う際には、告示による事前周知期間を短縮することができることとしております。また、特に緊急に防除を行う必要があるときに事前周知期間を取らずに実施することができる措置の内容を拡充することとしております。
 第三に、国内に既に存在する有害動植物について、発生の予防を含む総合的な防除を推進するため、農林水産大臣が基本指針を、都道府県知事が当該防除の実施に関する計画を定めることとするとともに、都道府県知事は、その計画において農業者が遵守すべき事項を定めることができることとしております。また、都道府県知事は、この遵守すべき事項に即して農業者に必要な助言、指導を行うとともに、それに即した防除が行われず、農作物に重大な損害を与えるおそれがあると認められるとき等において、農業者に対して勧告、命令を行うことができるよう措置することとしております。
 第四に、有害動植物が農機具等の物品を通じて侵入し、又は蔓延することを防ぐため、植物防疫官が行う立入検査、国際植物検疫及び国内植物検疫並びに緊急防除のために講じる措置の対象にこれらの物品を追加するとともに、近年の出入国旅客による植物等の持込み等又は持ち出し事例の増加に対応し、旅客の携帯品に対する植物防疫官の検査権限を強化することとしております。
 第五に、輸入国が輸出国の植物検疫証明を必要としている動植物の輸出に当たり必要となる植物防疫官による検査について、農林水産物の輸出拡大に伴う検査件数の増加に対応するため、農林水産大臣の登録を受けた者が植物防疫官に代わり輸出検査の一部を実施することができるように措置することとしております。
 以上が、これらの法律案の提案の理由及び主要な内容であります。
 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。

発言情報

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発言者: 金子原二郎

speaker_id: 7623

日付: 2022-04-12

院: 参議院

会議名: 農林水産委員会