岸田文雄の発言 (本会議)

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○内閣総理大臣(岸田文雄君) 水岡俊一議員の御質問にお答えいたします。
 今国会の召集日についてお尋ねがありました。
 今国会の召集日については、国会法の規定を踏まえ、予算編成作業など諸要素を総合的に勘案し、一月十七日に決定したところです。その上で、施政方針演説において、二十七年前の今日、阪神・淡路大震災が発生し、六千名を超える尊い命が失われましたと述べさせていただきました。
 改めて、この震災により亡くなられた方々に対し、心から哀悼の意を表します。
 政府としましては、この震災を教訓に、それまで以上に災害対策や危機管理の充実を図ってまいりました。岸田内閣としても、引き続き強い覚悟を持って防災・減災、国土強靱化を強化してまいります。
 トンガ諸島の火山噴火に関連して、避難所における感染症対策や現地支援についてお尋ねがありました。
 新型コロナの現下の状況においても、災害時に身の安全を確保するためには、ちゅうちょすることなく避難することが重要です。
 政府としては、これまでも自治体に対し、可能な限り多くの避難所の開設、親戚の家等への避難の呼びかけ、避難所の衛生管理等、平時の事前準備及び災害時の対応についてお示ししてきており、今回の避難においても、各自治体においてはこれらの点に留意をして対応していただいたものと認識をしております。
 トンガへの支援としては、我が国として復旧復興のためにできる限り支援を行うため、トンガ政府からの要望も踏まえ、トンガ政府に対して百万ドル以上の緊急無償資金協力を実施することといたしました。また、緊急援助物資として、飲料水及び火山灰撤去のための用具等を供給することで決定をいたしました。その輸送のため、自衛隊のC130輸送機等を活用し、早ければ本日にも出発させます。
 引き続き、災害対応に万全を期すとともに、トンガへの支援については、オーストラリアやニュージーランドといった関係国と緊密に連携して対応してまいります。
 今後の日中関係についてお尋ねがありました。
 日中両国間には、隣国であるがゆえに様々な問題があります。尖閣諸島をめぐる情勢を含む東シナ海、南シナ海における一方的な現状変更の試み、我が国周辺における軍事活動の拡大、活発化は、日本を含む地域と国際社会の安全保障上の強い懸念です。
 中国には、こうした課題を含め、主張すべきは主張し、責任ある行動を強く求めていきます。同時に、諸懸案も含めて、対話をしっかりと重ね、共通の課題については協力し、本年が日中国交正常化五十周年であることも念頭に、建設的かつ安定的な関係の構築を目指してまいります。
 新時代リアリズム外交についてお尋ねがありました。
 我が国を取り巻く安全保障環境の急速な変化や緊張する米中関係などにより、厳しさと複雑さを増す国際情勢の中で、私は、未来への理想の旗をしっかりと掲げつつ、したたかで徹底的な現実主義を貫く外交、これを展開してまいります。これが私の掲げる新時代リアリズム外交であります。
 こうした考えの下、まず一つは普遍的価値の重視、二つ目として地球規模課題の解決に向けた取組、そして三つ目として国民の命と暮らしを断固として守り抜く取組、これらを三本柱とした外交、これを積極的に進めてまいりたいと考えております。
 出入国在留管理行政についてお尋ねがありました。
 まず、改めて、お亡くなりになられたウィシュマさんに心より哀悼の意を表するとともに、御遺族に対しお悔やみを申し上げます。
 自由権規約委員会等から様々な指摘があることは承知していますが、我が国としては、国際人権諸条約の締約国として条約が定める義務を誠実に履行していると考えています。
 御指摘のビデオ映像については、私自身は閲覧しておりませんが、法務省において、その内容を精査し、外部有識者から御意見もいただきつつ、幅広く問題点を抽出した上で改善策を着実に進めているものと承知をしており、このような事案が二度と起こらないよう、法務省においてしっかりと取り組んでもらいたいと考えております。
 言うまでもなく、基本的人権の尊重は重要であり、引き続き、日本人と外国人が安全、安心に暮らせる共生社会の実現、目指してまいります。
 アイヌの人々の御遺骨の返還についてお尋ねがありました。
 政府としては、閣議決定に基づき、アイヌの人々へ御遺骨の返還を進めるとともに、直ちに返還できない御遺骨については、アイヌの人々の意向を確認しつつ、適切な返還先が確定するまでの間、国の民族共生象徴空間の慰霊施設において適切な管理を行うこととしております。
 また、慰霊施設においては、管理する御遺骨を用いた調査研究を行わないこととしており、大学の保管する御遺骨についても、国のガイドラインにおいてアイヌの人々の同意を得られないものは調査研究の対象としないこととしております。
 今後とも、アイヌの人々による尊厳ある慰霊の実現が図られるよう、御遺骨の返還について適切に対応してまいります。
 人権救済制度等についてお尋ねがありました。
 人権救済制度の在り方については、これまでなされてきた議論の状況も踏まえ、不断に検討しております。例えば、個人通報制度の導入については、人権諸条約に基づく委員会の見解に対しどのように対応するかなど、我が国の司法制度や立法政策等に関わる論点があるため、各方面の意見なども踏まえつつ真剣に検討しているところです。
 また、日本出身の人権条約体の委員の数については、各年一月二十日の時点で申し上げますと、二〇一八年、二〇一九年、二〇二〇年は六名、二〇二一年は五名、二〇二二年は四名となっています。
 国際社会における人権の保護、促進を重視する我が国からは、このように人権条約体に他国と比べても多くの委員が輩出されています。これらの委員は、それぞれの個人の資格で各委員の活動に大きく貢献をしています。引き続き、我が国としては、多くの日本出身の委員が活躍できるよう取り組んでまいります。
 そして、石炭火力発電についてお尋ねがありました。
 石炭火力については、二〇三〇年に向けて、非効率な石炭火力のフェードアウトを着実に進めてまいります。
 さらに、二〇五〇年に向けては、水素、アンモニアやCCUS等を活用して、それらのコストを引き下げつつ、石炭火力を脱炭素型の火力に置き換える取組を加速していきます。二〇五〇年のカーボンニュートラルになっているということは、二〇五〇年の段階で温室効果ガスを排出する石炭火力は基本的にないということを意味しております。
 なお、御指摘の化石賞は、民間団体の活動の一つと承知しており、政府としてコメントをすることは差し控えますが、その上で申し上げれば、COP期間中十二日間にわたり、主催国英国が四回受賞するなど、延べ二十か国以上が受賞しているものと承知をしております。
 他方、今回のCOP26において、我が国が表明した五年間で百億ドルの国際的な支援という新たなコミットメントについては、多くの参加国から高い評価と歓迎の意が示され、存在感を示すことができたと考えております。
 普天間飛行場の辺野古移設についてお尋ねがありました。
 御指摘の地盤改良工事については、有識者の助言を得つつ検討を行った結果、十分に安定した護岸等の施工が可能であることが確認されていると承知をしており、また、工事費については引き続き抑制に努めてまいります。
 世界で最も危険と言われる普天間飛行場が固定化され、危険なまま置き去りにされることは、絶対に避けなければなりません。これは、地元の皆様との共通の認識であると思っています。
 米国とは、閣僚間を含め様々なレベルにおいて、日米同盟の抑止力の維持と普天間飛行場の危険性の除去を考えましたとき、辺野古移設が唯一の解決策という方針について累次にわたり確認をしてきたところであります。
 この方針に基づき着実に工事を進めていくことが、普天間飛行場の一日も早い全面返還を実現し、その危険性を除去することにつながると考えております。これからも、丁寧な説明、対話による信頼を地元の皆さんと築いてまいります。
 教育行政についてお尋ねがありました。
 子供たち一人一人が質の高い教育を受け、個性や能力を最大限伸ばせるよう、環境整備をしていくことが必要です。
 御指摘の教師を取り巻く環境について、実態調査の結果を踏まえ、働き方改革等の取組を一層進めながら、教師の魅力を高めるための取組を進めてまいります。(発言する者あり)はい。
 また、小学校の三十五人学級の計画的な整備や、高学年の教科担任制の推進のための加配定数など、必要な教職員定数の確保を進めてまいります。
 さらに、デジタル田園都市国家構想の実現において教育分野のデジタル化は重要な課題であり、各学校段階でメディアリテラシーを含む情報活用能力、これしっかり育成をしてまいります。
 教育データの利活用については、安易な利用により本人が不利益を受けることがないよう、個人情報保護のルールに沿って丁寧に検討を進めてまいります。
 子供の貧困に関する調査や子育て世帯への給付についてお尋ねがありました。
 御指摘の調査は、一人親世帯などがコロナ禍で一層多くの困難に直面していることを改めて示していると考えています。こうした状況を踏まえ、これまで、低所得の子育て世帯へ臨時給付金の支給や、地域子供の未来応援交付金を活用した居場所づくり支援などを重層的に実施をしてきました。
 今度、今後、こども家庭庁の下、子供政策を我が国社会のど真ん中に据えて進めていく中で、調査研究を更に充実していくなど、子供の貧困の課題にもしっかりと対応してまいります。各自治体で同様の調査を独自に行いたいという意向も伺っており、引き続き、地域子供の未来応援交付金による支援などを行ってまいります。
 また、子育て世帯への給付については、迅速に給付するため、児童手当の仕組みを活用しており、基準日以降に離婚した世帯への制度的な対応は難しい面がありますが、自治体に対し、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用して、基準日以降に離婚された場合の現在養育者への給付金の支給を検討することをお願いするとともに、生活に困窮されている一人親家庭に対して、住民税非課税世帯に対する十万円の臨時特別給付金のほか、生活困窮者自立支援金など様々な施策を重層的に講じる中で、きめ細かく支援を行うこととしております。
 トリガー条項の凍結解除についてお尋ねがありました。
 トリガー条項については、発動された場合、ガソリン、軽油の買い控えや、その反動による流通の混乱、また国、地方の財政への多大な影響等の問題があることから、凍結解除は適当ではないと考えております。
 政府としては、国民の皆さんが春先まで見通せるように、農業や漁業等に対する業種別の対策をきめ細かく実行いたします。加えて、ガソリン、灯油の急激な値上がりに対する備えとして、激変緩和事業を行う体制を構築いたします。また、灯油購入費の助成など、地方公共団体が行う原油価格高騰対策に要する経費に対し、特別交付税措置を講ずることとしております。
 こうした対策により、国民の皆様にスピーディーに、かつ混乱なく効果が行き渡ると考えております。
 人口減少についての認識と今後の展望についてお尋ねがありました。
 二〇一七年に公表された日本の将来推計人口の中位推計によると、二〇六五年の日本人人口は、二〇二〇年に比べて三二%減少する見通しとなっています。
 このような人口減少の局面では、社会の担い手となる人材の量的な拡大と質的な向上、これが必要となります。そのため、スキルの向上、再教育の充実、副業の活用など、人への投資の抜本的強化を進めるとともに、全世代型社会保障構築会議において、女性の就労の制約となっている制度の見直しや家庭介護の負担軽減などに取り組み、男女が希望どおり働ける社会を目指してまいります。
 加えて、長い目で見れば少子化対策が大きな鍵であり、少子化対策、そして子供対策、これらをしっかり進めてまいりたいと考えます。
 残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
   〔国務大臣林芳正君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 120815254X00220220120_003

発言者: 岸田文雄

speaker_id: 6324

日付: 2022-01-20

院: 参議院

会議名: 本会議