岸田文雄の発言 (本会議)
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○内閣総理大臣(岸田文雄君) 松山政司議員の御質問にお答えいたします。
オミクロン株の対策についてお尋ねがありました。
オミクロン株については、専門家から、感染力が高い一方、感染者の多くは軽症、無症状であり、重症化率は低い可能性が高い、また、高齢者等で急速に感染が広がると重症者が発生する割合が高くなるおそれがある、こうした分析が報告されました。
こうした専門家の意見を伺いながら、過度に恐れることなく、最新の科学的知見に基づく対応を冷静に進める覚悟です。
また、一度決めた方針でも、より良い方法があるのであるならば、ちゅうちょなく改め、柔軟に対応を進化させてまいります。
現在、全国で感染が拡大していますが、こうした状況も想定し、十一月の全体像に沿って、在宅・宿泊療養を含め医療体制の拡充を図るとともに、予防、発見、そして早期治療への流れの強化に先手先手で取り組んでまいりました。
内外のオミクロン株に関する科学的知見を集約しつつ、拡充してきた医療体制をしっかり機能させ、病床が逼迫するような緊急事態になることのないよう、各都道府県との緊密な連携の下、高い緊張感を持って、高い警戒感を持って対応に当たってまいります。
基幹的な業務の継続のための対策についてお尋ねがありました。
先日、専門家からお話を伺った際にも、感染者数が増加すると、軽症であってもエッセンシャルワーカーの休業が増加し、社会経済の維持に支障を来すリスクがあるとの報告がありました。
濃厚接触者の待機期間については、科学的知見に基づき原則十日とした上で、地域における社会機能の維持のために必要な場合に、自治体の判断により、社会機能維持者について、検査で陰性を確認した上、待機期間を短縮することを可能としてきました。
感染を抑えるためだけでなく、社会活動維持のために、テレワークを積極的に活用していただくなど、BCP、事業継続計画、この準備をお願いするとともに、引き続き、科学的知見の集約を急ぎ、実効性のある対応を検討してまいります。
ワンヘルスの推進についてお尋ねがありました。
感染症対策については、人と動物は相互に密接な関係にあることから、ワンヘルスの考え方に基づき、総合的に対応していくことが重要です。政府としては、これまでも、ワンヘルスアプローチに基づき、薬剤耐性、AMR対策や鳥インフルエンザへの対応に取り組んできたところです。
福岡県においては、ワンヘルスの理念を実践するため、全国に先駆けて条例を制定し、実践に取り組まれていると承知をしています。政府としても、福岡県の取組も参考にしつつ、今後ともワンヘルスアプローチに基づく感染症対策に取り組んでまいります。
NPO支援についてお尋ねがありました。
長引くコロナ禍により、貧困を抱える世帯の生活が厳しくなるとともに、孤独・孤立の問題が深刻な社会問題となる中、困難を抱える方々と行政の橋渡しをするNPOへの支援は非常に重要です。令和四年度予算案と令和三年度補正予算を合わせて約六十億円を活用し、孤独・孤立対策に取り組むNPO等の活動を継続的にきめ細かく支援してまいります。
昨年、車座で子供食堂や困窮者支援を行うNPO等の方々のお話を伺いました。こうした現場の声を反映し、昨年末に政府として取りまとめた孤独・孤立対策の重点計画に沿って、官、民、NPOが緊密に連携しながら、貧困や孤独・孤立を抱える方々に支援を届けてまいります。
事業復活支援金についてお尋ねがありました。
事業復活支援金は、新型コロナの影響により厳しい経営状況が続く事業者を支援するため、地域そして業種を問わず、法人に対して最大二百五十万円、個人事業者に対して最大五十万円を一括給付するものです。
現在、経済産業省において、一月三十一日の週にも申請の受付を開始する予定です。さらに、類似の支援金では給付件数の約半数が申請から二週間以内に給付されていることも踏まえ、できる限り早い給付に努めてまいります。
マイナンバーカードの普及、活用とマイポイントについてお尋ねがありました。(発言する者あり)マイナポイントについてお尋ねがありました。
マイナンバーカードは、安全、安心なデジタル社会のパスポートであり、社会全体のデジタル化を進めるための最も重要なインフラです。このため、その普及に取り組んでいるところです。
マイナンバーカードと健康保険証、運転免許証との一体化や、スマートフォンによるワクチン接種証明の入手をできるようにするなど、その活用を進めるとともに、本人確認機能のスマートフォンへの搭載など、その利便性の向上に取り組んでまいります。
マイナポイント第二弾については、カードの新規取得等に対する最大五千円相当のポイント付与を本年一月一日から開始しています。健康保険証利用申込み、公金受取口座登録に対する合計一万五千円相当のポイントの付与は、本年六月頃から開始することとしております。
日米首脳会談についてお尋ねがありました。
明日の晩に予定している日米首脳テレビ会談は、安全保障、経済、地域情勢や地球規模課題といった共通の重要課題につき、バイデン大統領との間で率直な議論を行い、首脳間の信頼関係を深める重要な機会になると考えております。
会談では、日米同盟の更なる強化、自由で開かれたインド太平洋の実現や、核兵器のない世界に向けた取組を含む地球規模課題への対応に向け、連携を深めていくことを確認する予定です。また、日米同盟の揺るぎないきずなを世界に示すとともに、日米同盟を更なる高みに押し上げる機会にしたいと思っております。
日ロ関係についてお尋ねがありました。
日ロ関係の更なる発展のためには、日ロ間の活発な議員外交や経済分野における互恵的な協力の推進も大変重要であり、松山議員が長きにわたり精力的に議員外交に取り組まれていることに敬意を表します。
我が国として、日ロ関係を重視していく姿勢に変わりはなく、平和条約締結問題を含む政治、経済、文化等、幅広い分野で日ロ関係全体を国益に資するよう発展させていく考えです。
ロシアとの平和条約については、次の世代に先送りせず、領土問題を解決して平和条約を締結するとの方針です。プーチン大統領との間では、就任直後の電話会談において、しっかりと平和条約交渉に取り組んでいくことを確認いたしました。今後も、プーチン大統領と会談を重ね、信頼関係を構築しながら、二〇一八年のシンガポールでの首脳会談のやり取りを含め、これまでの諸合意を踏まえ、二〇一八年以降の首脳間でのやり取りを引き継いで、粘り強く交渉を進めていきます。
新しい資本主義についてお尋ねがありました。
一九八〇年代以降、世界の主流となった、市場や競争に任せれば全てうまくいくという新自由主義的な考えは、世界経済の成長の原動力となった反面、格差や貧困の拡大など、多くの弊害を生みました。
したがって、岸田政権では、市場の失敗、外部不経済を是正する仕組みを成長戦略と分配戦略の両面から、資本主義の中に埋め込み、そうした課題を解決しながら成長と分配の好循環を生み出してまいります。
官と民がそれぞれの役割分担をしつつ、成長と分配の好循環を生み出すために、所得の引上げ、すなわち人への投資が重要であると考えます。賃上げを通じた人への分配は、コストではなく、未来への投資であり、次の成長につながるものと考えています。
このため、賃上げに向けた各種施策や人的資本投資強化のための施策パッケージを成長と分配の好循環を実現する鍵と位置付け、消費の拡大による経済活性化と人的投資による生産性向上によって次の成長につなげてまいります。
御提案のように、若い経営者の方からもお話を伺いつつ、新しい資本主義の実装に取り組んでまいりたいと思っております。
教育投資や設備投資の促進についてお尋ねがありました。
新しい資本主義の実現に向けて、官と民がそれぞれの役割を果たし、社会課題を解決しながら成長と分配の好循環を生み出す持続可能な経済を目指します。
成長戦略として、デジタル化、気候変動問題への対応、経済安全保障など、世界的な潮流の中で、我が国が克服しなければならない新時代の課題をこれからの成長分野にしていくという発想で取り組み、弱点を新時代の成長のエンジンとしていきます。その際に、呼び水となる予算や規制改革、新たなルール整備を総動員して、民間の投資を促し、あるべき成長を実現してまいります。
また、起動した成長と分配の好循環の流れを加速していくための鍵は日本の未来を担う子育て・若者世代であり、大きな意味での人への投資を集中していきたいと考えます。このため、御指摘の教育への投資の観点からも、引き続き、教育費の負担軽減、小学校の三十五人学級や高学年における教科担任制、GIGAスクール構想の推進など、教育環境の整備を図ってまいります。
科学技術・イノベーション政策の推進についてお尋ねがありました。
御指摘いただいたとおり、我が国の産業競争力の強化や経済安全保障の確立を図りつつ、気候変動問題を始めとした社会課題の解決を成長のエンジンへと押し上げていくためには、科学技術・イノベーション政策の推進、これが不可欠です。こうした認識に立ち、科学技術立国の実現を成長戦略の柱として位置付けています。
このため、気候変動問題への対応を始めAI、量子、バイオ、ライフサイエンス、宇宙、海洋などの先端科学技術の研究開発への大胆な投資を官民が協働して行ってまいります。
また、研究と経営の分離、若手研究者の登用など、先端的なガバナンスを導入する大学に対し、十兆円の大学ファンドによる世界レベルの研究基盤を構築するとともに、地域の中核大学や特色ある研究大学への支援を通じた研究力の強化、イノベーションを担う人材の育成、そして大胆なスタートアップの創出に向けて取り組んでまいります。
少子化対策についてお尋ねがありました。
少子化の進展は、我が国の社会、経済の根幹を揺るがしかねない喫緊の課題であるとの認識の下、これまで安定財源を確保しつつ、支援を充実させてきたところです。
今後も、今年四月からの不妊治療の保険適用の開始などの妊娠、出産への支援、そして新子育て安心プランに基づく保育の受皿整備など、ライフステージに応じた総合的な少子化対策をしっかりと進めてまいります。
子供政策の司令塔機能についてお尋ねがありました。
子供政策を我が国社会のど真ん中に据え、子供目線に立って縦割りを排した行政を進めるための司令塔として、こども家庭庁を創設します。
こども家庭庁が主導し、強い司令塔機能を発揮して、縦割り行政の中で進まなかった教育や保育の現場で性犯罪歴の証明を求める日本版DBS、制度横断、年齢横断の教育、福祉、家庭を通じた子供データ連携など、子供をめぐる様々な課題に取り組んでまいります。
災害に強い国土づくり等についてお尋ねがありました。
災害から国民の命と生活を守ることは、政府の大切な使命です。議員御指摘のとおり、最悪の事態を想定し備えることが重要であり、切迫する巨大地震や風水害、豪雨への備えや、インフラの老朽化対策、そして災害対策を担う職員や現場の担い手の確保、デジタル技術の活用など、ソフト、ハード両面から、強い覚悟を持って全力で防災・減災、国土強靱化、強化してまいります。
そして、統計問題の再発防止と政府統計への信頼確保についてお尋ねがありました。
今般、建設工事受注動態統計調査における不適切な処理が明らかになり、極めて遺憾であると考えています。
今回の不適切な処理を受け、国土交通省において、過去の統計の遡及改定や再発防止に向けた検討、検証の場を早急に立ち上げることとしております。
さらに、議員御指摘の点も含め、政府統計全体について、統計委員会において、再発防止策やデジタル化、そして人材育成などの公的統計の改善施策を取りまとめることとしております。その結果を実行に移し、政府統計に対する信頼回復に全力で取り組んでまいります。
残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
〔国務大臣末松信介君登壇、拍手〕