木戸口英司の発言 (本会議)

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○木戸口英司君 立憲民主党の木戸口英司です。
 私は、立憲民主・社民を代表して、ただいま議題となりました令和四年度地方財政計画、地方税法等の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案について質問いたします。
 まず冒頭、ウクライナへの侵略を進めるロシア軍の攻撃は一層激化し、市街地やインフラが破壊され、多くの民間人に犠牲が発生しています。国外逃避が二百万人に達しています。原子力発電所への攻撃、占拠、これら暴挙を厳しく非難し、国連で採択された非難決議にあるように、ロシアには即時完全無条件撤退を要求します。
 それでは、質問に入ります。
 地方税財政に係る政策立案はもとより、地方交付税の算定などにも用いられ、合理的な意思決定を行うための基盤として国の根幹を支えている公的統計について伺います。
 デジタル庁、こども家庭庁のように、総理肝煎りの施策については急ピッチで体制整備が進められています。しかしながら、公的統計については、三年前に発覚した厚生労働省の不正以降も、再発防止策の浸透、定着が遅々として進まず、予算と人員が一向に増えていません。今般の国土交通省による統計不正は、政府内で統計が軽視され続けてきた証左ではないでしょうか。
 今般の不正において、業務過多により疲弊した職員が、前例踏襲、事なかれ主義で不正を続けてしまったことは、当該職員、当該部局の責任というより、統計を軽視し、統計担当部局に十分な人員と予算を確保してこなかった政府の責任であると考えますが、統計制度を所管する金子総務大臣の見解を求めます。
 また、山際国務大臣は、今般の統計不正によるGDPへの影響について、現時点においては軽微と繰り返し答弁していますが、無視できないような影響がGDPに及んでいるのではないかと指摘する専門家もいます。
 現在、国土交通省において統計の復元が行われていますが、復元を待つことなく軽微と言い切ってしまうことは、統計の軽視にほかなりません。改めて、統計の重要性への認識とGDPへの影響について、山際経済財政政策担当大臣の見解を伺います。
 次に、地方税法案のうち、まずは固定資産税について伺います。
 景気回復に万全を期すという名目の下、土地に係る固定資産税の負担調整措置について、令和四年度に限り、商業地等に係る課税標準額の上昇額を、本来評価額の五%のところ二・五%にとどめる特別な措置が講じられました。
 今回の措置に対して地方側は極めて遺憾とし、令和五年度は既定の負担調整措置を確実に実施し、制度の根幹を揺るがす見直しは断じて行うことのないよう強く求めています。
 感染症により厳しい経営環境にある事業者等への支援については、予算措置等によるきめ細かな対応を行うべきものであって、地方税、とりわけ市町村の基幹税である固定資産税を用いるべきではありません。
 今回の地方税法改正案に地方の意見はどのように反映させたのでしょうか。地方の意見を反映させた改正項目があれば示してください。また、地方からの厳しい指摘をどのように受け止めているのか、総務大臣の見解を伺います。
 景気回復に万全を期すことに異論はありません。しかし、利益を上げている事業者の固定資産税負担を軽減するような税制改正は地方税にふさわしくありません。なぜ予算措置等による個別の対応ではなく、商業地等を対象に税負担を軽減するという対応となったのか、その合理的な理由について総務大臣に明確な答弁を求めます。
 百歩譲って、国策として固定資産税の減税を行うのであれば、市町村の財政運営に支障が生じないよう、全額国費による補填を行うべきです。なぜ国費による補填を行わないのか、長期化するコロナ対策に苦慮している市町村の財政運営に支障は生じないか、地方団体が納得できるだけの根拠を、総務大臣、明らかにしてください。
 次に、住宅ローン控除について伺います。
 住宅ローン控除については、家を買うことのできる中高所得者層の税負担を低所得者も含めたそれ以外の者が納めた税金で賄う仕組みであることから、政策効果や公平性をめぐって疑問視する声があります。
 その上で、住宅手当や住宅確保の支援、空き家の有効活用など、本当に困っている人への支援を進めていく方向で住宅政策の転換が求められています。
 持家、借家を問わず、多くの国民に恩恵が及ぶ制度を導入すべきと考えますが、住宅ローン控除の今後の在り方と併せ、斉藤国土交通大臣の所見を伺います。
 立憲民主党は、トリガー条項の凍結の解除を求め、そのための法案を提出しております。現在の原油価格の著しい高騰を踏まえれば、速やかな解除が求められています。
 一方、仮に一年間発動が続いた場合、地方への影響として、軽油引取税と地方揮発油譲与税を合わせて年間で約五千億円以上の減収が見込まれております。我々の法案では、トリガーの発動による地方公共団体の減収を補填するために必要な措置を講ずるものとしております。この点に関し、総務大臣の所見を伺います。
 次に、交付税法案について、地方交付税法案について伺います。
 これまで長きにわたって、我が国においては、国と地方の歳出比率がおおむね四対六であるのに対し、税源割合はおおむね六対四と不均衡な状況が続いています。税源配分の見直しについて、地方分権改革推進委員会第四次勧告では、五対五を今後の改革の当初目標とすることが適当とされたところです。
 しかし、この不均衡は長きにわたって改善されることがないまま今に至っています。五対五という目標は現在も堅持されているのか、また、今後の具体的な改革の方向性について、鈴木財務大臣と総務大臣に伺います。
 しかし、令和四年度地方財政計画では、地方税収は過去最高水準となるなど、高い税収見積りとされています。それでも地方に約二・六兆円という巨額の財源不足が生じていることは、構造的な問題と言えます。
 地方交付税の法定率の引上げについては、昭和四十一年度以降は、幾つかの年度を除き、行われていません。加えて、平成十三年度以降は、地方に臨時財政対策債を起債させた上で、国が後からその償還財源を交付税措置するという極めていびつな制度が、当初は三年間の時限措置とされていたにもかかわらず、二十年以上経過した今なお継続しています。
 この臨時財政対策債の廃止と法定率引上げに本気で向かう覚悟はあるのか、総務大臣に伺います。
 令和四年度地方財政計画においては、当初ベースで二年ぶりに折半対象財源不足が解消したほか、臨時財政対策債の発行も縮減されました。また、交付税特別会計借入金も五千億円の償還を行うこととなり、地方の債務が縮小する方向となっている点については一定の評価をします。
 しかし、これまで地方の債務の縮減は余裕があるときに行うというだけの場当たり的な対応が続き、これらの債務縮減に向けた方針は見えてきません。
 臨時財政対策債と交付税特別会計借入金、これら巨額の債務を中長期的にどのように縮減していくのか、具体的な方針を総務大臣に伺います。
 明後日は三月十一日、東日本大震災から十一年目を迎えます。令和四年度地方財政計画では、昨年度からの繰越分も含め、震災復興特別交付税が約千六十九億円計上されています。年々縮小する現状にあります。この震災復興特別交付税については、復興は道半ばで現場でのニーズも更に多様化していることから、引き続き万全の財源措置が必要です。
 今後も、震災復興特別交付税制度を堅持し、地方公共団体において必要な復興経費の確実な確保とともに、今後の復興に係る多様な財政需要に対応した柔軟な制度が求められますが、総務大臣の見解を伺います。
 森林環境譲与税の譲与の基準について、総額の十分の五を私有林人工林面積、十分の二を林業就業者数、十分の三を人口で案分することとしています。人口の割合が大きく、大都市と地方の間で配分額に著しく差が生じる結果となっている点について、多くの地方議会から意見書が提出され、問題点が指摘されてきました。さらに、実際に森林環境譲与税の譲与が始まった令和元年度及び令和二年度の市町村への譲与額のおよそ半分が使われず、基金に積み立てられていたことも明らかになりました。
 金子総務大臣は、森林環境譲与税について、地域の実情に応じた様々な取組の実施状況を見極める必要があると答弁していますが、令和四年度にも譲与額が前年度から百億円増額される見込みです。
 今の森林環境譲与税の譲与基準の在り方を検証し、見直しを図るべきと考えますが、総務大臣の見解を伺います。
 地域デジタル社会推進費は、地域社会のデジタル化を推進するためとして、令和三年度と令和四年度の二か年度において、各年度二千億円が計上されています。当初は集中的な措置としてこの二か年度限りとしていましたが、特に高齢者の多い地方においては、デジタル技術が生活に根付くまで、より息の長い取組が必要ではないでしょうか。
 地域社会にデジタル技術が根付き、誰もが真に便利な生活を送ることができるよう、令和五年度以降も地域デジタル社会推進費やそれに類する費目を継続して計上し、地域のデジタル化を継続的に支援すべきと考えますが、総務大臣の見解を求めます。
 新型コロナウイルス感染症の拡大防止などに充てられる新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金は、累計で十五・二兆円が措置されてきました。各地域の実情に応じて、感染症対策や地域経済の下支えのため、地方創生臨時交付金は財源面で重要な役割を果たしてきたと考えますが、まずは、その認識を改めて野田地方創生担当大臣に伺います。
 また、全国知事会は、オミクロン株による感染急拡大に対応できるよう、令和三年度補正予算で措置された地方単独事業分の配分残額について早期に配分するとともに、新たな変異株による感染急拡大なども見据え、更なる財源措置などを求めています。地方の声を真摯に受け止め、今後も一層の対応が必要と考えますが、所見を野田地方創生担当大臣に伺います。
 令和三年の人口移動について、住民基本台帳人口移動報告によれば、比較可能な平成二十六年以降で初めて東京二十三区で転出超過となりました。しかし、人口の動きを見ると、東京二十三区から周辺三県への人口移動が多く、それ以外の地域の大半は転出超過のままで、根本的な構造は変わっていません。地方からの人口流出が進むとともに、地方財政は一層厳しさを増し、地域の過疎化に拍車を掛けています。総務省は地域おこし協力隊など様々な取組を続けており、一部の地方移住を希望する人の後押しにはなっていますが、全体のトレンドを変えるには至っていません。
 東京一極集中是正のため、更なる思い切った取組が必要と考えますが、今後の取組の方向性について総務大臣に伺います。
 新型コロナウイルス感染症の蔓延で、新型コロナ患者の受入先として公立病院が重要な役割を果たすなど、公立病院の存在は地域医療において欠かせないものであると広く再認識されたところです。一方で、公立病院の厳しい経営が続いてきた中、医師不足と偏在が進み、新型コロナの影響が一層状況を深刻化させ、地域医療の現場から地域医療崩壊の危機が叫ばれています。この間、地域医療構想の下で必要病床数を設定し、病床削減が迫られていることに地方から不安の声が強まっています。
 総務省においては、各地方公共団体が策定する公立病院経営強化プランに基づき、機能分化、連携強化の推進に係る病院事業債特別分の拡充、延長等の地方財政措置を講じることとしておりますが、この対応は公立病院を中心とした地域の医療を守ることに真に資するものと言えるのでしょうか。総務大臣の見解を伺います。
 医師不足地域では、医師の養成確保の取組に多額の財源が投入されている現実があり、更なる財政支援が必要と考えますが、所見を総務大臣に伺います。
 地方公共団体が人口減少の下で疲弊する地域経済の現状を克服し、個性豊かで活力に満ちた地域社会を創造するために、自立した安定的な財政運営が可能となる地方税財政システムを確立することが必要不可欠です。
 地方税の充実確保を基本としつつ、地方の固有財源である地方交付税等必要な地方財源を確保するため全力を尽くすことをお誓い申し上げ、私の質問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔国務大臣金子恭之君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 120815254X00720220309_007

発言者: 木戸口英司

speaker_id: 26285

日付: 2022-03-09

院: 参議院

会議名: 本会議