小野田紀美の発言 (本会議)
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○小野田紀美君 自由民主党の小野田紀美です。
自民、公明を代表して、関税暫定措置法改正案及び外為法改正案に対して質問をいたします。
まず、ロシアのウクライナへの侵略に強く抗議します。ロシアの即時かつ完全な撤退を求めます。ロシアの侵略行為はエスカレートしており、許すことはできません。首都キーウ近郊の都市では、ロシア軍による民間人虐殺の痕跡が明らかになっています。マリウポリへの攻撃に化学物質を使用したとの懸念もあります。ロシアが主張するフェイクニュースだというプロパガンダは必ずや暴かれ、国際法に違反する卑劣な行為は厳しく処罰されるべきです。私たちとしても、困難に直面するウクライナにしっかり寄り添って対応してまいります。
二十一世紀となり、世界各国が自由貿易、自由投資を介して密接に結び付いているにもかかわらず、力による一方的な現状変更の試みと民間人への殺りくが起こっています。武力により他国を踏みにじり、無辜の民の人生を奪う事態が起きている現実に、我が国国民そして世界は大きな怒りと憤り、同時に失望と脅威を感じています。
先週、林外務大臣は、日本の外務大臣として初めてNATO外相会合に出席しましたが、そこでも、力による一方的な現状変更はどの地域においても許されるものではないし、欧州とインド太平洋地域の安全保障を切り離して論じることはできないと語りました。今回の侵略行為に対しても、現に中国はいまだロシアを非難していません。北朝鮮もICBM級の弾道ミサイル発射を繰り返しています。
このような環境の中、岸田総理は、インド太平洋地域での力による一方的な現状変更への懸念の高まりに対して、我が国と我が国国民、そして国際社会における普遍的価値である自由、民主主義、人権、法の支配を守り抜くために、価値観を共有する国々と連携しながら、外交、そして安全保障政策をどう進めていくおつもりでしょうか。お聞かせください。
日本を始めとするG7各国は、ロシアのウクライナ侵略に一致団結して制裁措置を発動しています。今回の関税暫定措置法の改正案は、ロシアに対するWTO協定税率の適用を撤回し、基本税率等の適用を可能とすることで、現地時間の三月十一日に発出されたG7首脳声明を受けた最恵国待遇の停止を行うものです。
まずは、ロシアによるウクライナへの侵略は、ロシア自らに深刻な結果をもたらし、得るものは何もないだけではなく、国際的な名誉も信頼も地に落とす行為であると理解させるために、G7各国と足並みをそろえて厳しい金融経済制裁を課すべきと考えますが、その一環として最恵国待遇の停止に踏み切る理由と期待される制裁効果について、総理からお話しください。
また、ロシア産の木材や水産物の関税の引上げ、代替となるロシア産以外の産品への需要の増加により、世界的な品不足と価格上昇が心配されます。特に水産物については、漁獲量を決める日ロ間の漁業交渉への影響も予想されます。
コロナ禍で厳しい状況にある上に、ロシアのウクライナ侵略により先行きが懸念される水産関連業や食品製造業等、国民生活への影響に対して政府としてどう対処していくお考えでしょうか。総理に伺います。
G7は、四月七日、ロシアによる民間人への残虐な行為を許さないとの姿勢やウクライナとの連携を改めて結束して示すべく首脳声明を発出いたしました。その中には、石炭輸入のフェーズアウトや禁止も含むエネルギー面でのロシアへの依存を低減するための計画の加速化が盛り込まれています。EU加盟国はロシア産の石炭の輸入停止などを含む制裁案を承認し、日本も、G7声明を踏まえて、早速、ロシアからの石炭輸入の禁止などを含む追加制裁を課す方針を表明いたしました。
ロシア外交官の国外退去などと併せて、G7メンバーとして、ロシアに対する日本の強い姿勢を示すものとして評価できます。同時に、石炭禁輸の影響による電力需給の逼迫を回避するために、再生可能エネルギーや原発の再稼働など、脱炭素の効果の高い電源の活用など様々な対応を講ずることも求められます。この点についての総理のお考えを伺います。
我が国は、二月二十一日のロシアによるウクライナの親ロ派支配地域の独立承認、二十四日のロシアによるウクライナ侵略開始直後から、G7と連携しながら、ロシア政府による新たなソブリン債の発行、流通等の禁止や金融機関を対象とした資産凍結、中央銀行への制裁措置などを立て続けに決定し、実行してきました。二月二十六日には、ロシアは、国際金融の送金を手掛ける世界的な決済ネットワークであるSWIFT、国際銀行間通信協会から排除されることが決定いたしました。
ロシアの企業の貿易決済が困難となることから、大きな経済的苦痛を与える措置です。事実、ロシア通貨は、SWIFTと中央銀行への制裁発表の前後で、ドルベースで三割も急落しました。ルーブルの価値が大幅に下落すると、ルーブル建ての貿易への敬遠、そしてロシア国内の物価高騰による生活への打撃となります。ただ、三月上旬を底にルーブルの為替レートは徐々に元に戻っていることから、ポーランド首相はロシアへの制裁効果に疑問を呈しています。
経済制裁の効果を判断するには、為替だけではなく、総合的に見るべきだと思いますが、ここまでの金融制裁による効果をどのように評価しているのでしょうか。財務大臣の御所見を伺います。
G7が課している厳しい経済・金融制裁措置が効果を上げるためには、世界各国で緊密に連携して、制裁の回避や迂回、バックフィルを防ぐことが重要です。総理がゼロ泊三日という強行日程で参加したベルギーでのG7首脳会合でも、制裁措置の抜け道を与えてはならないという考え方が確認されています。今回の暗号資産を使った制裁回避を防ぐための法改正もその一環として、一刻も早く成立させ、施行させなければなりません。
ロシアで暗号資産の利用が急増しているとの指摘があります。米国も、サイバー攻撃や違法行為に関与しているとして、暗号資産も扱っているロシアに拠点を置くダークウエブサイトのサーバーを停止し、ビットコインも押収しています。
我が国としても、暗号資産を使った制裁回避を防ぐために、G7を始めとした関係国と連携した対応が不可欠と思いますが、外為法の改正を機に、どう対処していくお考えでしょうか。財務大臣にお伺いします。
ロシアによる民間人への無差別攻撃もあり、ウクライナから国外へ逃れる避難民は四百五十万人を超え、うちポーランドでは二百五十万人を上回っています。
過日、ポーランドから戻る政府専用機は避難民の方々を乗せてきましたが、その後も、政府は、避難民の日本渡航を支援するために、当面の間、ポーランドとの民間直行便の座席を借り上げるなど、対応を強化しています。自衛隊機を活用した人道支援物資の輸送も実現すべきです。
また、ウクライナの邦人保護のために、隣国ポーランドへの陸路での退避を支援する現地連絡事務所の設置や、ポーランドから他国への移動用チャーター機手配などに加え、今後も、引き続き、在留邦人の方からの退避要請に、退避要望に寄り添った対応にしっかり取り組んでいただくよう要望いたします。
現在、ロシア軍はキーウなどにおける作戦規模縮小を表明しているものの、その部隊を東部及び南部へと移動させ、攻撃を強めており、一般市民の犠牲が増加しています。
困ったときはお互いさまの心で、岸田総理が先頭に立って、国を挙げ、ゼレンスキー・ウクライナ大統領が国会演説の中で語った、避難した人たちがふるさとに戻れるようにしなければならないという気持ちをしっかりと受け止めていただきたい。そして、完全な撤退に向けたロシアへの制裁とともに、必ずやってくる侵略終えん後の復興を見据えて、避難民を受け入れている近隣諸国への支援など、ニーズに合った対応の更なる強化を図るべきだと考えます。
この点について総理のお考えをお伺いして、私の質問を終わります。(拍手)
〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇、拍手〕