大塚耕平の発言 (本会議)
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○大塚耕平君 国民民主党・新緑風会の大塚耕平です。
ただいま議題になりました関税暫定措置法の一部を改正する法律案及び外国為替及び外国貿易法の一部を改正する法律案について、会派を代表して質問します。
ロシアによるウクライナ侵攻は断じて許されません。制裁強化が必要ですが、初めに、他国との足並みを確認するために、米国、英国、EU等主要国の最恵国待遇撤回措置の現状について、総理に伺います。
次に、ロシアから輸入するエネルギー資源に対する基本税率及びWTO協定税率について伺います。
両者に差がなければ、最恵国待遇を撤回しても制裁効果は得られません。そもそも、どちらもゼロ税率のはずです。事実関係と基本的認識を総理に伺います。
エネルギー資源以外についても、基本税率及びWTO協定税率の実情、及びどのような品目にどのような効果が出ると予想しているのか、総理に伺います。
外為法改正案について伺います。
制裁対象者から第三者へ暗号資産を移転する取引等も規制対象とすること、及び、暗号資産交換業者に対し、制裁対象者に関わる移転でないことを事前に確認する義務を賦課することは理解できますが、実際にそうした取引を行っているか否か、事前確認の義務を果たしているか否かを当局は具体的にどのようにチェックするのか、その手法及び体制を財務大臣に伺います。
ロシアは、制裁を受けつつも、引き続きエネルギー資源輸出によって多額の収入を得ています。石油輸出はウクライナ侵攻前より増加し、価格高騰で収入も増加しているとの情報も聞きます。制裁によってロシアが困窮して撤退や停戦を決断するという見方は楽観的に過ぎます。
以下、制裁に関連して何点か伺います。
第一にエネルギー資源についてです。
ロシアは、世界二位の天然ガス産出国、三位の原油産出国であり、二〇二〇年の資源輸出総額は約三千三百億ドルです。二〇二一年時点で約六千億ドルの外貨準備を有しています。制裁で凍結されたドル資金は約一千億ドルと推定されますが、資源輸出が継続されれば制裁による資金凍結効果は減殺されます。
ロシアのウクライナ侵攻前のエネルギー資源輸出収入規模、そのうち制裁によって途絶した規模及び現状について、総理の認識を伺います。
G7のうちロシア産原油の禁輸措置を打ち出したのは、輸入量が少ない米国、英国、カナダのみです。EUは石炭の段階的輸入禁止を打ち出しましたが、輸入額は年間約五十億ドルにすぎません。原油と天然ガスのロシア依存を見直す方針も表明しましたが、実行は二〇二四年の話です。
欧米諸国のロシアからのエネルギー資源輸入に関する制裁の事実関係と効果について、総理の認識を伺います。
第二は資金です。
SWIFT排除に関して、ロシア最大手ズベルバンクと国策企業ガスプロムバンクは制裁対象に入っていません。日米欧諸国における両銀行に対する措置について、事実関係と各国対応の背景について、総理の認識を伺います。
国債デフォルトも起きていません。各国中央銀行がロシア政府の外貨準備を凍結したため、ロシアは米ドルを引き出せないはずですが、現実にはドルによる利払いが行われています。各国が自国の債権者への影響回避のために例外を認めているのか、ロシアが別ルートで調達しているのか、定かではありません。どのようにデフォルト回避をしているのか、政府の分析と総理の認識を伺います。
また、制裁対象は政府の外貨準備だけであり、民間金融機関保有の外貨は凍結されていません。これがロシア政府に回っている可能性もあります。ロシア民間金融機関保有の外貨について、日本国内及び国外の状況について、財務大臣に伺います。
第三は食料です。
ロシアとウクライナは小麦の世界輸出量の三割を占めます。ウクライナ危機の影響で、今年の小麦輸出量は約三百六十万トン減少すると見込まれています。両国の小麦に依存している人口は約八億人と推定されます。今後の食料不足に対する政府の認識と、需給逼迫、価格高騰に対する日本の小麦対策について、総理に伺います。
第四は米ドルについてです。
ロシアは、制裁への対抗措置として、資源輸入国に対して代金をルーブルで支払うことを求めています。米国債は中国等の海外投資家が約七・一兆ドル、約八百八十兆円を保有しています。これは、ドルの強さである一方、売却されれば弱点にもなります。
ロシアと中国は、ルーブルや人民元の外貨準備や市場におけるシェアを高め、ドルの基軸通貨としての価値低下につながる戦略を取っていると思います。総理の認識を伺います。
第五は武器です。
ウクライナ危機に伴って、各国の国防費増大傾向が顕著です。ドイツはGDP二%超を国防費に充てると宣言し、米国も二〇二三会計年度で過去最大五・八兆ドルの国防費を計上すると表明しました。武器産業の重要性も高まります。
十五世紀イタリアの政治家マキャベリは次のような言葉を残しています。戦争は、始めたいときに始められるが、やめたいときにやめられない。プーチン大統領に伝えたい言葉ですが、始めさせない抑止力と始められたときの相手に対する打撃力が国家の安全保障の要諦です。
防衛費や武器産業の世界的潮流にどのような方針で臨むのか、総理の考えを伺います。
米国では、第二次制裁、すなわちロシアと協力関係を維持する第三国にも制裁を課すことが検討されています。
一九七四年、ニクソン大統領は、キューバと貿易を継続していたバングラデシュへの食料支援を中止しました。二〇一一年、オバマ大統領は、イランから石油を購入していた日欧諸国に制裁措置を打ち出した結果、イランの財政は行き詰まり、核開発凍結に向けた交渉に応じました。
米国にはこうした成功体験がありますが、今回は事情が異なります。第二次制裁の想定対象は中国やインドです。ロシアのラブロフ外相は、今月一日、突然インド外相と会談しました。第二次制裁を念頭に、対ロ制裁に同調しないことを求めたと推測されます。
米国による第二次制裁の可能性について、現時点での総理の認識を伺います。
日本の場合、水産資源についても留意が必要です。
二〇二一年の日本のロシアからの水産物輸入額は千三百八十一億円であり、中国、チリに次ぐ第三位です。日ロ間では、北方領土沖合や、相互の二百海里水域における魚種別漁獲量等の協議が行われ、安全操業と漁業継続を担保しています。昨年は三月二十九日から四月二日まで交渉が行われましたが、今年はウクライナ危機の影響でサケ・マス漁開始日の四月十日に間に合わず、十一日にようやく始まりました。
日ロ漁業交渉の現状と見通しについて、農水大臣に伺います。
また、今回の最恵国待遇撤回で水産物の税率と輸入にどのような影響が出るか、総理に伺います。
政府はロシア産水産物の輸入禁止は行わないとしていますが、米国は輸入禁止を決めました。水産物はロシアの外貨獲得手段です。政府の方針、及び米国の第二次制裁の対象となる可能性について、総理の認識を伺います。
ロシア高官は、経済制裁に加わった日本を非友好国とし、報復措置を講じると発言しています。制裁の反射効果や対抗措置への対策について、総理の認識を伺います。
ウクライナ危機は日米欧と中ロ両国との対立構図を浮き彫りにしました。従来のグローバル化の前提は成り立ちません。食料やエネルギー資源の確保戦略、自給率向上戦略に真剣に取り組むことが急務です。
この点に関する総理の考えを伺うとともに、ウクライナ国民に連帯の意を表して、私の質問を終わります。(拍手)
〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇、拍手〕