岸田文雄の発言 (本会議)

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○内閣総理大臣(岸田文雄君) 大塚耕平議員の御質問にお答えいたします。
 主要国によるロシアへの最恵国待遇撤回の状況、ロシアからの輸入品に対する我が国基本税率とWTO協定税率の関係、そして我が国によるロシアへの最恵国待遇撤回の効果についてお尋ねがありました。
 主要国の関税率の引上げに関して申し上げますと、カナダが既存の法律に基づき三月二日から、英国及び米国が立法措置等を行い、それぞれ三月二十五日、四月九日から、ロシアに対するWTO協定税率の適用を停止した上で高い関税を課しているものと承知をしております。
 一方、EUは、関税率の引上げではなく輸出入禁止措置で対応する方針を表明し、三月中旬以降、様々な措置を講じております。
 ロシアから輸入される主要なエネルギー資源である液化天然ガス、石炭、原油については、今回の法改正でロシアに対してWTO協定税率を適用しないこととした場合でもこれらの関税率は引き続き無税となりますが、例えば魚介類や木材の一部の品目については関税率が数%程度引き上がることとなります。
 ロシアに対する制裁の効果については、輸出入禁止措置を含め、様々な措置と併せて制裁全体の中で判断していく必要があると考えております。今回の法改正は、国際社会と一致団結してロシアに対して厳しい措置をとるという我が国の意思を強く示すことで大きな意義があります。
 政府として、引き続き、G7を始めとする国際社会と緊密に連携して、適切に対応してまいります。
 ロシアのエネルギー資源輸出収入の現状、また、欧米諸国のロシアからのエネルギー資源輸入に関する制裁の事実関係及びその効果についてお尋ねがありました。
 ロシアにおいてエネルギー資源は輸出の中核を占め、二〇二一年の輸出全体に占める割合は五割強、約二千七百億ドルであると承知をしています。
 G7各国は、持続可能な代替供給を確保しつつ、ロシアのエネルギーへの依存を低減することで一致をしています。米国はロシア産原油などのエネルギー輸入禁止を、カナダもロシア産原油の輸入禁止、英国はロシア産原油、石炭の二〇二二年末での輸入禁止、EUはロシア産石炭の輸入禁止を発表したと承知をしています。
 現時点では、制裁によって途絶したエネルギー分野の輸出収入の規模や制裁の効果に関する十分なデータはありませんが、これまでの各国の措置により、物価の上昇や外国企業の撤退など、様々なロシア経済への影響が出ていると認識をしています。
 ロシアの二銀行に対する制裁措置とロシア国債のデフォルトについてお尋ねがありました。
 ズベルバンクについては、G7の中で日本、米国、英国、カナダは資産凍結の対象としている一方で、EUはSWIFTからの排除や資産凍結の対象としておらず、ガスプロムバンクについては、英国及びカナダが資産凍結の対象としていると承知をしております。
 個別の金融機関に関して、制裁の対象となった、あるいは対象とならなかった理由や、他国の対応の背景について申し上げることは控えますが、一般論として申し上げれば、各国が制裁の内容を決定するに際しては、基本的な方針をG7等で共有した上で、各国の事情も踏まえながら具体的な対象の指定等を行っているものであると認識をしております。
 ロシア国債のデフォルトを回避するためにロシアがどのように償還、利払いの資金繰りを付けているのか、確たることを申し上げることは困難ではありますが、ロシアがドル建て国債の元利払いをルーブル建てで実施したことなどを受けて、主要格付会社の一つが外貨建てのロシア国債を一部デフォルトとみなす選択的デフォルトとするなどの動きもあるということを承知をしております。
 ロシア国債をめぐる状況については、引き続き緊張感を持って注視をしてまいります。
 今後の世界の食料不足、小麦対策についてお尋ねがありました。
 ロシアによるウクライナ侵略によって、小麦を始め食料等の国際価格が高騰しており、予断を許さない状況ですが、G7と協調し、緊張感を持って、影響を受けている国々への支援を含め、食料安全保障の確保に取り組んでまいります。
 輸入小麦の価格上昇等に対しては、ウクライナ情勢を受け、総合緊急対策の策定を指示したところであり、政府として、食料の安全供給対策を含め、直面する危機に緊急かつ機動的に対応するべく、四月中に具体的な対策を取りまとめてまいります。
 基軸通貨をめぐる動きについてお尋ねがありました。
 米ドルについては基軸通貨として広く国際的に利用されている一方、ルーブルや人民元については資本規制等がその利便性に及ぼす影響等も踏まえて見ていく必要があります。
 ロシアや中国の政策について予断を持ってお答えすることは控えますが、こうした点も踏まえながら、ロシアに対する一連の制裁措置や、ロシアによる対抗措置、さらには中国の対応等が国際的な資金の流れなどに及ぼし得る影響について、引き続きしっかりと注視していく必要があると認識をしております。
 ウクライナ危機に伴う各国の国防費増大等の動向についてお尋ねがありました。
 今般のロシアによるウクライナ侵略を受けて、各国は、御指摘の点を含め様々な動きを見せています。
 現在、新たな国家安全保障戦略等の策定に取り組んでいるところであり、あらゆる選択肢を排除せず現実的に検討し、防衛力を抜本的に強化をしてまいります。
 また、防衛産業は我が国の防衛力の一部であり、基盤強化が急務です。防衛産業活性化のための抜本的な対策も検討してまいります。
 米国による第二次制裁の可能性についてお尋ねがありました。
 一刻も早い停戦を実現し、ロシアによるウクライナ侵略をやめさせるためには、国際社会が結束して強固な制裁を講じていくことが重要です。三月二十四日のG7首脳会合において、制裁回避や迂回、バックフィルは行わないことについて、G7で連携し、各国に働きかけていくことで一致をいたしました。第三国による制裁の回避や迂回を防止するための方策については、G7でも、また日米間でも様々な議論を行っていますが、米国による今後の対応を含め、外交上のやり取りであり、お答えすることは差し控えます。
 今回の法改正による水産物への影響等についてお尋ねがありました。
 今回の法改正により、水産物の一部の品目について、WTO協定税率に代わり国内法に基づく関税率が適用されることにより、関税率が数%程度引き上がることになりますが、この措置自体による国民生活への影響は限定的であると考えます。
 水産物の対象とした、水産物を対象とした更なる制裁について、予断を持って申し上げることは控えますが、ロシアへの制裁については、G7を始めとする国際社会と緊密に連携するとともに、国民生活への影響にも目配りしながら、今後ともしっかりと対応していく必要があると考えています。
 外務省を中心に、米国を含む諸外国の動向も含め、情報収集等を行うとともに、政府一丸となって必要な施策、適時適切に実行をしてまいります。
 対ロ制裁の反射効果、またロシアによる対抗的な措置への対策についてお尋ねがありました。
 今般のロシアによるウクライナ侵略は、国際秩序の根幹を揺るがす行為です。一刻も早くロシアが国際社会の声に耳を傾け、侵略をやめるよう、我が国は、G7各国、国際社会とともに、ロシアに対して迅速に厳しい制裁措置を打ち出してきています。
 そうした中で、ロシアが日本の国民や企業に不利益が及び得るような方針を示しており、様々な対抗措置をとる可能性があることを念頭に置きながら、強い懸念を持って注視をしていきたいと考えております。
 ロシアのウクライナ侵略によってエネルギーや食料の価格が高騰し、我が国のみならず、世界各国の人々が苦しんでいます。エネルギー市場を安定化させるため、IEA加盟各国と協調し、我が国として、IEA割当て量の一・五倍の千五百万バレルを初めての国家備蓄の放出として行いました。
 また、ウクライナ情勢に伴う原油価格や物価の高騰による国民生活や経済活動への影響に緊急かつ機動的に対応するための総合緊急対策を四月中に取りまとめます。国民生活を守るために、国際、国内双方で最大限の対策を迅速に講じてまいります。
 食料やエネルギー資源の確保戦略、自給率向上戦略についてお尋ねがありました。
 食料やエネルギーなど、国民生活にとって重要な物資が、必要なときに確実に確保できるようにすることは重要です。
 食料は将来にわたって安定的に確保していくため、食料を将来にわたって安定的に確保していくためには、国内で生産できるものはできる限り国内で生産していくことが重要であり、農林水産業の成長のための投資と改革を更に進め、食料安全保障の観点も踏まえつつ、国際競争や災害にも負けない足腰の強い農林水産業を構築し、食料自給率の向上を図ってまいります。
 また、今回のウクライナ侵略を受け、エネルギー安全保障の重要性を再認識しています。早急に代替策を確保し、エネルギー分野でのロシアへの依存を低下、低減させます。加えて、エネルギー自給率の向上も重要であり、再エネ、原子力などエネルギー安保及び脱炭素の効果の高い電源の最大限の活用を図ってまいります。
 残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
   〔国務大臣鈴木俊一君登壇、拍手〕

発言情報

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発言者: 岸田文雄

speaker_id: 6324

日付: 2022-04-15

院: 参議院

会議名: 本会議