大門実紀史の発言 (本会議)

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○大門実紀史君 日本共産党の大門実紀史です。
 会派を代表して、関税暫定措置法及び外為法の一部を改正する法律案について質問をいたします。
 ロシア・プーチン政権による残虐なウクライナ侵略を一刻も早くやめさせなければなりません。そのためには、国際社会が侵略やめよの世論を更に強め、プーチン政権を包囲することが何より重要です。
 政府は、ウクライナからの避難民への物資輸送のために自衛隊機の周辺国への派遣を検討していると聞きます。なぜ民間のチャーター機ではなく、自衛隊機でなければならないのでしょうか。日本は憲法九条を持つ国です。非軍事の人道的支援に全力を尽くすべきであります。
 経済制裁も重要ですが、真に実効性のある措置でなければ意味がありません。今回の改正案の柱の一つは、外為法の改正によるプーチン政権中枢への金融面からの制裁措置です。
 プーチン大統領を含む政権幹部と並んで制裁の対象となっているのが、ロシアの財閥グループ、オリガルヒです。オリガルヒとは、ギリシャ語で少人数が権力を握る政治体制、つまり寡頭支配を意味します。ロシアでは、ソ連崩壊後の一九九〇年代、国営企業が民営化される過程で巨万の富を築いた人たちが政治的にも大きな影響力を持ち、オリガルヒと呼ばれました。二〇〇〇年に大統領に就任したプーチンはオリガルヒの排除を進めましたが、自分に忠誠を誓う者には利権の継続を許し、見返りにプーチン政権を資金面で支えるよう求めたと言われています。
 オリガルヒの経済基盤を崩せば、プーチン政権に打撃を与えることは間違いありません。政府は既にオリガルヒとその家族を含む経済関係者四十九人に対し資産凍結などの経済措置を閣議決定しています。また、オリガルヒは、手持ち資金を仮想通貨など暗号資産に替えた上で海外の不動産を購入する動きを見せています。今回の外為法の改正で、暗号資産も凍結の対象にするのは当然のことです。
 一方、今週、四月十二日、国際調査報道ジャーナリスト連合、ICIJは、ロシアの富裕層が、タックスヘイブン、すなわち富裕層の税逃れや資金洗浄に悪用される租税回避地に資産を移動していることを明らかにしました。プーチン大統領を含む政権中枢や、オリガルヒの資産の多くはタックスヘイブンに存在すると考えられます。
 この間、タックスヘイブンに対しては、各国の税務当局間の情報交換やペーパーカンパニーへの不正などの対策が進められてきました。この点で日本も一定の役割を果たしてきたことは承知をしております。
 しかし、まだまだ抜け道だらけです。ロシアへの経済制裁を実効性のあるものにするためにも、鈴木財務大臣、G20において、タックスヘイブンにおける資産凍結を含め対策の強化を急ぐよう日本から各国に提案すべきではありませんか。答弁を求めます。
 急激な物価高騰が国民生活を直撃しています。
 物価の引下げに直接的な効果があるのは消費税の減税です。世界では既に八十三の国や地域が何らかの形で付加価値税の減税に踏み出しています。
 岸田総理は、社会保障の財源だからと消費税減税を拒否してきましたが、社会保障の財源は、所得の再分配という点からも、消費税ではなく、利益を拡大している大企業や富裕層に求めるべきです。今こそ消費税の五%への減税を決断すべきだと考えますが、総理の認識を伺います。
 中小企業の多くが苦境に追い込まれている中、インボイス制度の導入など、きっぱり中止すべきではないでしょうか。鈴木財務大臣の答弁を求めます。
 年金の減額も直ちに中止すべきではありませんか。総理の答弁を求めます。
 現在の物価高は、賃金が上がらないのに物価だけが上がる悪い物価上昇です。したがって、賃金引上げも急ぐ必要があります。中小企業への手厚い支援とセットにした最低賃金の大幅な引上げが急務だと考えますが、総理の認識を伺います。
 現在の物価高騰は、三つの要因が複合的に重なったものです。
 第一に、新型コロナからの経済回復に伴う世界的な需要増によって、原油や小麦など、穀物価格が上昇いたしました。
 第二に、ロシアのウクライナ侵略によって、エネルギーや小麦価格などが更に上昇しました。
 これらのことは、エネルギーや食料を外国に頼ることがどんなに危ういかを改めて私たちに示したのではないのでしょうか。
 今こそ、省エネルギー、再生可能エネルギーの大規模推進によるエネルギーの自給や食料自給率の向上に真剣に取り組むべきです。総理の認識を伺います。
 第三に、物価を押し上げる要因となったのが日本銀行による異次元の金融緩和政策です。円安を誘導したことによって輸入品の価格が上昇し、物価全体を押し上げました。一体いつまでこんな政策を続けるんでしょうか。
 二〇一三年の安倍政権と日銀の共同声明によってスタートした異次元の金融緩和政策は、二%の物価上昇目標を掲げ、日銀が大規模に国債を買い入れ、代わりに円を大量に世の中に供給する。そうすればデフレを克服して景気も良くなるだろう、そんなシナリオでした。しかし、金融緩和で大量に供給されたマネーは株式市場に流れ込み、株価をつり上げて大株主と大企業を大もうけさせただけで、実体経済は少しも良くなりませんでした。
 しかも、これ以上異次元の金融緩和に固執すると、今の物価高騰が一時的なものにとどまらず、経済停滞の下で物価だけが上昇し続ける悪性インフレにつながりかねません。今こそ異次元の金融緩和からの転換を明確にし、金融政策の正常化に踏み出すべきです。
 第一に、もはや何の意味もない二%の物価上昇目標を取り下げることです。
 第二に、日銀の国債保有残高を減少させる方向に明確にかじを切ることです。
 第三に、政策転換時に、国債の空売りなどでもうけを狙う海外投機筋の動きを牽制する特別措置をとることです。
 第四に、日銀が巨額に保有している国債などについては、長期的な市場への売却計画をはっきり示し、市場との意思疎通、理解の促進に尽力をすべきです。長期保有の投資家を優遇して国債などを購入してもらう措置も検討されるべきでしょう。
 これらのことは何度も日銀に提案してきましたが、もはや日銀は自分の判断では政策転換ができない行き詰まり状態に陥っています。
 そもそも、安倍元首相がわざわざ日銀総裁を替えてまで政治主導で始めた異次元の金融緩和政策です。岸田総理の責任で異次元の金融緩和政策を転換し、金融政策の正常化に踏み出すべきではありませんか。総理の答弁を求め、質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 120815254X01720220415_028

発言者: 大門実紀史

speaker_id: 16551

日付: 2022-04-15

院: 参議院

会議名: 本会議