末松信介の発言 (本会議)

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○国務大臣(末松信介君) 勝部議員にお答え申し上げます。
 まず、教員免許更新制の問題点についてお尋ねがありました。
 教員免許更新制は、教師の学びの機会の拡大、大学による教師の資質、能力の向上に対する関与の拡大など、一定の成果を上げてきました。一方で、これまでの免許更新制の下での十年に一度の講習は、常に最新の知識、技能を学び続けることと整合的でないことや、座学を中心とした講習では現場に即した学びの実施が困難といった課題がありました。
 このため、教員免許更新制の下で大学等が形成した良質な教育コンテンツを継承しつつ、個々の学校現場や教師のニーズに即した新たな研修システムによって、これからの時代に必要な教師の学びを実現させることとし、現行の教員免許更新制を発展的に解消する本法案を提出したものであります。
 次に、免許更新制と教員不足についてお尋ねがありました。
 本年一月に公表した教師不足に関する実態調査では、半分以上の自治体が、免許状の未更新又は更新手続の負担感等により臨時的任用教員を採用できなかったことを教師不足の要因の一つとして挙げているものと承知をいたしております。文部科学省としては、教師不足について危機感を持って受け止めており、教育委員会における計画的な教員採用の促進、学校における働き方改革、教職の魅力向上等の取組を総合的に進めるとともに、中央教育審議会での議論を踏まえ、質の高い教師の確保に向けた更なる方策を検討を進めてまいります。
 次に、失効、休眠状態の免許状の扱いについてお尋ねがありました。
 いわゆる休眠状態も含め、現に有効な教員免許状については、本法案の施行日となる本年七月一日をもって有効期間のない免許状となります。一方、本法律の施行日前に更新を行わなかったことにより教員免許状が失効した者は、自動的に復活することはありませんが、再申請をすれば有効期間のない免許状の再授与を受けることが可能であります。
 このため、円滑な再授与を可能とする手続の在り方について都道府県教育委員会と検討を進めるとともに、法律施行後の免許状の取扱いについて分かりやすく周知、広報を行ってまいります。
 次に、教員免許更新制の教師への負担についてお尋ねがありました。
 教員免許更新制については、更新講習を受講しなければ教師自身の身分の得喪に関わる精神的な負担感や、個人で受け取ることの時間的、金銭的負担感が指摘されており、私としてもこの点は課題と認識をしております。
 次に、教員の身分と地位の確立についてお尋ねがありました。
 教師は、子供たちの人生を変える存在です。そうした大きな役割を担う教師は、十分なやりがいがあり、人との関わり合いの中で自身も成長することができる大変魅力ある職業だと考えております。他方で、教師という職業の社会的役割の重要性や大きなやりがい以上に学校現場の勤務状況が厳しいものとなっており、この状況は一刻も早く改善する必要があると考えております。
 現在、中央教育審議会で教師の在り方について包括的な議論をいただいており、その結論も踏まえて、高度専門職業人としての教師の地位を高め、教師が誇りを持って働くことのできる環境整備をしっかりと取り組んでまいります。
 次に、主体的で自由な研修の重要性についてお尋ねがありました。
 本法案では、教師が主体性を発揮しつつ、個別最適な学びを学校組織全体として実現できるよう、校長等の管理職と教師が対話を行うこととしております。その際には、単に知識、技能の修得だけではなく、教師間での協働的な学びなども重視する必要があると考えております。このような教師自身の学びが児童生徒の学びのロールモデルになることを通じて、児童生徒の主体的、対話的で深い学びの充実につながるものと考えております。
 次に、研修等に関する記録の内容についてお尋ねがありました。
 研修等に関する記録の内容については、研修名、研修内容、オンライン型等の研修形態などのほか、教員育成指標との関係などが考えられますが、個々の研修の態様や性質に応じて、任命権者である教育委員会において適切に定められることとなります。
 文部科学省としては、多様な内容、スタイルの教師の学びがある中で、教師が自身の学びを振り返ることができるよう、記録自体が過剰負担とならないよう留意しつつ、教育委員会の意見も聞きながら、記録すべき事項等を国のガイドラインで示すことを考えております。
 次に、勤務場所を離れて行う研修の記録についてお尋ねがありました。
 研修等に関する記録の作成につきましては、教育委員会が自ら実施する研修のほか、教育委員会が必要と認めるものを記録することとしております。
 文部科学省におきましては、教育委員会の判断に資するよう、記録すべき事項についてガイドラインで例示する予定であり、その中で御指摘の職専免研修も記録が望ましい事項に含めたいと考えております。
 次に、研修記録の個人情報管理と教員本人の閲覧についてお尋ねがありました。
 研修等に関する記録は各教師の個人情報に該当するものであり、各任命権者において、個人情報の保護に関する法律等に基づき適切に対応すべきものと考えております。
 また、研修等に関する記録は、教師の適切な学びを進めるため、個々の教師の置かれている状況やこれまでの研修履歴等を踏まえまして、現状把握と目標設定を行う足掛かりとなることから、教師個人が自らの研修履歴を閲覧、確認することは前提と考えております。
 次に、研修受講の記録と人事評価の関係についてお尋ねがありました。
 今回の法改正により教育委員会が行う研修等に関する記録は、校長等管理職による各教師の資質の向上に関する指導、助言等の際に活用されるものであり、人事評価制度とはその趣旨と目的が異なるものでございます。研修等に関する記録自体や研修量の多寡そのものが人事評価に直接反映されるものではありませんが、研修を行った結果として各教師が発揮した能力や上げた業績については、人事評価の対象となるものと考えております。
 次に、研修の指導、助言についてお尋ねがありました。
 本法案では、校長等の管理職と教師が過去の研修等の記録を活用しつつ対話を行い、今後能力を伸ばす必要がある分野などの研修について、教師から校長等へ相談することや、校長等から情報提供や指導、助言を行うことを想定しています。
 この指導、助言等につきましては、教師が自らの学びを振り返りつつ、適切な現状把握と目標設定の下、自らの研修ニーズや学校の教育課題に対応した必要な学びを行っていくことが期待されるものであり、管理職等から一方的に指導するものでなく、対話の中で行われることが基本だと考えております。
 次に、働き方改革についてお尋ねがありました。
 今回の法案で提案申し上げている新たな研修の仕組みが円滑に運用されるためには、教師の負担軽減や必要な研修を適時受けることを可能とするための環境整備が重要でございます。
 文部科学省の調査結果では、時間外勤務は、平成三十年度以降、一定程度改善傾向にあり、学校における働き方改革の成果が着実に出つつあるものの、依然として長時間勤務の教職員も多く、引き続き取組を加速させていく必要があると認識をしております。
 このため、文部科学省としては、教員の負担軽減を図るため、令和元年の給特法改正による教師の勤務時間の上限等を定める指針の策定、小学校三十五人学級の計画的な整備や高学年の教科担任制の推進等、教職員定数の改善、教員業務支援員を始めとする支援スタッフの充実など、様々な施策を総合的に講じているところです。今後、こうした働き方改革の様々な取組と成果等を踏まえつつ、本年度に勤務実態調査を改めて実施する予定です。
 引き続き、国、学校、教育委員会が連携し、あらゆる手だてを尽くして取組を進め、働き方改革を不退転の決意で推進してまいります。
 以上でございます。(拍手)
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発言情報

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発言者: 末松信介

speaker_id: 34239

日付: 2022-04-20

院: 参議院

会議名: 本会議