末松信介の発言 (本会議)
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○国務大臣(末松信介君) 伊藤議員にお答え申し上げます。
まず、教師の労働環境の改善について、優先的議論についてお尋ねがありました。
昨年三月の中央教育審議会の諮問においては、五つの諮問事項のうち教員免許更新制の抜本的見直しについて、令和二年九月から中央教育審議会で包括的な検証が行われていたことや、臨時的任用教員の不足等が課題となっていたことを踏まえ、早急に必要な教師数の確保とその資質、能力の確保の両立を図る必要があることから、先行して結論を得ることとされました。文部科学省では、昨年十一月に審議まとめが報告されたことを踏まえ、本法案を国会に提出したところであります。
一方、新たな教師の学びの姿を実現する上で、教師の勤務環境を改善していくことが重要です。文部科学省では、令和元年に法改正を行い、教師の勤務時間の上限等を定める指針を策定するなど、学校の働き方改革に取り組んできたところです。引き続き、文部科学省が先頭に立ち、教育委員会や学校と連携して働き方改革を強力に推進してまいります。
次に、教師の処遇についてお尋ねがありました。
教師の給与水準については、人材確保法を踏まえ、現状でも一般行政職を上回っておりますが、一方で、長時間勤務の実態等に照らして様々な御指摘があることは承知をいたしております。
今後は、これまで推進してきた働き方改革の様々な取組と成果等を踏まえつつ、本年度に勤務実態調査を実施し、教師の勤務実態や働き方改革の進捗状況をきめ細かく把握する予定です。その結果等を踏まえ、給特法等の法制的な枠組みを含め、検討をしてまいります。
また、教職員の任用形態は任命権者である教育委員会が判断するものですが、安定的に学校教育を実施していくためには、計画的な正規教員の任用が基本であると考えております。
文部科学省としては、小学校における三十五人学級の整備や、小学校高学年における教科担任制の推進に向けた定数改善を計画的に進めるとともに、より一層計画的な正規教員の採用、人事配置を行うよう、各教育委員会に引き続き促してまいります。
次に、教師の労働環境が子供の学びに及ぼす影響についてお尋ねがありました。
教職は我が国の将来を担う子供たちを育む重要な仕事であり、教師のこれまでの働き方を見直し、教師が日々の生活の質や教職人生を豊かにすることで、自らの人間性や創造性を高め、子供たちに対して更に効果的な教育活動を行うことができると考えております。
このため、国、学校、教育委員会が連携し、あらゆる手だてを尽くして取組を進め、教師が教師でなければできないことに全力投球できる環境を整備できるよう、文部科学省が先頭に立って必要な取組を進めてまいります。
次に、教育現場の環境の改善についてお尋ねがありました。
学校における働き方改革は、何か一つやれば解決するといったものではなく、国、学校、教育委員会が連携しつつ、それぞれの立場においてあらゆる手だてを講じていく必要がございます。
このため、文部科学省としては、様々な施策に総合的に取り組んできたところです。特に、令和元年の給特法の改正を踏まえ、教師の勤務時間の上限等を定める指針を策定するとともに、小学校三十五人学級の計画的整備や高学年教科担任制の推進、教員業務支援員や部活動指導員など支援スタッフの充実、教師用端末の整備や学校DX推進本部における校務の情報化の更なる検討などに取り組んでおります。
今後は、引き続き教育現場の体制整備を進めるとともに、働き方改革の様々な取組と成果等を踏まえつつ、本年度に勤務実態調査を実施し、教師の勤務実態や働き方改革の進捗状況をきめ細かく把握する予定です。その結果等を踏まえ、給特法等の法制的な枠組みを含め、検討してまいります。
次に、新卒並びに社会人の教員採用についてお尋ねがありました。
近年、公立学校の教員採用選考試験の採用倍率の低下が続いている中で、教師の人材確保は喫緊の課題と認識をしております。
現在、中央教育審議会におきまして、教員採用選考試験の実施時期の在り方や、特別免許状の更なる活用による多様な人材の確保などを含め、教師の在り方に関する包括的な議論をいただいております。文部科学省としては、この議論を踏まえつつ、多様で質の高い教師の確保に向けた取組を進めてまいります。
次に、社会人に対する働きかけについてお尋ねがありました。
免許状が休眠状態又は失効している方などが、学校現場に携わりたいという意欲を有するようになった場合などに教師として活躍してもらえるようにすること、また、教育界内外から人材を確保することで多様な専門性を有する質の高い教職員集団を実現することは大変重要でございます。
本法案成立の暁には、文部科学省としても、ホームページやSNSなどあらゆる機会や手段を通じて、法改正の趣旨、目的や、施行後の免許状の扱い、社会人向けの特別選考の実施状況について分かりやすく周知、広報を行ってまいります。
次に、教員免許更新制導入の施策検証についてお尋ねがありました。
教員免許更新制につきましては、中央教育審議会における包括的検証の状況を踏まえ、昨年三月に中央教育審議会に令和の日本型学校教育を担う教師の養成、採用、研修の在り方について諮問した際に、必要な教師数の確保とその資質、能力の確保が両立できるよう、教員免許更新制の抜本的な見直しの方向について先行して結論を得ることを求めたところであります。
昨年十一月には、中央教育審議会の審議まとめにおいて、現行の教員免許更新制の発展的な解消の方向性が示されました。これを受けて、私としては、速やかに新たな仕組みに移行する必要があると判断し、本法案を準備し、政府として今国会に提出をしたところでございます。
次に、教員免許更新制の廃止についてお尋ねがありました。
近年、社会の変化が早まり、非連続化するとともに、オンライン研修の拡大や研修の体系化の進展など教師の研修を取り巻く環境が大きく変化するなど、更新制導入時になかった状況の変化が生じております。
こうした変化を踏まえ、研修等の記録や指導、助言等の義務付けなど新たな教師の学びの姿に向けた方策の実施により、教師の個別最適な学び等をより効果的に進められる環境を整うことから、このタイミングで更新制を発展的に解消することといたしました。
次に、教員や子供たちにとって研修記録の意義についてお尋ねがありました。
本法案は、中教審の審議まとめにおきまして、各地域や学校で既に行われている研修履歴の記録の状況を踏まえ、一人一人の教師が、客観的に現在の姿を自覚するとともに、将来の姿を適切に設定できるよう、研修履歴等を手掛かりとした教師と管理職等との対話や研修の奨励が確実に行われるべきと提言されたことを踏まえ、それを具体化したものでございます。
このような主体的で個別最適な学びは、教師自身の成長につながるだけでなく、教師の学びが児童生徒の学びのロールモデルになることを通じて、児童生徒の主体的、対話的で深い学びの充実につながるものだと考えております。
次に、教員の研修のあるべき姿についてお尋ねがありました。
教師は、職務の遂行のために絶えず研究と修養に努めることとされており、教師の研修については自主性が重要であることは言うまでもございません。加えて、変化の激しい時代におけるこれからの教師の学びの姿としては、主体的な学びや個々の教師のニーズ、課題に対応した個別最適な学びのほか、単に知識、技能の修得だけでない、教師間での協働的な学びや地域や学校現場の課題に対応した多様なスタイルの学びなどが必要でございます。
文部科学省としては、新たな研修システムによって、これからの時代に必要な教師の学びを実現してまいりたいと考えております。
以上でございます。(拍手)
〔国務大臣松野博一君登壇、拍手〕