末松信介の発言 (本会議)
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○国務大臣(末松信介君) 吉良議員にお答え申し上げます。
まず、教員免許更新制の廃止についてお尋ねがございました。
教員免許更新制は、教師の学びの機会の拡大、大学による教師の資質、能力の向上に対する関与の拡大など、一定の成果を上げてきました。一方で、これまでの免許更新制の下での十年に一度の講習は、常に最新の知識、技能を学び続けることと整合的でないことや、座学を中心とした講習では現場に即した学びの実施が困難であるといった課題がございました。
このため、教員免許更新制の下で大学等が形成した良質な教育コンテンツを継承しつつ、個々の学校現場や教師のニーズに即した新たな研修システムによって、これからの時代に必要な教師の学びを実現させることとし、現行の教員免許更新制を発展的に解消する本法案を提出したものでございます。
次に、教職員の学びの機会と知識、技能の修得の必要性についてお尋ねがありました。
平成二十八年の教育公務員特例法の改正により、全ての都道府県教育委員会において、教師の資質向上に関する指標に基づく教員研修計画が策定され、教師の資質、能力の向上のための体系的、計画的な研修が充実してきたと考えております。
その一方、変化の激しい時代におけるこれからの教師の学びの姿として、教師一人一人の置かれた状況に照らして、適切な現状把握と具体的な目標設定を行った上で、個別最適で協働的な学びが行われることが必要であると考えております。
このため、過去に教師が何を学んできたかという情報を客観的に記録することを義務付け、これを基に校長等管理職が教師の資質向上に関し指導、助言等を行うという役割を明確にすることを趣旨とした教育公務員特例法の改正を行うものでございます。
次に、本法案と教師の学びの姿勢との関係についてお尋ねがありました。
本法案では、校長等の管理職が、教師自身の過去の研修等の記録を活用しつつ、今後能力を伸ばす必要がある分野など、研修について、一人一人の教師から相談を受けたり、情報提供や指導、助言を行うことを想定しています。
これにより、教師が自らの学びを振り返りつつ、適切な現状把握と目標設定の下で自ら必要な学びを行う、主体的で個別最適な学びが実現されるものと考えております。したがって、本法案は教師の管理統制を強化するものではありません。
次に、資質向上に関する指導、助言と人事評価の関係についてお尋ねがありました。
今回の法改正により教育委員会が行う研修等に関する記録は、校長等管理職による各教師の資質の向上に関する指導、助言等の際に活用されるものであり、人事評価制度とはその趣旨と目的が異なるものでございます。
なお、今回の改正に基づく指導、助言等を人事評価の期首、期末の面談の場を活用して行うことを想定しているのは、この指導、助言等を過度な負担とせず、学校現場で効率的かつ合理的に行われることを意図するものであり、人事評価と異なる趣旨であることに変わりはございません。
次に、指導、助言の場におけるパワハラ防止についてお尋ねがありました。
今回の法改正は、あくまで、教師と管理職等が対話を繰り返す中で、教師が自らの研修ニーズと、自分の強みや弱み、今後伸ばすべき力や学校で果たすべき役割などを踏まえながら、必要な学びを主体的に行っていくことが基本だと考えております。
御懸念のパワハラを防ぐ根拠条文については、労働施策総合推進法により、その防止措置が事業主に対して義務付けられております。今後も、様々な機会を捉えて、同法に基づく指針を踏まえた適切な対応について、各教育委員会に対して指導をいたしてまいります。
次に、研修を命ずる職務命令と懲戒処分についてお尋ねがございました。
校長等の管理職が研修の受講についての指導、助言を繰り返し行ったにもかかわらず、期待される水準の研修を受けているとは到底認められない場合などやむを得ない場合には、職務命令として研修を受講させる必要もあると考えております。万が一、職務命令に従わないような事例が生じた場合は、法律に定める要件に当たり得ることから、事案に応じて任命権者の判断により懲戒処分を行うこともあり得るものと考えております。
次に、研修時間の確保についてお尋ねがありました。
これからの教師の学びの姿としては、教師一人一人の状況が異なることなどから、学ぶ内容や量もそれぞれ応じたものになることが予想され、想定されます。また、教師の負担を軽減するとともに、必要な研修を適切なときに受けることを可能とするために、文部科学省ではこれまでも学校における働き方改革を推進してきました。
今後、研修の厳選、重点化やオンラインの研修コンテンツの活用などによりまして、効果的、効率的な実施、研修環境の整備に取り組んでまいります。
次に、学校における働き方改革と教職員定数の改善についてお尋ねがございました。
新たな研修の仕組みが円滑に運用されるためには、教師の負担軽減や必要な研修を適時に受けることを可能とするための環境整備が重要でございます。
文部科学省では、令和元年に給特法を改正し、教師の勤務時間の上限等を定める指針を策定するなど、学校の働き方改革を推進しております。時間外勤務は、平成三十年度以降、一定度改善傾向にあり、改革の成果が着実に出つつありますが、依然として長時間勤務の教職員が多く、引き続き取組を加速させていく必要があると認識をしております。
また、令和四年度予算では、小学校高学年における教科担任制の推進等のための教職員定数の改善により、持ち授業時数を軽減するとともに、小学校三十五人学級の計画的な整備等のための定数改善や、教員業務支援員を始めとする支援スタッフの充実なども図っております。
引き続き、研修時間の確保を含め、教師が教師でなければできないことに全力投球できる環境整備を進めてまいります。
以上でございます。(拍手)