岩渕友の発言 (本会議)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○岩渕友君 私は、日本共産党を代表して、エネルギー使用合理化法等改正案について、萩生田経産大臣に質問します。
 冒頭、知床半島沖で観光船が消息を絶った事故でお亡くなりになられた方々に哀悼の意を表するとともに、行方不明の方々の一刻も早い捜索と救助を願います。その上で、事故の原因究明と再発防止を求めるものです。
 法案の質疑に先立って、物価高騰問題について伺います。
 コロナ禍とロシアによるウクライナ侵略、さらに急激な円安によって、ガソリンや食料品、電気料金など、物価高騰が暮らしと営業を直撃しています。政府が発表した緊急経済対策は、規模も内容も国民の苦境に応えるものになっていません。深刻な状況にある中小事業者に対し給付金を含めた直接支援を行うとともに、消費税の五%への減税を政府として決断するべきではありませんか。
 法案に関わって質問します。
 四月五日、IPCC、国連気候変動に関する政府間パネルは、産業革命前からの気温上昇を一・五度に抑えるためには、遅くとも二〇二五年までに各国の温室効果ガスの総排出量をピークにして、そこから減少に転じさせ、大幅に削減する必要があるとする報告書を公表しました。削減対策なしで石炭火力発電を使い続ければ、一・五度目標は達成できないとしています。
 第六次エネルギー基本計画では、二〇三〇年度の電源構成に占める石炭火力発電の割合を一九%としています。G7加盟国の中で石炭火力発電の廃止期限を示していないのは日本だけです。事態が切迫する下で、石炭火力発電の廃止期限を決め、すぐにでも取り組まなければ、国際的な責任を果たせないのは明らかではありませんか。
 本法案では、二〇三〇年度の野心的な温室効果ガス削減、石炭火力の脱炭素化を図るとし、水素、アンモニアを非化石エネルギーと位置付け、導入、活用を推進するとしています。しかし、COP26、グラスゴー気候合意では、水素、アンモニアは排出削減措置に当たるとしていません。しかも、化石燃料を使用し、製造過程で大量に二酸化炭素を大気中に放出するグレーアンモニアも非化石と位置付けていますが、大臣自らが、化石由来のものを非化石と呼んでいいのかと言われると違和感があると衆議院の議論で認めています。これはまさに、石炭火力を使い続ける新たな仕組みづくりではありませんか。
 グレーアンモニアは、経産省自らが、一トン製造するのに一・六トンの二酸化炭素を排出するとしています。石炭火力に二〇%混ぜて発電する場合でも、製造過程を含めると二酸化炭素の削減効果は僅か四%にしかなりません。しかも、現在は実証の段階で、アンモニア二〇%混焼の開始が予定されているのは二〇二五年以降であり、国際的に求められている排出削減の目標と整合性がありません。政府の見通しでも、グレーアンモニアへの依存が続くことは明らかであり、日本の排出削減目標はもちろん、国際的な排出削減の取組に逆行するものではありませんか。
 ロシアによるウクライナへの侵略を受けて世界的に生じているエネルギー危機は、化石燃料依存の脆弱性が表れたものです。化石燃料は偏在しており、それに依存している限り、エネルギーの安全保障上の危機が発生することを避けることができません。
 政府は、当面、化石燃料由来の輸入アンモニアに頼らざるを得ないとしています。化石燃料からの脱却が不可欠であることが改めて明らかになっているにもかかわらず、これでは将来にわたってエネルギーの海外依存を強めることになるのではありませんか。
 本法案は、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構、JOGMECの業務に水素、アンモニア製造、二酸化炭素を回収し地層などに貯留するCCS地層探査等に関する出資、債務保証を追加するとしています。
 水素、アンモニアはコストが高く、開発にリスクを伴うことは政府も認めています。現在の実証事業でも、商用化した場合、初期投資が水素関係で約九千億円、アンモニアでは約六千四百億円、CCSは数千億円規模のコストが発生するとしています。
 衆議院の審議で我が党の笠井亮議員が、JOGMECは二〇〇四年の設立以来、出資した案件のうち六割が生産に至らず事業を終結し、二〇一一年度に初めて繰越欠損金を出して以降、その額は、この十年で二十倍以上に当たる二千八百億円にも増大していることを明らかにしました。本法案で新たな業務が追加されることで、更なる繰越欠損金を出すことになるのではありませんか。
 世界が石炭火力発電廃止の方向に向かい、再生可能エネルギーのコストが下がる下で、水素、アンモニアが座礁資産となるリスクが高まっています。CCSも、技術的困難さや、コストが高く効率面、環境面での問題も指摘されています。こうした状況の下でJOGMECがリスクを引き受け、失敗すればそれが国民負担になるなど認められません。大臣の認識を伺います。
 水素・アンモニア混焼、CCSは、CO2排出削減の二〇三〇年目標との整合性はなく、巨額な予算を投入するなど経済合理性も欠いています。実用化のめどが立っていない技術を前提にすることは、必要な対策の先送りであり、既存の技術の活用を阻むことになります。
 太陽光・熱、小水力、風力、地熱、畜産や林業など地域の産業と結んだバイオマスなどは、純国産、地域に固有のエネルギー源です。日本は世界有数の資源大国であり、大きな再生可能エネルギーの潜在能力があります。
 住宅や公共施設、小規模な工場への屋根置き太陽光、農業と両立可能なソーラーシェアリング、省エネ・断熱住宅など、いずれも地元の中小企業や工務店の仕事と雇用に結び付き、地域経済の活性化につながります。今ある省エネ技術、純国産の再生可能エネルギーにこそ予算、施策を集中し、公共と民間の投資の流れを転換するべきではありませんか。
 三月十六日の福島県沖地震を受けて、電力需給逼迫警報が初めて発動されましたが、主な要因は石炭火力発電所の停止でした。
 二〇一一年の東京電力福島第一原発事故で、原子力や火力の大規模集中電源は災害などによる運転停止の影響が大きいことが明らかになりました。二〇一八年の北海道胆振東部地震でのブラックアウトでも同様の問題が明らかになったにもかかわらず、大規模集中型から小規模分散型への転換を進めてこなかった政府の責任は重大です。地域分散、地産地消の再生可能エネルギーの導入によって安定した電力確保を急いで進めるべきではありませんか。
 電力の需給逼迫やエネルギー危機を受けて、原発再稼働、火力発電への投資を求める声が出ていますが、どちらも的外れな主張です。
 日本共産党は、原発ゼロの決断と石炭火力に固執するエネルギー政策を転換し、省エネと再生可能エネルギーを組み合わせて、二〇三〇年度までにCO2を最大六割削減することを提案しています。地球環境と未来への希望が持てる政治の実現が必要だということを述べて、質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣萩生田光一君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 120815254X02020220427_020

発言者: 岩渕友

speaker_id: 7023

日付: 2022-04-27

院: 参議院

会議名: 本会議