山口壯の発言 (本会議)

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○国務大臣(山口壯君) 青木愛議員から、法改正の意義についてお尋ねがありました。
 二〇五〇年カーボンニュートラル及び二〇三〇年度温室効果ガス削減目標の達成に向け、巨額の脱炭素投資が必要です。脱炭素事業の中には、前例に乏しく投融資の判断が難しい、認知度が低く関係者の理解が得られにくい等の理由から資金調達が難しいものも多いと認識しています。本法案により設立される脱炭素化支援機構は、脱炭素化に資する民間の意欲的な事業に対して、率先して資金を供給し、民間投資の一層の誘発を図るものです。
 現行のグリーンファイナンス推進機構によるエネルギー対策特別会計を財源とした出資制度は、対象がエネルギー起源のCO2の削減に関する事業に限られるのに対し、今般の脱炭素化支援機構による資金供給は、財政投融資を活用することにより、森林吸収源対策など、エネルギー起源のCO2の削減以外の取組も含めて、より幅広く資金供給することが可能になります。
 グリーンファイナンス推進機構が実施している地域脱炭素投資促進ファンド事業の実績については、これまで、三十七件、百八十四億円の出資決定を行い、民間からの投融資千八百七十六億円を誘発し、計約七十五万トンの温室効果ガス排出削減に貢献するなど、一定の成果を挙げているところです。他方で、カーボンニュートラルの実現に向けては、更なる民間投資の促進が必要になっていると認識しています。
 脱炭素化支援機構の設立により、グリーンファイナンス推進機構による投資活動は終了しますが、これまで出資した案件については、投資回収まで管理することになります。
 次に、脱炭素化支援機構の民間資金の呼び水効果についてお尋ねがありました。
 脱炭素化支援機構による民間資金の呼び水効果の見込みは、環境省において、事業会社等から幅広く聞き取りを行うことで把握した資金支援のニーズや、他の官民ファンド等の呼び水効果の実績も参考にしたものです。
 次に、脱炭素化支援機構の収益性の確保についてお尋ねがありました。
 グリーンファイナンス推進機構の収益状況については、現在は累積損失が発生している状況ですが、出資案件のいずれでも毀損は生じておらず、また、今後、設備が稼働することで収益を回収する段階に入っていき、黒字化すると見込んでいます。
 この度の脱炭素化支援機構については、幅広い事業を対象とすることと併せて、投資実務等に専門的知見を有する者で構成される脱炭素化委員会が、事業の収益性を十分に精査して最終決定することにより、収益性を確保してまいります。
 投資後のモニタリングについても、脱炭素化支援機構において、対象事業の状況を適時に確認し、必要に応じて事業の企画、実行についての助言や情報提供等の支援を行うとともに、環境省としても適切な対応を促してまいります。
 次に、脱炭素化委員会についてお尋ねがありました。
 脱炭素化支援機構においては、支援決定の判断に当たっては、専門的見地から中立的に判断を行うため、脱炭素事業や金融等の専門的知見を有する者から成る脱炭素化委員会において行うこととしています。
 脱炭素化委員会の運営の在り方について、本法案では、特別の利害関係を有する委員は議決に加わることができない旨、及び委員会の議事録を作成、保存し、株主に開示する旨などの規定により、公正性、中立性、透明性を確保いたします。また、環境省としても、脱炭素化委員会の運営が適切になされるよう、脱炭素化支援機構を適切に監督してまいります。
 次に、地域との共生に係る支援の在り方についてお尋ねがありました。
 環境大臣が策定する支援基準については今後検討していくこととなりますが、脱炭素化への貢献、収益性の確保、我が国の経済社会の発展の推進への寄与などに加えて、事業者の環境配慮や地域との共生の確認などについても盛り込むことを想定しています。
 次に、個別事業への環境大臣の関与についてお尋ねがありました。
 脱炭素化支援機構による個別事業への支援決定に際しては、環境大臣が策定する支援基準に照らして、環境配慮や地域共生の点も含む国の政策との整合性などの観点から必要な意見を述べることを想定しています。さらに、対象事業が開始した後も、機構は、対象事業者からの実施報告等を通じて、環境配慮や地域共生の点も含めて事業が問題なく実施されているかどうかを確認し、必要に応じて助言等を行うこととしています。
 環境省としても、随時、脱炭素化支援機構に適切な対応を促してまいります。
 次に、国の努力義務として地方公共団体への財政支援等を法律上明記したことについてお尋ねがありました。
 地域の脱炭素化に当たっては、地方公共団体の役割が重要であり、今回の改正法案では、地方公共団体の総合的かつ計画的な施策に対する財政上の措置等を講ずる努力義務を規定し、国の支援姿勢を明らかにしたものです。
 環境省として、必要となる所要額の確保に全力で取り組み、脱炭素先行地域を始めとする地方公共団体の脱炭素の取組をしっかりと支援してまいります。
 次に、地域の脱炭素化に取り組む自治体における人材の育成や確保についてお尋ねがありました。
 これまで環境省では、実践的なセミナーを通じて、地域で脱炭素事業の中核を担う人材を育成してきました。加えて、本年四月から地方環境事務所に地域脱炭素創生室も新設し、自治体職員からの相談体制の強化を図ったところです。
 今後とも、地域における脱炭素分野の人材の能力向上や専門的人材派遣等の支援措置を一層強化してまいります。
 次に、脱炭素先行地域の選定についてお尋ねがありました。
 脱炭素先行地域は、公表している選定要件に基づき、脱炭素先行地域にふさわしい再エネ導入量などのほか、地域の課題解決への貢献可能性等の観点から、学識経験者で構成する評価委員会において評価を行い、選定することとしています。
 第一回の脱炭素先行地域の募集では、準備期間が短いにもかかわらず、多くの地方自治体から七十九件の意欲的な提案をいただき、全国で地域脱炭素の機運の高まりを肌で感じているところです。現在、第二回以降の募集に向けても、多くの地方自治体からの高い関心を得ており、環境省としては、これらの地方自治体に対して丁寧な伴走支援を行うことにより、百地域にとどまることなく、できるだけ多くの地域を選定したいと考えております。
 次に、地域脱炭素における地域間連携についてお尋ねがありました。
 御指摘のとおり、地域脱炭素における地域間連携は、安定的な再エネ電力供給や地域経済活性化の観点から有効と考えます。今回選定した脱炭素先行地域においても、全国のモデルとして広域連携した取組が含まれております。
 引き続き、広域連携を含め、地域特性を踏まえた地域脱炭素の取組について支援してまいります。
 次に、ブルーカーボンについてお尋ねがありました。
 海草などの海洋生態系による二酸化炭素の吸収、固定のことを指すブルーカーボンは、温室効果ガスの吸収源としての役割に加えて、水質改善、生態系保全等の相乗効果も期待できるため、重要な気候変動対策の一つです。
 環境省としては、温室効果ガスの排出・吸収量目録、いわゆるインベントリーを所管する立場として、ブルーカーボンによる吸収量を我が国のインベントリーに計上が可能であるか検討を進めているところです。
 引き続き、関係省庁と連携しながら、ブルーカーボンの活用の在り方について検討してまいります。
 また、脱炭素化支援機構の支援対象となるかどうかについては、脱炭素化への寄与の程度や事業の収益性等を十分に精査して判断していくことになります。
 最後に、再生可能エネルギーの需給調整についてお尋ねがありました。
 再生可能エネルギーの大量導入を進めるためには、太陽光や風力の出力変動をうまく調整することが必要であり、余った再エネをためる蓄電池や水素の活用が重要であると認識しております。
 このため、環境省では、太陽光発電と併せて蓄電池を導入する取組や、動く蓄電池である電気自動車等の導入を支援しております。また、地域の再エネ由来の電力を水素として利用する取組への支援も行っております。
 引き続き、再生可能エネルギーの最大限の導入を図るべく、関係省庁と連携して、調整力の確保も進めてまいります。(拍手)
   〔国務大臣萩生田光一君登壇、拍手〕

発言情報

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発言者: 山口壯

speaker_id: 5061

日付: 2022-05-13

院: 参議院

会議名: 本会議