清水貴之の発言 (本会議)
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○清水貴之君 日本維新の会の清水貴之です。
会派を代表して、ただいま議題となりました地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案について質問をいたします。
初めに、気候変動が一因となっていると考えられる気象災害は、近年、世界各地でより一層深刻な被害を及ぼしています。国内においても、猛暑や豪雨などの極端な気象現象が増加しており、人々の生命や暮らしなどに深刻な被害をもたらしています。また、気候変動に関する政府間パネルが昨年八月に公表した第六次評価報告書第一作業部会報告書では、人間の活動が地球温暖化の原因であることが初めて断定され、さらに、向こう十数年の間に二酸化炭素及びその他の温室効果ガスの排出が大幅に減少しない限り、二十一世紀中に地球温暖化は一・五度から二度進むことが示されました。
加えて、先般公表された気候変動に関する政府間パネルの第六次評価報告書第三作業部会報告書では、遅くとも二〇二五年までに世界の温室効果ガス排出量を減少させる必要性が指摘され、気候変動対策は待ったなしの状況にあります。
そこで、山口環境大臣に伺います。
同日出された環境大臣談話では、経済社会全体の大変革のためのグランドデザインが必要であるとしていますが、大変革とは何を示すのでしょうか。
一方で、ロシアによるウクライナ侵攻は、欧州を中心に各国のエネルギー政策に大きな打撃を及ぼしており、化石燃料への揺り戻しや国際協調の乱れなど、気候変動対策の後退が懸念されているところです。国内においても、エネルギー政策の修正を求める声も上がっています。先日、政府がロシア産の原油禁止の方針を打ち出しました。このことは、調達不安につながるという心配がありつつも、日本が目指す脱炭素社会への契機ともなり得るのではないでしょうか。環境大臣の考えをお聞かせください。
続いて、経済産業大臣に伺います。
三月には東京電力と東北電力の管内で初の電力需給逼迫警報が出されましたが、今後の対策の一つとして、地域間での送電線の充実を通して、蓄電の能力を高める総合的な電力システムの構築が欠かせないと考えられています。また、風力発電の国別導入量は中国がトップであり、各国導入を加速する中、日本は大幅な後れを取っています。こういったエネルギーの多様化に順応し、エネルギーの安定調達に向け、将来像を早急に見直す必要性があるのではないでしょうか。お答えください。
ロシアのウクライナ侵攻を機に、各国はエネルギー安全保障の見直しを進めています。日本は、運輸分野では石油、電力では天然ガスに依存をしているため、海外依存度は依然高い状況にあります。国内でつくり出すエネルギーを増やすことをエネルギー安全保障上重要な視点と捉え、安定した電力源である原子力の位置付けをこれまで以上に重視する考えはありますでしょうか。
昨年十月に閣議決定されたエネルギー基本計画では、二〇三〇年の電源構成における原子力の比率を二〇から二二%にする計画ですが、電力調査統計においては二〇二〇年度の電力供給における原子力発電の割合は四・四%でした。エネルギー基本計画の原子力発電比率の目標を達成するためには、原発は何基必要であると考えますか。また、二〇三〇年目標の実現には、EU同様、原子力発電を気候変動の重要手段であると位置付け、再稼働を進めなければ実現できないと考えますが、経済産業大臣の見解をお聞かせください。
今回の法律案の柱の一つは、二〇五〇年カーボンニュートラル及び二〇三〇年度温室効果ガス削減目標の実現に向けて、世界のESG資金を呼び込むため、新たな官民ファンドとして株式会社脱炭素化支援機構を設立することです。しかし、既に、環境省の補助金事業である地域脱炭素投資促進ファンド事業において、一定の採算性、収益性が見込まれる地域の脱炭素化プロジェクトに対する出資が行われています。
現在運営中の十三の官民ファンドは、二〇二一年三月時点で財政投融資などにより政府から計一兆五千九百五十六億円、民間からの出資など計七千七百九十一億円を受け入れていますが、その中の六つのファンドが累積損失を抱えています。
その中で、経済産業省所管の官民ファンド、クールジャパン機構は、投資案件の失敗が相次ぎ、経営陣の刷新も行われましたが、二〇二〇年度末の累積損失は二百三十一億円に拡大しました。例えば、機構がおよそ十億円投資したマレーシアにある伊勢丹ジャパンに関しては、開業から僅か一年半で株式を売却するという結果となりました。ブドウ一箱二万円など、値付けが非常に高い商品や、日本文化を海外に発信させるとは到底思えない商品が並び、客足が伸びませんでした。
さらに、日本の漫画や邦画のハリウッド映画化を目的とした映画会社のANEWには、産業革新機構から二十二億円の投資がされたにもかかわらず、五年間で映画の一本も作れなかったというさんざんな結果となっています。当時の経済産業省の評価では順調な経営とされ、二〇一四年に十一億円の追加投資を行いましたが、結局、二〇一七年には投資額の僅か一・五%の三千四百万円で売却されています。委員会でその件を経済産業省にただしたところ、投資の成果として権利関係の整理やノウハウが蓄積されたとの返答でしたが、数十億円にも及ぶ投資の成果として果たして十分なものだったと言えるのでしょうか。改めて、経済産業大臣の見解をお聞きしたいと思います。
そもそも、官民ファンドの役割は、民間では集まりにくい投資を行い、日本の潜在成長率を高めるといったことが基になっています。しかしながら、例に挙げた伊勢丹ジャパンやANEWへの投資を官民ファンドで行う必要が本当にあったのでしょうか。民業を補完するのではなく、民間が手を出さないような内容の良くない投資を行った結果、累積損失を増やしたのではありませんか。投資ですから、成功もあれば失敗もあることは理解をしますが、このような事例に関して、経済産業省としてどのように総括をしているのか、お聞かせください。
加えて、官民ファンドは、他の公的機関とのバランスから、民間ファンドならば得られるような高い報酬はかなわず、優秀な人材が不足しがちだと聞きます。人材不足は収益確保が困難となる原因にもなりかねないと考えますが、日本の経済成長に役立つ投資案件を発掘する体制づくりを急ぐべきではありませんか。
時間の関係で詳細は差し控えますが、農林水産省の農林漁業成長産業化支援機構、A―FIVEも百十五億円の損失を抱え、官民ファンドでは初めて業務を停止されました。
こういった課題が解消されていない中で、なぜ既存事業の活用ではなく、新たな官民ファンドを立ち上げる必要があるのでしょうか。お答えください。
また、環境省は、新たなファンドの民間資金の呼び水効果をどの程度になると想定しているのでしょうか。その想定及び具体的根拠についての見解をお願いいたします。
新たな出資制度は、財政投融資を活用した制度であることから、収益性の確保が求められます。しかし、既存の地域脱炭素投資促進ファンド事業の実施主体である一般社団法人グリーンファイナンス推進機構は、プロジェクト投資ベースでは黒字を確保しているものの、事業経費等も含めた機構全体の収支では、令和二年度末の時点でおよそ十四億円の累積損失を計上しています。新たに設立される株式会社脱炭素化支援機構は他の官民ファンドに比べ設置期限が長いですが、機構の長期の収益性確保の見通し、また、収益性確保に向けた具体的方策について、環境大臣に伺います。
さらに、機構の設置期限が二〇五〇年度末までと想定されていることを見据えた場合、機構自身が日本のESG投資の促進に資する投資人材を育成していくことも必要と考えますが、投資人材の育成において機構の果たすべき役割をお聞かせください。
加えて、機構の役員の選任に当たっては、公務員の新たな天下りのあっせんとの疑いの目を掛けられないような運用を行うことが必要であると考えますが、環境大臣、いかがでしょうか。
脱炭素先行地域についてもお伺いします。
政府は、二〇二五年度までに脱炭素先行地域を少なくとも百か所選定する方針だとのことです。先日、十九道府県の二十六か所が選定されましたが、いち早く脱炭素ドミノを実現するためには、選定のスピードアップと、先行地域での取組が他の地域に面で広がっていくことが重要ではないかと思いますが、いかがでしょうか。
地球温暖化対策は、政府が号令を掛ければ進むものではありません。国民、自治体、民間、特に日本企業の九割を占める中小企業の理解と協力なくして実現しません。施策の実施に当たっては、より積極的な広報や簡易な手続が求められると考えられますが、環境大臣の考えをお聞かせください。
日本維新の会は、次世代により良い地球と地域を残していくため、脱炭素化の実現に共に全力で取り組んでいくことをお約束し、質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔国務大臣山口壯君登壇、拍手〕